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南への旅 ~目指せ、アンヴィル~

 
「私のヒーロー、アンヴィルの噂を知っているかしら?」
「アンヴィルという街を知らな――っととと、単なる噂でしょう?」
「いいえ、海賊船長ドゥガルの宝が、アンヴィル城の真下に隠されているのよ、これはきっと事実よ」
「ん~、それなら探してみようか、アンヴィルってどこだったっけ? あ、いや、こほん……」
「アンヴィルは、南の森を抜けた先にある街道を、ずっと東に向かえば行けますよ」
「よし、行ってみよう」
「もし宝がみつかったら、私にも見せてね」
 

 ある日、コロルでこんな会話があった後、俺はアンヴィルへと旅立っていた。
 会話の相手はダル=マ、俺のことをヒーローと慕っている、アルゴニアンの女の子だ。
 先日ハックダートから救い出して以来、すっと俺に引っ付いていたりする。
 慕ってくれるのはいいが、残念ながらアルゴニアンというのがまだ少し馴染めない。
 文章で書くと表現できないが、アルゴニアンの声はしゃがれ声なんだぜ?
 うーん、まいいや。
 
 というわけで、俺はアンヴィルという街を目指してコロルを出発したのだ。

 ウェザーレアよりもさらに南へ進むと、目の前に赤い文字の刻まれた石碑が立っていた。
 ジョーンの石碑らしいが、今の俺には何の効果も現れなかった。

 その近くでは、何のために建てられたのかは分からないが、小さな塔が建っていた。
 すこし中を覗いてみるか?

 っと、畑荒らしの怪物の住処でした。
 すかさず霊峰の指を放って黙らせる。ほんとこの魔法は便利で良いね。簡単に敵をやっつけることができる。

 屋上にも怪物は住み着いていた。
 怪物のくせに塔に住むなんて生意気だ、お仕置き!

 アンヴィルはあの方角か、全然見えないね。
 でもシェイティンハル南の森よりは、まだ安心感がある。あそこの森は、深すぎた。

 というわけで、塔を後にしてさらに南へと向かう。
 一応道があるのが救いだ。シェイティンハル南の森は、道無き深き森だったから大変だったんだ。
 とりあえずここが、北と南を結ぶ通路になっているのだろう。
 やたらと熊が出るのが難点だが、街道にすら出てくるのだ。森の中に出てきても、全く不都合は無い。

 さらに南に進むと森を抜け、なだらかな平野になっていた。
 なにか小さな祭殿のようなものが浮かぶ小さな湖。
 これは、コロルにあった二つ架かっていた橋の下に流れていた川からずっと続いているものだ。
 いずれ暇になったら、この川の源流も探ってみたいものだ。

 ようやく森の道を抜け街道が見えてきたところで、まためんどくさそうな奴と遭遇した。
 牛人間! ミノタウロス!
 しかしこいつも高台に登れば追ってこれない馬鹿だった! 所詮牛の脳!

 こいつ、プロレスラーになった方がよかったんじゃないか?
 牛のレスラー、例えばバッファローマンとかいうリングネームをつけたりしてさ。

 さて、気を取り直して街道。
 ダル=マの話では東に向かえばアンヴィルと言っていたな。西に向かうとおそらくインペリアルシティだろう。

 というわけで、東に向かってダッシュ!
 俺は、まだ見ぬ四つ目の街がどんなところなのか、その期待と希望に胸を膨らませていた。ん、ちと大げさ。
 この街道にも熊が出たりしたが、見なかったことにしてさっさと進む。いちいち構ってられねーよ!

 しばらく東へ進むと、分かれ道が現れた。その分岐点には立て札が立っている。
 上から、インペリアルシティ。やはり西へ進むとそうなるか。
 次が、スキングラード。あ、魔術師ギルド綱領で見かけた名前、魔法の系統は――、忘れた!
 次は北への道、クヴァッチ。今回はスルー。
 最後が東への道、アンヴィルだ。

 東へと向かうと、ここにもオーガが居た。
 この食人種、この世界のどこにでも居るのではなかろうか?
 食物連鎖のピラミッドでは、人類に上に存在する奴になるよな? 困った世界だ。
 対抗してオーガを食ってやるか? 俺はゴメンだが。

 というわけでそろそろ夕方になるって頃、街道を東へ行った果てに港町が待ち受けていた。アンヴィルは、この国の港町だったか。
 海と言えば釣り、釣竿を最初に住んでいた塔に置いてきたのが残念だ。

 曇っていて薄暗いが、一応夕方。街から街への移動は、どこも一日がかりの行軍になるね。

 街に入ってすぐのところに魔術師ギルドがあったので、今夜はここに泊まることにする。
 おそらく、ここにも準会員になっていることが伝わっているはずだ。
 海賊船長の宝探しもいいけど、ついでにここで推薦状も書いてもらっておくか。
 
 
 
 
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