吟遊詩人大学編3 ~死者の安息所、黒塗りの詩歌~
俺の名前はラムリーザ、吟遊詩人を目指す者――
吟遊詩人の大学に入るための試験として、オラフ王の詩歌を「死者の安息所」から探してくることになった。
幽霊に導かれるような形で進み、襲い掛かってくるゾンビをちぎっては投げ、ちぎっては投げ、ギロチンのような刃が揺れるトラップを掻い潜り、どんどん奥に進むこと数時間……
幽霊はここで止まった。
俺をここに導きたかったのか?
ここには一体何があると言うのだ?
あたりを見渡してみると、一冊の本を大事に抱えた干からびた死体が一つ……
ひょとしてこれが探している詩歌か?
ちょっと読んでみよう、どんな歌なんだろ?
黒塗りだらけ、これはあれか?
オラフ王の詩歌って、卑猥な内容とかw
そういえば詩人大学で聞いたな。
オラフ王の詩歌は、スヴァクニールって人が「エッダ詩歌集」に寄稿したもので、当時ソリチュードを統治していたオラフ王を非難する内容だった。
そして腹を立てた王はその吟遊詩人を処刑し、すべての写しを焼き払ったそうな――
だがそれは大学で研究をする前の見解だったようで、その後研究が進むと、オラフ王と吟遊詩人が結託して、真実を隠したものも考えを変えたそうだ。
その推測が正しければ、スヴァクニールとオラフ王の詩歌が「死者の安息所」にあると言う事らしい。
そこで俺が調査に差し向けられたわけだ……
つまりこの死体はスヴァクニールであり、また幽霊もスヴァクニールってことなのか?
しかし、気が付けば幽霊は消えていた……
まあよい。
オラフ王の詩歌を持ち帰り大学に入れてもらい、リュートの弾き方さえ教えてくれたら、詩歌のことなど俺にとってはどうでもよいw
さて帰るか……、と思ったらまた幽霊が?
封印を解く幽霊
幽霊は、奥の絵合わせ扉の前で消え去った――
まだ先があると言うのか?
ちょっと待てよ?
これは見覚えが……、確かポテマじゃないのか?!
オオカミの毛皮を纏った者の姿が壁画に……
死者に縁のある場所にはポテマの影あり、か。
こうなったら最後まで見届ける必要がありそうですな!
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