第十話 ~夜の狩り~
- 公開日:2018年7月25日
「シルバーハンドの活動に関する噂を聞いたの」
今回もアエラからシルバーハンドの情報を聞くことになった。
ウィンターホールドにあるフェルハメール砦に留まっているシルバーハンドの頭に関する噂だ。
この頭を倒すことで、シルバーハンドの勢力は弱まるはずだ、と。
男は早速ウィンターホールドへと向かった。
男は砦を見下ろせる場所についた時には、すでに夜になっていた。
今回の仕事は、この砦の制圧である。
同胞団の敵であるシルバーハンドの拠点は、ことごとくつぶさなければならないのである。
男は野獣の力を解放することにした。
丁度夜になったというのもあり、再びあの圧倒的な力を味わいたかったのだ。
沸き上がる狩猟衝動が生じる。
さあ、狩りの時間だ!
周囲のオオカミの群れも、ウェアウルフと化した男に同調してついてきた。
砦に突入し、目の前に居た見張りを鋭い爪で吹き飛ばす。
男は狩りを楽しむハンターと化していた。
ふと、背中に鈍い痛みが走る。
後ろに弓を持った見張りが居たのだ。
男は怒り狂い、その見張りに飛びかかって行った。
そして何度も何度も!
弓を放った見張りが、無残な肉塊と化すのにそう時間はかからなかった。
肉にかぶりつき、血をすすり、大きく吠えた。
砦の中に居たシルバーハンドの頭は、外の騒がしさが気になっていた。
オオカミの遠吠えがしきりに響くが、オオカミの襲撃にしては騒ぎが大きすぎる。
外の様子を見に行こうと身を起こした所で、突然入口のドアが破壊される音が聞こえた。
そして何者かが飛び込んできたのだ。
「ウェ、ウェアウルフ!」
一瞬の出来事であった!
頭が気がついた時には、鋭い爪で喉を切り裂かれた後であった――
シルバーハンドの頭は食われてしまった……
一匹のウェアウルフのために、この砦は一夜のうちに滅び去ったのであった。
~ Mission Complete ~
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