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霊魂が宿りし場所 前編 ~格安の幽霊屋敷~

 
「ねぇ、私の可愛い坊や、アンヴィルに空き家があるのを知ってますか?」
「知らないです、というかアリーレさん、いつまでお母さんごっこをやるのですか?」

「ベルウィン・ベニラスって人が邸宅を売りたがっているらしいよ。彼はカウンツ・アームズの宿屋に居るから話を聞いてみたらどうかしら?」
「宿屋はどこですか?」
「ギルドを出て左側の通りにあるって本当ですか?」
「知らないよ、アリーレさんがそう言ったんじゃないですか?」
「とにかく行ってみたらどうですか?」
 
 お互い疑問形でしか会話してねぇ(。-`ω´-)
 ってかこのお姉さん、魔術師崩れの強盗を退治する時に出会ってから、ずっと俺に付きまとっている。なんなんだよ。
 

 というわけで、カウンツ・アームズの宿屋でベルウィン・ベニラスに会って話をしてきた。
 彼の話はアリーレの言ったとおり、ベニラス邸を格安で売りに出しているそうだ。しかもたった5000G。
 追い剥ぎをしていたらすぐにでも稼げる価格だ。それで権利書と鍵を頂けるのなら、取引成立。
 ところで名声は要らんの?
 まあいいや、もらえるものはもらっておこう。

 そしてこれがベニラス邸。ようやく俺も、この世界に家を持つことができた。
 最初に居たところの塔は、誰のものかわかんないからノーカンね。今度釣竿を取りに戻らなくては。この港町に永住するのも悪くない――のか?
 
 しかし家の中は薄暗く、散らかっているようだ。
 まぁウェザーレアみたいに人骨が散乱しているわけではないので、普通に掃除すれば問題なし。
 ダル=マでも連れてきて掃除させるかのぉ。

「おめでとう、これで私の可愛い坊やも不動産持ち、一人前ですか?」
「びっくりさせないでくださいアリーレさん、あ、折角来たならちょっと掃除してくれませんか?」
「掃除をした方が本当の屋敷の持ち主になれるというのは本当ですか?」
「今朝からなんで疑問形でしか会話できないのですか?」
「それはあなたの心に聞いてみた方が早いと思いませんか?」
「……もういい、新居で一眠りするから、ゆっくりしていってください。あ、最後は疑問形にしなくちゃいけませんか?」
「そんなことより、ダル=マって誰ですか?」

 めんどくせぇ、一眠りしよう。寝る分には明るいよりも薄暗いほうがいいですか?
 っていいかげん疑問形はやめよう、と思いませんか?
 
 ………
 ……
 …
 
 う~ん、騒々しいな――

 何が起きているんだ?

 アリーレさん? それと幽霊?
 うーん、なんか悪い夢でも見ているのか?
 いかん、疑問形が多すぎる。
 
 どうやらベニラス邸は幽霊に取り付かれているようだ。
 これが格安の裏、事故物件だったか!
 でも別に危害を加えなければ、幽霊ぐらい居てもかまわんが――って、アリーレが襲われていたな。
 
「アリーレさん、大丈夫ですか?」
 いかん、また疑問形だ。
「私はバトルメイジです、魔術師崩れの強盗を退治したのをあなたは見なかったのですか?」
「とりあえずこの屋敷を調べてみよう――、と思いませんか?」
 いかん、必要ないのに思わず疑問形で聞いてしまった。
 
 5000Gぐらい、追い剥ぎ狩りをやっていたらすぐに取り戻せるから別に惜しくはないのだが、折角手に入れた家がこんなのではかっこ悪い。
 これは解決して、まともな家の一軒や二軒、持っていなければ名声が下がってしまうよな!
 

 というわけで、一階で何か割れたような音がしたので見に行ってみると、壷が割れていて日記と骸骨の手が見つかった。
 日記には「もっと死体を集めなければ」などと物騒なことが書かれている。さらに、地下に自己の肉体を埋葬して死を超越するとか――。
 地下に遺体があるのか! 供養せんと住めんな。
 とにかくベルウィン・ベニラスに報告だ、どうにもならなかったら5000Gを返してもらおう。

「で、なんでアリーレさんまで来るのですか?」
「掃除をした方が本当の持ち主になれるからというのがわかりませんか?」
「そんなルールは無い! ……ですか?」
 
 えっと、ベルウィンの話では、あの屋敷は祖父のローグレンの家だという。
 それで、呪われているから格安で売ったのだと、こら! 
 
「ベルウィンさんは、クーリングオフという言葉を知っていますか?」
 ほんと、今日は疑問形でしか会話していないな……(。-`ω´-)
 
 ベルウィンは、あんな家を売りつけてしまったことに罪悪感を感じていたらしく、すぐに呪いを打破しようと言ったのだ。
 ん、それならよい。
 
 続く――
 
 
 
 
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