エピローグ ~シャヴァーリの元へ~
こうして俺はギルドマスター、そしてナイチンゲールとして新たな人生を歩むことになった。
これから盗賊ギルドは、さらに影響力を強めていくことだろう。
だが俺にはまだやり残している仕事がある。
シャヴァーリの仇討ちだ。
彼女はサルモールの指令でブレイズを始末するべく行動に出たが、逆撃を被り命を落とした……
公の目で見れば、彼女は仕事に失敗しただけの事。
危険を伴う仕事に失敗して命を落としただけの事。
だが、私事で考えるとブレイズは俺の相棒の仇だ。
シャヴァーリは俺の大切な……
いつの日か一緒に……、と考えていたんだ……
仇は、ブレイズのエズバーンとその護衛であるアルトマーのジェイザルゴ。
エズバーンはサルモールから逃れるために長い間ラットウェイに潜んでいた。
そしてジェイザルゴはそのエズバーンを連れ出すためにやってきた者。
奴らが今どこで何をしているかはわからん。
だが、エズバーンはラットウェイで顔を見たし、ジェイザルゴの人相もエチエンから聞いている。
そしてついに、ジェイザルゴがホワイトランからソリチュードに向かっているという情報を得たのだ。
途中で待ち伏せだ!
ホワイトランはつい先ほどまで、ストームクロークの襲撃を受けていたらしいが、俺には関係ねーな。
………
……
…
来た……
アルトマーのジェイザルゴ……
エチエンの言っていた人相と一致する!
こいつを始末できたら、次はブレイズのエズバーンだ。
ひっそりと沈み、隙を伺う。
そして相手の様子も観察する。
こいつは武器何も持ってないし、鎧ではなくローブを着込んでいる、魔導師か?
ならば懐に飛び込めばこっちに分があるな。
隙を伺い、忍び寄る……
だが突然ジェイザルゴはこっちに振り向く。
ちっ、気づきやがったか。
なんて鋭いやつなんだ。
奇襲戦法は無理か……
ブレイズ――
帝国の親衛隊、シャヴァーリも敵わなかった相手。
普通に戦えば勝ち目はないだろう。
そこで俺にはこの秘薬を使うことにした。
たとえブレイズと言えども、スクゥーマでラリッた状態ならどうにでもできるさ。
まずはフレンドリーにな、行商人のふりをして、と。
レイジィ「やあ兄弟、疲れているみたいだな」
レイジィ「もしよかったら、リラックスできる用意があるんだが」
ジェイザルゴ「兄弟になった記憶は無いが、戦いに疲れていたところだ、丁度いい」
フッ、馬鹿め。
レイジィ「最高級のスクゥーマ、甘い甘いムーンシュガーだよ。お値段も――」
ジェイザルゴ「スターーーーップ!! この麻薬売人め! 罰金払うか服役するか? とりあえず現物は証拠品として押収だ!!」
ちっ、バレたか……、衛兵気取りやがって。
こうなったら実力行使だ!
ブレイズと正面からやりあって勝てるかどうかは分からない。
だが今や俺もナイチンゲールのはしくれ。
素手での戦いなら、こちらにも分がある!
ブレイズだかなんだか知らねーが、お前の思い通りにはさせないぞ!
シャヴァーリ、見ていてくれ!
俺はやってやるぜ!!
レイジィ「フンッ、そう思い通りには行かないぞ!」
(その結末は?!)
→ 結末