新生ブルーマギルド完成! ~追ってきたあの娘~
俺の名前はラムリーザ、過去が怪しい男。
なんか知らんが俺の許婚だという娘から逃げ出してブルーマに戻ってきた。
ナリナ伯爵夫人は、俺の名声を高く評価してくれて、ブルーマに家を持つことを許してくれたのだ。
そういえば、全ての街に拠点を設けるという野望があったな。これまでに、アンヴィル、スキングラード、シェイディンハルに自宅を構えている。アンヴィルの家はアリーレさんに取られたけどね……(。-`ω´-)
というわけで、ここがブルーマにおける俺の家。
別にギルドがあるから寝泊りには困らないだろ? と思うが、家を持つというのもステータスの一つなのだよ、ジ=スカール先輩。
と、何故かここには居ない先輩に自慢して、早速自宅へと飛び込んだ。
いいねぇ、やっぱりこの素朴さがいいよ。
ここに比べたら、アークメイジの私室は閉塞感が酷すぎて牢屋みたいなものだ。
ブルーマギルドの改築が完了するまで数日かかるということなので、俺は残る日をこの家で過ごすことにした。
時々建築現場に行って進捗を確認すると同時に現場監督のジ=スカール先輩と雑談。
それ以外の時間は、主にオラヴの店に行って酒でも飲みながら雑談。
うーん、自由奔放すぎるアークメイジ。
だがそれがいいのだ。俺はハンニバルほど真面目じゃないし、ジ=スカール先輩ほど不真面目ではないのだ。ん? じゃあどっちだ?
まあよい。
………
……
…
数日後――
自宅でのんびりしていると、突然ジ=スカール先輩の訪問を受けた。
「なんですか先輩? あ、ここが俺の家、すごいでしょ~」
いまさらながら自慢してみる。そういえば家を買ってから先輩を招いていなかったな。
「ジ=スカールの家はギルドだ。それよりもラムリーザ、完成したぞ、新しいギルドが!」
「おおっ、できましたかっ!」
先輩は俺に新しいギルドを早く見せたいらしく、服の袖をひっぱってくる。うっとーしい!
ギルドの中に入ると、中は以前よりも明るくなっている感じ?
光の取り入れ方でも考えたのかな?
中で待っていた働き手のタイターは、「報酬を楽しみにしているぜ」と言い残して、また狼と一緒の生活へと戻っていった。
うむ、ごくろう!(。-`ω´-)
後は、建物の検分と、報酬については伯爵夫人と相談だな。たしか全額引き受けてくれると言っていたし。
そういうわけで、まず城に行って伯爵夫人と話をした。
伯爵夫人もギルドが完成したことを喜んでくれ、タイターには執事の方から報酬を届けておくといってくれた。至れり尽くせりだ。
後は建物の検分と、ギルドの支部長であるギルドマスターの選出、ギルドメンバーを集めるとやることはまだまだ残っている。
だが俺は、ギルドマスターに付いては既に決めていた。
「ジ=スカール先輩、次のブルーマ支部長は先輩で決まりですね。俺の方からも、ラミナスに強く推しておくから」
「いや、ジ=スカールはギルドマスターにはならない」
「なんで? 先輩しか次のマスターにふさわしい人は居ないと思いますよ(アルゴニアン支部長も居るんだ、カジートもできるんだというのを見せなくちゃ、とは言わないがw)」
「ギルドマスターになってしまったら、ギルドマスターにイタズラをするという楽しみが無くなってしまう。この者はイタズラするためにギルドに居るのだ」
「…………(。-`ω´-)」
ダメだこの人は。折角カジートがんばれ、アルゴニアンに負けるな、なのに全く先輩は……。
仕方が無いので、ギルドマスターの事は他の人選を後でラミナスと相談することにして、新しいギルドの中を見て回ることにした。
破壊されて水没していた居住区は元通りに復興され、全てが明るい色調で作り直されていた。よいよい。
それ以上に俺を驚かせたのが――
わお! この人たちも戻ってきたんだ……
ジーンヌ支部長、錬金術師セレーナ、イタズラコンビの片割れヴォウラナロ。あなた達のことは忘れません。
――っと、ホールの方が騒がしいな?
なんだか甲高い声で、「ここにラムリーザが居るのはわかっているのよ!」とか聞こえる。
誰だ? 俺の名前を呼ぶ奴は?
「ラムリーザ、なんだかお前を訪ねてきた娘が居るぞ?」
先輩に呼ばれて振り向いたその先に――
「あっ、居た!」
「ぎょっ、お、お前は――?!」
やばい、ペイルパスからあの娘が追いかけてきた。
「待って! あたしの話を聞いて!」
「待てと言われて待つ奴がありますか、とうっ!」
ものすごく厄介な臭いしかしないので、三十六計逃げるにしかずだ。
あの娘は悪くないのはわかるのだが、どうも過去を知るのが怖くなってきた。
幸いギルド内では地の利がある。地下の居住区の入り口は一箇所だけではない。そのまま素通りして逃げ出すことも可能なのだ。
「んじゃ、俺は大学に戻る。後は任せた!」
居住区をそのまま素通りしてホールに戻った俺は、ジ=スカール先輩にそういい残してさっさとプルーマから退散していった。
おりゃあユニコーン、かっとばせー。
ってか何で俺、逃亡生活みたいなことをやっているのだろう……(。-`ω´-)
――――――――
「で、あなたとラムリーザの関係は何なの?」
「ジ=スカールはラムリーザの先輩である」
「先輩? ラムリーザはここでいったい何をやっているのかしら……。まあいいわ、あの人が行きそうな場所を教えてちょうだい」
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