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ドラゴンボーン編9 ~ドラゴンボーン、声の道~

 
 俺の名前はラムリーザ、どうやら「どば菌感染者」だ。
 ハイ・フロスガーでグレイビアードに会ったわけだけど――
 
「俺がどば菌感染者だったなんて……、つまりここは山の上の隔離施設ってことですか?」
「感染者とか隔離施設とか、なにわけのわからんことをつぶやいておるんじゃ」
 俺は非常に落胆しているが、アーンゲールとなのったじいさんは、何のことだかわからないといった顔で俺を見ている。
「どば菌って病気でしょ?」
 ホワイトランを蝕む謎の病気、どば菌。ここ数日間ドバキンドバキン警告が響いていたものだ。
 だが、アーンゲールは俺の一言に怒り出してしまった。なんでやねん……。
「ドヴァキン! ドラゴンを殺す者じゃ! 何が病気じゃ!」
「あれ?」
「何かお前がドラゴンボーンかどうか怪しくなってきたわい」
 アーンゲールは、最初は「待ち望んだ!」といった感じに俺を見ていたが、今ではなんだかいぶかしむ目つきで俺を見るようになっていた。
 そんなこといわれてもなぁ、俺がどば菌、おっとドヴァキンだなんて言われても困りますがな。なんでドラゴンを殺すものがドヴァキンですか? ドラゴンキラーだの、ドラゴンスレイヤーだのでいいんじゃないですか?
「いやそのー、私も本気では信じておりませんがな……」
「力を見ればわかるわい。どれ、声の力を見せてもらおうか」
 いきなり実地テストになったよ。
 声の力と言えは、えーと、あのドラゴンを退治した後に頭にひらめいた言葉のことかな?
「それならまだ覚えてます」
ふす
「フゥス!」
 言葉を発すると同時に、俺の身体から衝撃波が発せられ、その勢いでアーンゲールがよろめいた。どや!
「う、うむ、そそっかしい奴だが、本当のようだな」
 あの時兵士に文句を言われて以来、毎日ちゃんと歯を磨いているぞ……。
 俺の懸念は的中することも無く、アーンゲールは俺の事をドヴァキンだと認めてくれたようだ。いや、別にドヴァキンじゃなくてもいいけどな……。
「それではさっそく声の修行に入る」
 
 
 声の修行と聞いて、「あーえーいーおーうー」とかやるのかなと思ったら、なんか違ってた。
よくわかんない修行
 新しい力を取得したり、
新しい力
 その力を実際に使って修業したりで、なんか辛い修行を連想していたけど、簡単じゃないかー。
 
「なかなか飲み込みが良いようじゃな」
 アーンゲールも、俺の飲み込みの速さに感心している。
「誰でもできると思いますが……」
「いやそれは違う、お前がドラゴンボーンだからできるのじゃ」
「つまり、それがどば菌症候群?」
「ドヴァキン!」
 怒られてしまった……。
 
 
 ドラゴンボーンすごっ。
 つまり俺すごっ!
 
 
「ドラゴンボーンは竜の言葉――」
 
 なんというか、アーンゲール師の話を聞いていたらなんか俺って天才? って錯覚に陥るよな。
 なんかサマーセット島でのこれまでのまたーり人生と全然違いすぎ。
 それともこれはずっと夢をみているとか?
 
「――3つの言葉で形作られ――」

 実態は既にあの時ヘルゲンで処刑されているとか?
 だいたいドラゴンの存在自体が、おとぎ話のようなものだしなぁ……。
 でも夢ならそろそろ良い女が出てきてもいい頃だけどなぁ……。
 
「――さて、他の言葉も取得できるか試してみよう」
 
 ブレリナは、真面目で良い人なんだけど、優等生には何か頭が上がらないんだよな。
 リディアは、ものすごく従順なんだけどなんかゴツいし……。
 ジェイザルゴは、自信満々で話していておもしろいけど、そもそも男だしなぁ。
 どこかに居ないものかなぁ……、いや、好き嫌い言ってるのがアカンのだよな!
 
「ではまずウルフガーが――」
 
 いや、そもそも夢の中で美女に出会えたことで何になる!
 まあ、夢なら覚めるまでトコトンこの夢を楽しもうじゃないか。
 願わくば覚める前に美女とキスを……リコール、リコール、リコーール♪
 
「――おい、聞いているのかね?」
「え? あ、はいっ」
 とっさに答えたけど、アーンゲールの話は何一つ聞いてなかった、きりっ!
「では、少しの間だけ門を開けるから、この位置から疾走して駆け抜けてみるがよい」
新しい力(間違い)
「フゥス・ロオゥ!」
 
 どやっ!
 
「違う! 新しい言葉、旋風の疾走の方じゃ! まったくお前はどこまでそそっかしいのだ!」
「あ、しまった。えーと……、よし!」
 話は聞いてなかったけど、頭の中に新しい言葉が浮かぶ所が天才たる所以ですかな!
 早速俺はその言葉を放ってみることにした。
疾風の疾走
「ウルゥッ!」
 その瞬間、俺の身体は凄まじい勢いで後ろから押され、気がついたら一瞬の間にちょっとした距離を移動してしまったようだ。
 新しい言葉、疾風の疾走とは言ったものだ。
「うむ、頭はそそっかしいが、飲み込みの良さは流石じゃな」
 
 
 これおもしろいぞ。
 ドオンッ、ドオンッ。
 うーん、爽快、これからは俺の事を「疾風ウォルフ」と呼べ!
 これからはこの技でうおーっさおーっをしてやればいいんだな!
 
 
 うおーっドオンッ!
 
 さおーっドオンッ!

力の暴走による投身……
 あっ…………。

 
 
 
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