帝都へ帰還の旅 ~これまでを振り返ってみよう~
俺の名前はラムリーザ、シロディール魔術師大学のコンジュラーだ。
コンジュラー、すなわち魔法使い。魔術師大学の魔法使い、当たり前である。
しかし魔術師大学にも用務員のおじさんもいるわけだし、皆が皆魔法使いであるわけではない。
俺も少し前は、イヴォーカーという死霊術師みたいな存在だったからな。
俺は今、魔術師大学の仕事を終えて帰還しているところだ。
魔術師大学は、現在死霊術師の問題に直面しているらしい。
元々遺跡の奥に引きこもって細々と研究していた死霊術師が、何故今になって表に出てきたのか。
表に出てきただけではない、何人か魔術師大学のメンバーを殺して回っているのだ。
スキングラードではメルカトールに騙されて、俺も襲われた。
一ヶ月ほど前に、ギルドに入って準会員となったのがずいぶん昔のように思える。
それ以前の記憶は、無い。
気がつけば、寂れた場所に倒れていたのだ。
俺はいったいどこから来たのか、何をしていたのかは思い出せない。
記憶を取り戻すすべがあるとしたら、それに一番近いと思われたのが魔術師ギルドだ。だから俺は、この国では魔術師ギルドに属することに決めた。
ギルド最初の仕事は、マスターを困らせるためのイタズラだったけどな!
今の状態だと、俺とジ=スカール先輩はどっちが偉いのだろうか?
いつまでも先輩は先輩として敬う必要があるのかな? それなら新入りの子分が欲しいところだ。
魔術師ギルドの総本山は魔術師大学。
その大学に入るためには、この国の各地に散らばるギルドから、推薦状を書いてもらう必要があった。
ブルーマから始まり、コロル、シェイディンハルと、様々な仕事をこなしながら少しずつ認められていった。
その間にやっていたのが、デイドラのお宝クエストだ。
この国には、語りかけてくる神様がいて、神からの要求を達成すれば、主に武器だが宝をくれるのだ。
それ目当てで、デイドラの噂を聞きつければ、次々にその祭殿を訪れて神のために働いてきた。
アンヴィル、レヤウィン、ブラヴィルと残りの街の仕事も片付け、全てのギルドから推薦状を出してもらえた俺は、晴れて魔術師大学の一員として認められたのだ。
その時、準会員からようやく見習いへと昇格できたわけでもある。
一方デイドラの仕事もどんどん苛烈になってきた。
サングインにはパーティで裸にされたり、モラグ・バルに死ぬことを強要されたり、シェオゴラスには村に災厄を引き起こす手伝いをさせられた。
極めつけはメファーラ。二つのグループが平和に暮らしている村の指導者を暗殺して仲違いまでさせられた。
魔術師大学で見習いとなった俺は、最初の仕事として杖を作ることになった。杖は魔術師の象徴だそうで、みんな持っているそうだ。
そこで、初めて死霊術師の攻撃にさらされることになったのだ。
見習いの行くような最初の洞窟で、死霊術師は襲い掛かってきた。杖を作るために居たメンバーは、すでに殺された後だった。
その時から、魔術師大学と死霊術師の戦いが始まったようなものだった。実際はもっと早くから死霊術師は動いていたのだが、杖作りの件で表に出てきたというわけだろうか。
そんなわけで、死霊術師対策に必要な本を返してもらうようスキングラードに派遣されたのだ。
そこで執事のメルカトールが実は死霊術師で、スキングラードの内部まで死霊術師が侵食していたということがわかったりした。
その後、少しの間俺は死霊術師対策からは外れ、遺跡探索の手伝いをするためにヴァータセンへと向かったりした。
そこで手に入れた太古のエルフの兜はダサいものだったが、大学では重要なアイテムっぽかったりするのだ。
遺跡探索の功を認められた俺は、ようやくコンジュラー、魔法使いに昇格して、ようやく魔術師っぽくなってきたりする。
そして今回、死霊術師と黒魂石の関係を調べるために、闇の裂目で死霊術師の儀式を確認して帰るところだ。
とりあえず思い出話でもしながら戻っていたのだが、街路を使わずに最短コースで大学へ向かっているのがわかると思う。
だってさ、帝都の入り口は西側で、魔術師大学は帝都の南東にあるから、普通の道を通っていたらすごく遠回りになるんだよ。
だからこうして、裏口の下水路あたりを通って帰るほうが近道なのだ。
しかしまた大学が高台にあるから、崖を登るか回り道をしなければならないのだよね。
ああそうそう、仲間(?)の話をしていなかったな。
このユニコーンだが、ハーシーンというデイドラの依頼で、ユニコーンを殺して角を奪って来いというのがあったのだ。
俺は、宝とユニコーンを天秤にかけ、ユニコーンを選択した。
処女しか乗せないはずのユニコーンが、何故か俺を受け入れてくれる。
その理由はいくつか考えられるが、一つ目は実は俺は女で処女だということ。トランスジェンダーとかいうやつだが、俺にその兆候はないし生えてるものは生えてるってい何を言わせるのだ!
二つ目は、オスのユニコーンは処女しか乗せないが、メスのユニコーンは童貞しか乗せないというものかもしれないということ。確かに俺は、シロディールに来てからは経験は無い。それ以前の記憶は、無い!
三つ目は、そもそも処女しか乗せないというのが都合の良い言い伝えだということ。実際はそんな縛りなど無いということだ。
そんな理由はまあどうでもいい、とにかく今はこのユニコーンを旅の友としている。
うむ、これまでのことを振り返っていたらようやく戻ってこれたようだ。
次回からは同じ道を通った話はカットするからな!
というわけで、闇の裂目で見たことをラミナスに報告して、今回の任務は終わり。
俺はマジシャンに昇格となった。中級魔術師らしい。
具体的にどのくらい偉いのかわからんけどな。
ジ=スカール先輩や、アリーレさんは、どのくらいの位の人なんだよ?
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