何かいろいろと ~クロップスフォードのその後や帝都の家など~
さて、ブラヴィルでの仕事は終わった。
いろいろと報告して回らなければならないので一つずつ片付けるぞ。
シェイディンハルへ向かう途中、この場所に来たときにあることを思い出した。
「そう言えばクロップスフォードはどうなったのだろう」
「誰よそれ?」
「人じゃない、集落の名前だ(。-`ω´-)」
相変わらず俺の交友関係を気にしすぎる緑娘だこと。
以前ゴブリンの抗争に巻き込まれて集落を追われた人々を助けてあげたことがあった。
あの時はまだ骨組みしか無いような状態だったが、あれからかなりの日々が過ぎたのでそろそろ完成している頃かな?
「ほら、ここがクロップスフォードという集落だ」
「ふーん、なんだか素朴なところだね」
「以前はゴブリンが暴れまわっていたけどな」
まぁ普通の集落。
確かここに来たのは他の国からの移民、ハイ・ロックだったっけ?
みんな「あなたのおかげでここまで発展できた」などと言っている。つまり、俺はここでも英雄なのか。
シェオゴラスやメファーラに目をつけられないように、しっかりやってくれ。
………
……
…
そしてシェイディンハルである。
戦士ギルドに向かい、バーズに脱獄犯を全滅させたことを報告だ。
なんかバーズは訓練していたので、俺もフリーズ・レイの訓練をしておく。
最近霊峰の指改の一本調子だったので、ここらで別の魔法も慣らしておいて飽きないようにするものだ。
戦闘に飽きるとか言ってるが、平和を好まぬ者ではないからな!
「こらっ、お前には果たすべき依頼を与えただろ? 俺と話をしている暇があるのか?」
「だから脱獄犯を退治したのよ、この緑人間!」
「全員退治したのか、しかも無事に戻ってきた。最高だな相棒、お前には本当に驚かされる。これが報酬、それとお前はガーディアン昇進。戦士ギルドの守護者と名乗るがよい」
「相棒じゃないけどありがとう~。ねぇラムリーザ、あたしガーディアンになったよ!」
「ん? 毛糸でできた服になったのか?」
「それはカーディガン!」
「ええい、訓練の邪魔だ。オレインがお前を探しているようだから、すぐにコロールへ行くんだ」
これにて戦士ギルドの仕事もおしまい。
再びオレインから新しい任務があるようだが、その前に魔術師大学に立ち寄ろう。
………
……
…
「コロールに行くんじゃないの?」
「ヴァンガリル博士とエランドゥル氏について報告しておかないとな」
「ラムリーザ=エランドゥル=ヴァンガリルは?」
「……忘れてくれ(。-`ω´-)」
魔術師大学に到着する頃には、そろそろ日も暮れようとしていた。
「まずいな、またアークメイジの私室に泊まらないといかん」
「あの軟禁部屋ね」
「言うな……(。-`ω´-)」
「ラミナスさん、ヴァンガリル博士とエランドゥル氏は二人ともリッチになったのか、なんだかよく分からないけど死霊術師も住み着いていたし全部片付けてきました」
「ありがとう。やはりヴァンガリルはダメだったか。よし、テフラだったかな、コンジュラーに昇進」
「コンジュラーってなぁに? 森の木陰でコンジュラほい?」
「魔法使いだ」
「なにそれ、当たり前じゃないの! あたし以下の人は魔法使いですらないの?」
どうでもいいが、緑娘のボケも突っ込みも、以前の俺と全く一緒だな……(。-`ω´-)
「ラミナスさん、帝都で家は買えないのですか? あと俺は昇進無しですか?」
「アークメイジ以上の位は無いからなぁ」
「無ければ作ればいいのです。キング・オブ・ザ・マジシャンとか!(`・ω・´)」
「ダサッ」
なんか横から緑娘の呟きが聞こえたような気がする。
「まあいいや。で、帝都の家は?」
「確か商業地区にある商工会議所のヴィニシアが売ってますが、アークメイジの私室があるのでは?」
「いや、このテフラが自宅マニアなもので……」
「なによ、自宅マニアはあなたじゃないの!」
とまぁそういうわけで、アークメイジの私室の戻らなくて良いように帝都で家を買うことにした。
帝都の家は、明るい白壁なのでさぞかし住み心地がよい場所だろうな。
急がないと日が暮れて、商工会議所とやらが閉まってしまう。
商業地区にあると言っていたので、急いで向かうことにした。
「家ですか? う~んと、今現在の手持ちの売り家は、港町のあばら屋だけですね」
「あばら家?」
商工会議所のヴィニシアに話を聞いたところ、そんな言葉が返ってきて嫌な予感がしたものだ。
それでもアークメイジの私室よりはマシだろう。
「それでは2000Gで売ってあげましょう」
「安っ!」
さらに嫌な予感は大きくなる。
ちなみにジメジメしたブラヴィルの家が4000Gである。それよりも安いのか……
「港湾地区にあります。見てくれは悪いですが……」
「…………」
………
……
…
「…………」
「これが帝都の家?」
「まだ望みはある! 外見は悪いが内装は立派かもしれない! 人間見た目じゃなくて内面だ!」
「あたしよりマゾーガ卿の方がいいの?」
「こほん、入るぞ!」
「狭っ! しかもここも窓がない!」
「やっぱり外面から入るべきだわ」
「そんなことは無い、マゾーガ卿の心は立派な騎士だ!」
「この家は?」
「…………(。-`ω´-)」
しかもベッドも一人用のサイズだったりする。
「あたしは別にあなたに抱かれて寝るのでもいいわ」
「ちょっと考えさせてくれ……」
「何よ、前はいつも抱いて寝てくれたのに」
「あぶだかだぶらくるりんぱぴゅーん」
「あ、壊れた……」
俺は帝都には絶対に住まねぇ!
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