サングイン ~パーティ荒らし~

 
「スキングラードの近くには、サングインの祭殿もありますよ」
「その祭殿っていくつあるのですか?」
「デイドラの神様は16人居るから、16個あると思います。あと、このシロディールブランデーを持っていくといいでしょう」
 
 スキングラードの魔術師ギルドで、エイドリアンから再び祭殿について話を聞いたぞ。
 そろそろスキングラードから旅立とうと思っていたところだが、近くにあるというならついでに立ち寄ってお宝を頂いていきますか。

 というわけで、既に夜になっていたがサングインの祭殿に到着。
 周囲の人に話を聞くと、サングインは享楽の神らしい。歌ったり踊ったりすることを楽しむ神、いいんじゃないの?
 ブランデーを捧げて、一緒に飲もうというわけだろう。
 
 というわけで、サングインの像の前で乾杯!
 すると、いつものように神様が語りかけてきた。
 さっそく依頼ごとで、地味で退屈なレヤウィンの城で、つまらない晩餐会が開かれるというのだ。
 そこで、「紛れもなき現実」という呪文を与えるので、それを使ってパーティを賑やかにして欲しい、というのが依頼の内容だ。
 なんだろう? クラッカーみたいな呪文かな?

 しかしレヤウィンの場所が分からないので、馬車を借りて一気に運んでもらうことにした。

 旅は省略、レヤウィンの街である。かなり南に行ったような気がするね。

 さて、問題のレヤウィン城である。
 サングインの話では、今夜6時にここで晩餐会が開かれるというのだが。

 衛兵が言うには、どうやらこの奥で行われるらしい。
 しかし、準備が完了するまで部屋に入ってはダメだそうで。さらに、名簿に名前が無い人は参加できなくて、名簿に名前があっても正装じやないとダメだそうで……
 めんどくさ……
 たぶんこういった所が、サングインにとって「地味で退屈」なんだろうね。
 誰が居るのかわからない、仮面でも被って誰が参加してもOKの、無茶苦茶晩餐会の方が楽しいよ、たぶん。
 それでも忍び込もうとしたら、衛兵に怒られて城の外へ追い出されてしまったよ。
 
 仕方が無いので、時間まで城の中を散策して過ごすことにした。

 とかと城に飾ってあるこの像は何だ?
 首なし像を飾るなんて、悪趣味だなぁ。
 たぶんこういった所が、サングインにとって(ry
 
 ………
 ……
 …
 
 そして夜の六時――

 衛兵は、何故か俺をそのまま入れてくれた。
 なんだろう? 名声を稼いでいるから、それだけで認められているのか?
 それとも魔術師ギルドに参加したらなのか?
 それともサングインの力か?
 

 宴もたけなわ……、なのか?
 参加者は俺を含めて七人。
 しかし一人は席に着こうとせず、誰も話しをしない。給仕か? しかし誰にも酒をついで回らない。
 目の前にあるテーブルの上の料理は、まるごとのリンゴとまるごとのチーズだけ。これのどこが晩餐会の食事だ?
 正面の席にいる人のメニューは、パンとネギか。人によって料理の種類が違うのか。
 テーブルを見渡すと、やたらとリンゴが多いな。リンゴが主食か? 主催者はリンゴマニアか?
 とにかく、サングインの言うとおり、「地味で退屈」な晩餐会だ。
 仕方が無いので、サングインに代わって俺が盛り上げてやることにした。
 
「お集まりの皆さん、これより私が面白い手品を見せてあげましょう」
 
 呪文だから、手品と説明したほうが面白いだろう。

「それでは皆さんに、紛れもなき現実を見せて差し上げます。それ、あぶらかだぶらくるりんぱぴゅ~ん!」
 

 
 ――――?!Σ(・ω・ノ)ノ!
 
 ちょっと待って! 何これ!
 なんで裸にする魔法なんだよ! ジ=スカール先輩のイタズラかよ!
 というか、何で俺まで裸なんだよ!!
 
「コラーッ!!」
 
 外で見張っていた衛兵が、憤怒の形相で駆け込んでくる。
 ちょっと待って! 俺悪くない! 悪いのはサングイン!

「違うんです! サングインが地味で退屈な晩餐会を賑やかなものにしようという話になって――、というか俺悪くない! 俺が何をしたって言うんだ!」
「騒乱罪、それと公然わいせつ陳列罪――」
「…………(。-`ω´-)」
 

 え~(;´Д`)
 この世界、二度目の投獄。
 もう笑うしかないよ、神様の意思に従ったら投獄されるなんて、本当にサングインは神なのか?
 ってか、祭殿の依頼は変なのが多すぎ!
 これからは依頼内容をよく聞いて判断するようにしよう。
 ……というか、今回の依頼はすごくまともな物に聞こえたはずなのだが(。-`ω´-)
 

 とりあえず懲役二日で出してくれたけど、着ていた服もお金も全部無くなってしまった……
 仕方が無いので、馬車を拾い……って金がねぇ。

 とまぁなんとかして、サングインの祭殿まで戻ってきました。
 サングインは、晩餐会に上手く加わることができたことや、楽しませてくれたことを喜んでくれたが、お前とは二度とかかわらね~
 おそらく神様の言う楽しい晩餐会と、人の言う楽しい晩餐会には隔たりがあると思う。
 いや、確かにレヤウィンの晩餐会は退屈だったけど、だからって脱げは暴論だと思うぞ!
 

 とりあえず所持品は取り戻し報酬は頂いたが、投獄された割には合わないと思う……
 
 
 デイドラクエスト サングイン ~完~
 
 
 
 




 
 
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Posted by ラムリーザ