トカゲとネコと盗賊ギルド
俺の名前は「レイジィ=マー」、モローウィンド出身のアルゴニアンだ。
モローウィンド南部は、現在我等がアルゴニアンの領土となっている。
そこで俺は生まれたわけだ。
アルゴニアンによるモローウィンド侵攻は一旦止まり、表面上は平穏そのものだった。
俺はその平穏に飽き、何か新しいものを求めて隣の国スカイリムへと足を伸ばしてみたところだ。
おっと、連れのカジートは幼馴染の「シャヴァーリ」だ。
彼女は俺がスカイリムに旅立つとき、健気にも付いて来たものだ。
もっとも彼女は、サルモールに興味があるとか言っていたりする。
なんでも、カジートの里エルスウェアは、サルモールと同盟を組んでいるとか……
だからカジートとして、スカイリムではサルモールに力を貸してみたいと言っているのだ。
そのためスカイリムに付いて来たのかもしれないがな。
レイジィ「ふー、ようやくスカイリムに到着したようだな」
シャヴァーリ「どこか近くに街はないかしら?」
レイジィ「だな、いい加減休みたいぜ」
とりあえず道なりに進むしかないな。
モローウィンド南部からはるばるやってきたのだ。
となると、スカイリムの南東辺りってことだな。
しばらく走り続けると、大きな町が見えてきた。
俺とシャヴァーリは、何も持たない身でスカイリムにやってきたが、
この街で財産築いて贅沢してみたいものだ。
街に入ると、すぐに一人の男に呼び止められてしまった。
モール「あんた、一体誰だ? リフテンで揉め事を起こす気か?」
シャヴァーリ「ふむ、ここはリフテンって街のようね」
レイジィ「いや、ただの通りすがりだが」
モール「そうか? おい、教えてやろう。ここには見るべきものは何も無い」
別に観光に来たわけでも無いのだがな。
ここで一山当てれたら……と思っていたら、それは通りすがりではないな。
彼の話を聞いていたら、「盗賊ギルド」という名称が出てきた。
仲間に入りたければ、市場でブリニョルフを探せ、と。
シャヴァーリ「盗賊ギルド? おもしろそうじゃないのさ」
レイジィ「俺達は戦士ってわけでもないしな、ここで生きていくには丁度いいかもな」
シャヴァーリ「早速ブリニョルフを探しましょうよ」
そこで俺とシャヴァーリは、ブリニョルフを探しに街を散策してみることにした。
――と思ったが、街の中央の市場に入ると、すぐに一人の男が話しかけてきた。
どうやらこいつがブリニョルフのようだ。
ブリニョルフは俺の持っている金にいちゃもんをつけてきやがった。
金をどう稼ごうが、お前の知ったことではないってもんだ。
ブリニョルフ「何なら仕事を味わってみるか?」
レイジィ「どういうことだ?」
ブリニョルフ「やらなきゃならん仕事があるんだが、手助けが要る」
レイジィ「どうすればいい?」
ブリニョルフ「簡単なことさ」
ブリニョルフが騒ぎを起こしている間に、マデシの店の下にある金庫から「銀の指輪」を盗むのだ。
そしてそいつを手に入れたら、ブラン・シェイに気付かれぬよう、彼のポケットに入れろ、と。
ブラン・シェイに仕事から手を引いて欲しい連中がいるので、濡れ衣を着せて厄介払いをするわけだな。
ブリニョルフ「じゃあ用意ができたら、始めようか」
こうして、盗賊としての新しい人生が始まろうとしている。
世界一の大泥棒になって、スカイリムの金品を全て我が物にしてしまおうじゃないか!
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