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コロルの推薦状 後日談 ~どろぼうさん~

 
 さて、フィンガーズ・オブ・ザ・マウンテンの本はギルドに納めたが、そのことをイラーナにも話しておく必要がある。
 街の通りにイラーナの姿は確認できなかったが、彼女は街の宿屋に滞在していることがわかった。

「残念ながら、本はギルドに押収されたみたいだよ。俺はイラーナさんに渡そうと思ったんだけど、ティーキウスが無理矢理奪っちゃって……」
「あんらー、あなた残念なことをしたわねー。折角いい報酬をあげようと思ったのにねー」
「ティーキウスは推薦状を書いてくれたよ」
「私は隠された強力な魔法の秘密を解き明かせるかもしれないのよ」
「ぐぬぬ……」
 
 ギルドへの義理と推薦状欲しさに、ティーキウスに本を渡してしまったが、イラーナに渡した方が俺的にはよかったかもしれない。
 そういうわけで、少しの間だけ本をギルドから借りることにした。
 ティーキウスは、「評議会が本の処分を決定するまで厳重に保管しておく」と言っているが、つまり、処分に値するほど恐ろしいことが書かれているということだ。

 誰も居ないギルドの居住区を漁っていたら、ティーキウスの部屋の箱に入っていた。
 厳重に保管などと言っておきながら、鍵一つかけていないんでやんの。
 しかし俺は、魔術師ギルドから盗みばかりやっているな……。確かギルドに対する犯罪を犯せばすぐさま停職処分になるんじゃなかったっけ? 準会員はそこまで厳しくないとか?
 
 とにかく俺は、ティーキウスの部屋から本を盗み出すと、イラーナの元へと急いだ。
 イラーナは、本の解読のために一日欲しいと言ってきたので、ギルドに戻って一晩明かす。
 ティーキウスは、本が盗まれたことには気がついていないようだ。俺に良い考えがあるので、もうしばらくの間だけでいいから、気がつかないでいてもらいたいものだ。

 翌日、朝早くからイラーナの姿を見かけたので駆け寄る。
 すると、本の内容のうち俺の役に立ちそうなところだけメモしてくれたようで、そのメモを頂くことになった。
 メモの内容は、ウェルキンド・ストーンを持って、再び雲天に行き、そこで電撃魔法を唱えてご覧なさいとのことだった。
 それはそれでいいが、もう一つやっておくことがある。
 俺は、イラーナや他の人に気づかれないように木陰に隠れて魔法を唱えた。


 何をするのかだって?

 こういうことだよ。
 イラーナから本を盗み出して、ティーキウスの部屋に戻しておくのさ。
 これで、ギルドも良し、俺も魔法の秘密も知れてよしということだ。イラーナも、本のほとんどは暗記したと言っていたので、本を持っておく必要も無いだろう。
 さあ、雲天にもう一度行こうか。
 
 ………
 ……
 …
 
 さて、再び雲天にて。相変わらず黒焦げの遺体が気味悪い。

 ウェルキンド・ストーンは、先日ジ=スカールと探検したアイレイドの遺跡、リエルでたくさん入手しているので問題ない。
 あとは、電撃魔法か。

 中央の石柱めがけて簡単な電撃魔法を放ってみる。すると、全身を電気が走り抜けたような、そんな気がした。
 気がつくと、新しい魔法を取得していたようだ。

 敵に使わないと強力なのかどうかわからないが、これがジーンヌやイラーナの言っていた「強力な魔法」なんだろう。
 ちっ、記憶を戻す方法ではなかったか。
 まあいいか、慌てない慌てない。今の生活も割りと居心地がよいではないか、よいではないか。

 コロルの推薦状 後日談 ~完~
 
 
 
 
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