レイジィ「嘘だろ……?!」
 
 リフテンで待ち受けていたものは、信じられないことだった。
 
 
 シャヴァーリが死んだ……
 
 

レイジィ「……どういうことだよ?!」
エチエン「お、お前、戻ったか!」
レイジィ「エチエン! これはどういうことだ!」
エチエン「彼女は……、ブレイズに……、やられた……」
レイジィ「……くっ」
 
 返り討ちに会ってしまったわけかよ……
 
 
 街で騒ぎが起こり、様子を見に来たエチエンが、シャヴァーリの遺体を見つけて俺の帰りを待っていたのだ。
 
 ……なんてことだ。
 
レイジィ「エズバーンめ……」
エチエン「エズバーンだけじゃなかった、奴には護衛がついていたんだ」
レイジィ「何?」
エチエン「遠目にしか見ていないが、俺をサルモール大使館から逃がした奴に似ていたが……」
レイジィ「誰だよ!」
エチエン「すまない、名前までは知らないんだ」
カーリア「レイジィ、ちょっと良いかしら?」
レイジィ「よくない!」
 
 
 俺は周りのことは何も耳に入らない風に駆け出していた。
 だが何も考えていないわけではない。
 まだエズバーンが街に残っているかも知れないと考えたからだ。
 
 
 街を駆け回ると、ラットウェイでもちょっとした問題が起きていた。
 シャヴァーリと同じく、エズバーンを狙っていたサルモールの者がやられていたのだ。
 
 彼は重症だが、まだ息があった。

サルモールウィザード「大丈夫か? しっかりしろ! 誰にやられた? エズバーンは見つかったか?」
瀕死のハイエルフ「うぐぐ……、やつには『ジェイザルゴ』という護衛がついてやがった……。ハイエルフのくせにブレイズに味方してサルモールに盾突くとは……」
サルモールウィザード「ハイエルフのジェイザルゴめ……、ゆるさんぞ!」
レイジィ「エズバーン……、ジェイザルゴ……」
 
 
 そうか、エズバーンには仲間が居たか、ハイエルフ……
 アルトマーのジェイザルゴとかいう奴……
 二人掛かりで嬲り殺したんだな!
 
 エズバーン、ジェイザルゴ……
 この借りはいつか必ず返すからな!
 
 ………
 ……
 …
 
 シャヴァーリ……
 どうしてこうなった?!
 サクッと片付けて待ってるって言ったじゃないか!
 
 俺はギルドマスターにまでなったんだぞ。
 お前をギルドに受け入れる準備はできたというのに……

 どうしてこうなってしまったんだーっ!!
 
 
カーリア「レイジィ……、あなたの辛い気持ちは分かるわ。でも……」
レイジィ「カーリア……、今は一人にしておいてくれ……」
カーリア「不壊のピックを黄昏の墓所に持ち帰らなくてはならないわ」
レイジィ「……あんたが行ってくれよ」
カーリア「色気に気を取られたばかりに墓所への侵入を許して、代償にガルスの命は奪われてしまった。鍵が取り戻されるまで、二度とあの敷居をまたぐつもりはないの」
レイジィ「……ガルスは、恋人だったのか?」
カーリア「ええ……、だから、今のあなたの気持ちはよくわかるわ」
レイジィ「カーリア……」

 
 ………
 ……
 …
 

 俺はギルドマスターだ。
 これからはギルドのことも大事にしなければならない。
 
 まずはギルドの問題を片付け、シャヴァーリの事はそれからでも遅くは無い。
 
 
 絶対に忘れないぞ。
 ブレイズのエズバーンに、その護衛のアルトマーのジェイザルゴ!
 
 

レイジィの居ない間に、リフテンで何が起きていたかが気になる方は、こちらを参照してください。

ドラゴンボーン編24 ~サルモールからの刺客~
 
 
 
 




 
 
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