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第七話 ~血の儀式~

 
 しばらくたったある日のことである。
 男はスコールに呼ばれて、ジョルバスクルの裏に向かった。
 
「探していたのか?」
「ああ。今回は少し変わった計画を用意してある」
 
 スコール声をひそめて続けた。
 
「しかし、他の連中には聞かれたくない。今夜、アンターフォージで会おう」
 
 アンダーフォージ――
 それは、鍛冶屋のエオルンドが働いているスカイフォージの下にあると言う。
 扉は隠されているが、スコールが案内すると言うのだ。
 
 
 その夜――
 
 

 スコールと合流した場所は、スカイフォージの麓であった。
 
「これは試練ではない、新入り。これは贈り物だ。さあ中に入れ」
 
 スコールが壁の一部を触ると、岩肌に亀裂が入り、入り口ができたのだ。
 男はスコールについて中に入って行った。
 
「よく来たな。お前のような心を持った者を仲間に迎え入れるのは久しぶりだ」
 
 ?!
 

 男は驚いた。
 そこにはダストマンの石塚でファルカスが化けた獣が佇んでいたのだ。
 しかしその獣はじっと立っているだけで、襲いかかってくる様子もない。
 
 男はスコールの言葉にさらに驚かされた。
 
「アエラだと分かるか? 姿は変わっているが」
 
その化け物は、アエラが姿を変えたものたとういのだ。
 
「アエラもか……」
 
 スコールは、同胞団の高みを目指すには、我々とオオカミの血を分け合わなければならないと。
 そして男に、獣の世界に仲間入りする心の準備はできたか尋ねてきた。
 
 ウェアウルフ――
 
 その力は、先日のファルカスの件で十分に知っている。
 だが自分もそうなるのには多少の迷いも合った。
 
「オオカミ男になりたくないと言ったら?」
 
 男はスコールに尋ねてみた。
 こういうことは慎重に考えるべきだろう。
 
「強制したりはしない。しかし、サークルの一員となるのであれば、同じ血が流れていなければならない」
 
 サークルの一員――
 それが決め手となった。
 折角一員に認められたのだ、行ける所まで行こうと考えた。この仲間達と共に……
 
「準備はできている」
「結構だ」
 
 そう言うとスコールは剣を取り出し、ウェアウルフとなっているアエラの腕に突き刺した。

 そこから流れ出る血が、器の中に満たされたのだ。

 男はぞっとした。
 儀式の内容は、血を飲むということだという。
 しかし、同胞団のエリートは、みなこの儀式を行い、ウェアウルフ化できる力を有しているというのだ。
 スコールの言うように、栄達するには避けて通れない道なのかもしれない。

 男は意を決して、グイと一気に飲み干した。
 
 
 ………
 ……
 …
 

 
 血が欲しい!
 肉が欲しい!
 
 
 猛烈な狩猟衝動だ。
 男はその欲望のみに支配されていた。
 一声遠吠えをすると、辺り構わず駆け出していた。
 
 
「化け物め!」
 
 ホワイトランの衛兵が剣を抜き襲いかかってくる。
 ウェアウルフと化した男は、その鋭い爪でなんなく衛兵を弾き飛ばす。

 強い!
 
 街は騒ぎに包まれていた。
 男は、抑えきれぬ狩猟衝動を満たすために、門を飛び越え街の外へと飛び出した。
 

 
 夜の闇の中、男は草原を駆け廻った。
 興奮はさめやらない。

 駆けて駆けて、駆け廻った。
 

 
 ………
 ……
 …
 
 
「……ここは?」
「起きてる?」
 
 気が付くと男は森の中で倒れていた。
 そして傍にはアエラが居る。
 
「何が起きたんだ?」
「あなたは群れの仲間に生まれ変わったの」
「これでウェアウルフになったのか?」
「あなたにはオオカミの血が流れてる。でも、その力を発揮するには自分自身の力を高めなきゃ」
 
 ウェアウルフの力は、血を飲み肉を食らうことで大きく育つとアエラは言った。
 そうやって、ハーシーンの贈り物をさらに見出していくのだ。
 
 
 
 
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