レヤウィンのゲート ~動物園崩壊~
レヤウィンからすぐ北にある小島、ミーシャのお気に入り場所にオブリビオン・ゲートが開いてしまった。
ゲートからは、アトロナックやクランフィアが湧き出していて、エルスウェアで仲間に加えたゾウに襲い掛かっている。
戦象というのもあるが、ゾウはまったく反撃せずに、じっとうずくまって耐えている。
戦ってくれてもよいのに――、と思ったけど違った。
ゾウは、逃げ遅れたミーシャや羊を守っていた!
急げ! このままだとゾウの守りを突破されて、ミーシャの危険が危ない!
ゾウにまとわりついているクランフィアに、緑娘のニードルヒールキックが炸裂!
残るはアトロナックだ!
アトロナックには雷系が効かないので、霊峰の指ではなくバルカン砲を放っておく。
これでひとまずはミーシャを危機から救い出すことができたはずだ。
「大丈夫?!」
「ふえぇぇーん、ミーシャが島にみんなと来て遊んでいたら、突然赤いのが現れて島をぐちゃぐちゃにされたー」
「他のみんなはどうしたの?」
「んーとね、んーとね、ラクダさんと、しまうまさんと鹿さんは素早く逃げたけど、ミーシャと羊さんは逃げ遅れちゃったの。ゾウさんが守ってくれたけど、ゾウさん死んじゃうよーっ!」
「あたしが来たからもう大丈夫、心配しないで」
確かにゾウ、クランフィアの引っ掻きや噛みつき、アトロナックの雷撃でボロボロだ。
そんなこともあろうかと、治療の魔法も習得しておる。
回復術について詳しく学びたい者は、アンヴィルへ行って勉強するがよかろう。
あ、パンダさんが転がってる。
さて、これをどうするかだ。
ひとまずミーシャの安全を確保する為に、こいつは閉じておくか。
いや、オブリビオン・ゲートはどこに開くかわからない。
デイゴンの侵攻が解決するまで、ミーシャをどこか安全な場所で匿う必要があるな。
やっぱり魔術師大学か?
そして俺は、四つ目のゲートを閉じにかかった。
そろそろ気がつきつつある。この動乱に関しても、衛兵は役に立たないのだと言うことを。
この国の衛兵って、たぶんアルバイトレベルの警備員って所なのだろうね。
例えばマニマルコの騒動とか、下手すりゃ国が傾くレベルの問題には全然関わってこないから。衛兵がやることといえば、やれパンを盗んだだの、殴られただの、その辺りを取り締まるぐらいだからね。
さて、お馴染みになったオブリビオンの世界。
ここも三つの塔、それぞれが独立して建っているね。
三箇所にシジルストーンがあるのかな? とりあえず左側の塔から攻略しよう。
奥の塔は、崖の上にあって下からは行けないようになってるし。
………
……
…
いろいろ省略して、最上階ね。
なんとこの塔の最上階には、シジルストーンは存在しなかった。
フェイクの塔を用意するとは、デイドラ軍団も巧妙になってきたな。
その代わり、これまで攻略してきた塔には無かった、大きなレバーのようなものがあったりした。
なんだかよくわからないけど、動かしてみる。
すると、塔の外から大きな音が響いた。何かが起きたのだろうか?
塔の外に出る扉があったので、そこから出てみると、手前にある左右の塔が橋で繋がっているではないか。
これは、レバーを動かして橋を作って、奥の塔へと向かうって流れかな?
手前の塔から奥の塔へと繋がる橋のような物が見えるが、途中で途切れていて繋がっていない。
右側の塔にも、最上階にレバーがあったので動かしてみる。
すると今度は、奥の塔へと繋がる橋が完成していた。
その代わり、左右の塔を繋ぐ端は、再び途切れてしまったようだ。
塔を降りて戻るのはめんどくさいので、橋へと飛び降りることにした。
奥の塔へと辿りつければ、後は同じ流れだね。
ドレモラやデイドロス、アトロナックを無視して頂上へと向かう。
最後の塔もフェイクだったらどうしようもないが、その時はその時だ。
世の中には、楕円形のボールを持って走り、敵の妨害や追撃をかわしてゴールへと持っていったら勝ちだというゲームがあるらしい。
オブリビオンの世界も同じだ。
敵の妨害をかわして塔を上り、逃げ切ってシジルストーンを奪ってしまえば勝ちなのだ。
問題は、その石を取った時のポーズだ。変な格好はできないのである。
「どうだ、今度は決まっただろう」
「赤いのが消えたら、らむたんが戻ってきたー」
「コラ待て、らむたんは羊の名前だろうが」
これにて、小島の騒動は解決。
そろそろ日が暮れようとしているので、今日はレヤウィンで宿泊していくことにした。
問題は、レヤウィンの自宅はボロッちいことである。
「ねぇねぇ、ミーシャの泊まっている部屋においでよー」
ん、魔術師ギルドのレヤウィン支部か。そちらの方が、上質な造りになっているね。
自宅にはそれぞれランクがあり、一番豪華なのがスキングラード、なにしろメイド付きの屋敷である。
次が、コロール、ブルーマ、シェイディンハルの普通の屋敷。その次が、元幽霊屋敷のアンヴィル。地下に秘密基地があるのが難点だ。そしてブラヴィルから造りは荒くなっていく。帝都港湾地区やレヤウィンは、半分あばら小屋なのだ。
「このベッド、ぽよんぽよんだよー」
ミーシャはベッドの上で跳ね回る。その勢いで、パンダさんも跳ねまくる。
どうでもいいが、一つのベッドで三人川の字になって寝るのか?
当然の如く、俺がミーシャと並んで寝ることは緑娘に反対され、俺だけが寂しく一人床で寝ることになったのであった……(。-`ω´-)
前の話へ/目次に戻る/次の話へ