メルセル追跡作戦 ~リフトウィールド邸~
メルセルの家は、「リフトウィールド邸」である。
そこは、マーラ聖堂の隣のようだが、表には閂がかけられていて入ることができない。
だから裏口から侵入するしか方法は無いのである。
しかし裏口は、番犬ヴァルドががっちりと守っているのだ。
だが今の俺には、奴の借金が帳消しになったという書類を持っている。
これを見せれば……
ヴァルド「また来たのか? すぐに立ち去れ!」
レイジィ「まあ待て、預かっているものがある」
そこで、ヴァルドに借金免除の書類を見せてやる。
レイジィ「さあ、これが借金免除の書類だ。これで自由になれるぞ」
ヴァルド「信じれない! どうやってあの女を説き伏せたんだ?」
レイジィ「それはな――」
ヴァルド「いや、そんなことはどうでもいい。これ以上メイビンのために働かなくていいってだけで十分だ」
聞いていてどうでもいいとは何だ、ちゃんと聞けよw
それでも、ヴァルドは逃げ出すことにしたようだ。
リフテンに二度と顔を出してはならないそうだからな。
さて、邪魔者も居なくなったし、屋敷に侵入するとするか。
二階のバルコニーへ上るタラップだ。
タラップの機構に正確な一発を当てたら、素早く降ろせるとブリニョルフは言っていたが……
このぐらいの距離なら、弓で射ってやって十分だろう。
仕掛けに矢が命中すると、タラップが降りてきて二階から侵入できるようになった。
いよいよ侵入だな。
メルセルの屋敷の中には、何故か山賊が徘徊している。
見つからないようにすすめば問題ないのだが、何故山賊?
衛兵ならまだ話が分かるが、山賊?
なんかもう、メルセルがどんどん悪い方へ悪い方へ進んでいる感がしてくるぞ……
何だって山賊と組んでいるのだよ?
屋敷の中を見て回ったが、とくに何も見つからない……
山賊を弓矢で陽動して地下室まで行って見たけど、何も無い……
何も出てこないので、戸棚からタンスから、すべてひっくり返して調べてみたら――
こんなところに隠し扉が!
隠し扉の先は地下通路になっていて、刃が振り回されている危ないトラップとかがあったが、それらを通り抜けていくと、書斎のようなところに到着した。
その机の上には、計画書のようなものが置かれている。
……よくわからん、ブリニョルフに見てもらおう。
おそらくメルセルが向かった所だろうが――
………
……
…
ブリニョルフ「町中を捜し回って、我々に残っている情報源にも当たってみたが、メルセルの気配は無い」
レイジィ「こっちは奴の屋敷で、計画書のようなものを見つけたぞ」
ブリニョルフ「貸してみろ!」
ブリニョルフはその計画書を俺から奪い取り眺め始めた。
いったいそれが何を意味すると言うのだ?
ブリニョルフ「ショールの髭にかけて! ファルメルの目を追っているというのか? あれはガルス秘蔵の計画だったんだ」
レイジィ「何だそのファルメルの目とやらは」
ブリニョルフ「もし奴があれを手に入れたら、それこそ完全に姿を消して生涯を安泰に過ごしていく事になっちまう」
レイジィ「では、奴を止めないとな」
ブリニョルフ「同感だ。早く行こう、時間が惜しい」
ファルメルの目が何だかよくわからないが、それが重要なものならメルセルに奪われるわけには行かない。
となると、ブリニョルフの言うとおり、事は急いだ方がよさそうだな――
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