エルスウェアの旅路 ~コリントからオークレストへ~

 
「おいっイノシシの勝者、ハンターの仕事があるぞ」
「伺いましょう」
「帝都のある貴族が、最高のシマウマの毛皮を欲しがっている」
「ぬっ、帝都の貴族か。またろくでもないことになりそうだなぁ」
 

 コリントの商店街をぶらついていると、ハンターギルドのオグラに呼び止められた。
 しかし帝都の貴族からの依頼というのがよくない。大体がウンバカノの責任である。
 そのシマウマというものが、ムナーラワという蛮族の王女の馬であるらしい。そこで王女を殺して、シマウマの毛皮を剥ぎ取ってくるのが今回の仕事だが、割と野蛮だな……(。-`ω´-)
 まぁ蛮族のということだから、山賊みたいなものだろう。山賊サークルの姫だと考えたら、そんなに手加減する必要は無さそうだな。
 そしてついでにシマウマの肉も取ってくることになった。なんでもオグラが新鮮なシマウマのステーキが食いたいのだそうだ。美味いのか?
 ムナーラワという蛮族やシマウマが何処にいるのか調べるのなら、キングスウォークのキャラバン宿に行けばいいという話だった。
 
「で、キングスウォークってどこですか?」
「リバーホールドとオークレストの間辺りにあるね、エルスウェア北部だ」
「それじゃ、まずはオークレストに行ってみよう」
 

 さあ、コリントを出発する時が来たぞ。
 
「目指すはオークレスト、街の人の話ではオークの故郷とか?」
「少し前に立ち寄った宿で、オークレストの魔女から何か言われてなかったかしら?」
「ダーカーン亭のリビア・ベルタイレだな。後はモフモフ、タマタマ、ムズムズ、デレデレ、トゥルットゥー」
「トゥルットゥーはアガマナスの司祭でしょ?」
「うむ……(。-`ω´-)」
 
 

 目指すオークレストはここ、エルスウェアの中央部にある町だ。
 最初に訪れたリメンから西に行けば、オークレストだったのだな。
 

 さらばコリント、ハンターギルドの仕事が終わればまた戻ってくるぜ。
 ――などと、自然にできたトンネルから覗くコリントの白い外壁に別れを告げたのであった。
 いずれ暇ができたら、コリント人への手紙でも書いてやるさ。二通ほどな……
 出だしはさしあたり、神の御旨により召されてエルスウェアの使徒となったラムリーザと、先輩ジ=スカールからコリントにある神の教会――とかこんな感じでな。
 
 

 旅路は、立て札に沿って道なりに進むだけだ。
 コリントから北上すると、リバーキープ砦に辿りついた。
 さらに北を目指すぞ。
 

 道の途中で、正体不明の生物がくたばっていたりする。
 
「何だこいつは、初めて見るぞ?」
「トゲゾーじゃないかしら?」
「ほう、テフラは知っているのか?」
「トゲトゲ卵のパイポから生まれた生物は、トゲトゲのトゲゾーだと聞くわ」
「パイポ? シューリンガンじゃなかったっけ?」
「パイポパイポのシューリンガン、同じ物よ」
「グーリンダイは?」
「シューリンガンのグーリンダイ、これも同じ物」
「二人とも何を言っているのだ? これはクリプトドンだ」
「そうだぞ、クリプトドンだぞ」
「あっ、ずるい! あなたも乗ってきたじゃないの!」
「知らんな(。-`ω´-)」
 
 

 ヘルカーン・ランドを横断している川、レッドリバー渓谷。
 恐らく河口は、ダンコリ・ウォーク辺りになっているはずだ。
 源流は辿ってみないとわからんなぁ。
 おそらくこの川の形状から見るに、長い年月をかけて大地を削っていった結果なのだろうな。
 
 

「飼わないからね」
「ん~」
「飼わないからね」
「まあいいわ、ヤギは羊さんと比べてちょっと怖いしモフモフしていないから」
「羊も飼わないからね」
 
 ――などと言ってから、既に三匹の羊を飼っていたことを思い出したのである。
 緑娘の要求をすべて呑んでいたら、今頃は羊にヤギにひよこに、それ何て牧場物語? といった状況になってしまうので油断できない。
 
 とにかくエルスウェアでは、羊を全然見ない代わりにヤギがたくさんうろついているのだ。
 羊は乾燥に弱く、ヤギは乾燥に強いのかな?
 
 

 立て札の行き先も少なくなってきた。
 オークレストにデューン? そんな所もあるのか。
 
 

 立て札を過ぎたあたりで、少し大きめの池が目前に現れた。
 ここはグリーンベイル湖という名前で、特に何も変わった所は無い。
 なんだかデイドロスみたいなのが居るので、無理に近づかずにそっと立ち去ることにした。
 

 地図で確認してみたところ、ここまで来れば、だいぶんオークレストに近づいたことになる。
 しかし、ここから辺りの雰囲気が変わりだしたのだ。
 

「ん? 赤い世界が砂の世界になったぞ」
「ここはネ・クィン=アル砂漠だ」
「ネ・キング=ナイ砂漠は?」
「無い」
「ナイ砂漠だけに無いんだな」
 
 目の前に広がっているのは砂漠だろうか?
 まあ気にしなくても大丈夫だろう。
 
 あなたの傍で暮らせるならば、辛くはないわ、このエルスウェア砂漠。
 あなたが居れば、うつむかないで歩いていける、このエルスウェア砂漠。
 
 ぬ、このフレーズの元ネタは知らん……(。-`ω´-)
 とりあえず、男が女みたいな口調で歌うなっつうの――って何の話だ!
 
 

 そんなこんなで、砂漠の中にどっしりと構えている大きな要塞のような物が現れたのだ。
 これがオークレストか、シロディールでは見かけない風景だな。
 とにかく初めての砂漠、何が起きるのかしっかりとこの目で捉えてやろうではないか。
 
 
 
 




 
 
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Posted by ラムリーザ