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高潔なる血の一団 前編 ~濡れ衣~

 
 マニマルコの件をハンニバルに報告してから、一旦仕事は無くなり暇となった。
 魔術師大学では、評議会でマニマルコの対抗策を考えているようだが、俺は評議会のメンバーではないのでやることがないのだ。
 

 というわけで、今日は帝都の神殿地区を散歩することにした。
 中央に見えるものが大神殿のようだが、地味だなぁ。アイレイド遺跡の小さな宝箱みたいな形だ。
 そういえば、帝都自体がアイレイドの残したものらしい。大理石が好きなんだな、街中真っ白だよ。
 

 派手な衛兵と地味な衛兵が何か話をしているなぁ、と思っていたら、横から顔色の悪い人に話しかけられてしまった。ダンマーだな。
 なんか俺の力を必要としている人からの伝言を預かってきているというが、うさんくさいなぁ。
 誰だ? 魔術師大学のウォーロックの力を必要とするものは?
 
 この人は、ラルサ・ノーヴァロ。主人のギレンから頼まれたらしい。そんな人、知らないけどな。
 なにやら帝都の全住民に関わる重要事項があるそうだが、衛兵に相談しなさい衛兵に。
 魔術師大学の一従業員を頼っているんじゃない。
 目の前に派手な衛兵、地味な衛兵が居るじゃないか。彼らに相談すべきだと俺は思うね。
 
 とにかく、この神殿地区にあるセリデュールの家に行って、セリデュールと話を聞いて欲しいようだ。
 俺じゃないとダメ? ダメなら仕方ないから聞いてあげよう。
 

 というわけで、セリデュールの家である。
 キノコと井戸のある、裏路地にその家はあった。
 

 家に入ったとたん、すぐにセリデュールに話しかけられてしまった。
 なんだか「お目にかかれて光栄です。あなたが街に来ていると聞いて、居ても立っても居られませんでした」などと言っている。
 俺ってそんなに有名か? どうもうさんくさいねぇ……(。-`ω´-)
 噂って何の噂だよ? デイドラの使徒という噂か?
 
 そのまま地下室へと案内された。監禁するためのワナか?
 と思ったら、ここはなにやら「高潔なる血の一団」の本拠地らしい。怪しい宗教か? デイドラ信仰も怪しいが……、特にメファーラとか、モラグ・バル。信徒が怪しいのはシェオゴラス。
 ――ではなくて、ここは吸血鬼ハンターの集団らしい。エリドアの仲間か?
 ひょっとしてハシルドア伯爵と親しくしているから、噂が立ったのだろうか?
 
 で、この吸血鬼ハンターは、ローランド・ジェンセリックという者が吸血鬼であると睨んでいるらしい。
 すでに犠牲者が一人出ているらしいが、衛兵は何をやっていたんだろうね。
 
 そこで、この俺にローランドを始末して、帝都の平和を守って欲しいそうだ。
 だから衛兵に頼めよ、何故俺なんだよw
 
「とりあえず、ローランドが吸血鬼という証拠は?」
「ローランドの家の前を通りかかったとき、悲鳴が聞こえた。で、裏庭に向かうと交際相手の女性を襲っていたんだ」
「ふーむ……(。-`ω´-)」
 
 セリデュールは止めようとしたけど、ローランドの力が強くて対処できなかったそうだ。
 さらに自分まで襲われそうになったから、逃げてきたんだとか。
 で、後で庭を見てみたら、首筋に二本のとがった刺し傷のある女性の遺体が残されていた、と。
 

 というわけで、今度はローランドの家だ。
 今は留守なので調べるチャンスだというが、鍵がかかってる。不壊のピックがまた役に立つぜ!
 

 うむ、セリデュールの家と構造がまったく同じだな。
 帝都の家は、全て同じなのだろうか?
 

 調べて回ると、二階にある食卓で不気味なもの発見。
 頭蓋骨を食卓に飾るとは、怪しさ満点。やはりローランドは吸血鬼か?
 

 他にめぼしいものと言えば、一階の食卓に置かれていた手紙。
 レルフィーナという人からの恋文のようで、「帝都から逃げ出して森の中の小屋へと逃げましょう」などと書いている。駆け落ちか?
 

 森の中にある小屋はここらしい。またぐるりと一回りか。
 

 なんだかんだで働いてあげる、お人よしの俺。こんなだから噂が立って、困った時は俺、みたいな風潮が生まれているのだろうか?
 ただの魔術師大学のウォーロックで、その実態は追い剥ぎ狩りなんだけどな!
 
 待てよ……(。-`ω´-)
 
 ひょっとして以前の俺は、この帝国でものすごく有名だった人なのだろうか?
 それでみんな俺を頼るのだろうか?
 今度ハンニバルやラミナスに、さりげなく俺の素性を聞いてみるか。
 

 と言いながらも、相変わらず帝都の治安は悪い。主に野獣の方向で。
 なんでマウンテンライオン二匹に街道で襲われなくちゃならんのだ? 仕事しているのか衛兵!
 

 ユニコーンが勝手に暴れだしちゃったよ。
 ちなみに、奥に居る馬は衛兵の馬。衛兵は、マウンテンライオンに襲われて死んでいました。やくにたたねー衛兵!
 まぁどこぞの国では、膝に矢を受けて冒険できなくなった人が衛兵に身を落とすという話らしいから、衛兵はたいして強くないのだろう。
 ならば何のための衛兵かなぁ……
 反抗する市民を叩き殺すための衛兵かなぁ……、シェイディンハルの罰金事件の時みたいに……
 

 というわけで、ローランドの住む小屋の入り口までやってきた。
 垣根で囲まれた、けっこう広い敷地を持っているみたいだな、ローランドは。
 

 というわけで、侵入。
 寝首をかいてもよかったが、そこでふと疑問に思うことがあったので手を止める。
 
 何故吸血鬼が夜に寝ているのだろうか?
 吸血鬼って、昼間棺桶の中で眠り、夜になると活動するのではないのか?
 たしか日の光の元では生きていけないとか聞いていたし。
 
 というわけで、ローランドを起こして話を聞いてみる。
 吸血鬼だったら一旦逃げて、また後でこっそりと退治しに来ればよいだろう。
 
 しかしローランドは襲い掛かってくるわけではなく、逆にセリデュールの方こそ吸血鬼だと言い始めた。
 レルフィーナを襲ったのは、実はセリデュールなのだと。ローランドは、濡れ衣を着せられているだけなのだ。
 そしてセリデュールは、自分の身を隠すために、吸血鬼ハンターの結社を隠れ蓑にしているのだそうだ。
 
 ちょっと待ってね、確認する。

 じ~っ( ゚д゚ )
 
 うん、吸血鬼の目を俺は知っている。あの独特なハシルドア伯爵の目を。
 ローランドの目は至って普通だ。これは吸血鬼の目ではない。彼は嘘を言っていない。
 
 う~ん、なんか事態がころころと変わっていますなぁ(。-`ω´-)

続く――
 
 
 
 
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