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まともな人間の居ない世界なのか?

 
 俺の名前はラムリーザ、記憶を失った魔導師……でいいのかな? 一応魔術の勉強をしていたはずだ。

 今居る場所へ紛れ込むまでの記憶は、全く残っていない。
 先ほどこの世界の住民らしき者に出会ったが、話しかけても殴られるばかりで全然会話が成立しない。どうやらここは、わけのわからない野蛮な世界のようだ。
 そういうわけで、今住んでいる場所は分からない。一刻も早く、話の通じる相手に出会いたいものだ。
 いや、ひょっとしたら言葉さえ通じれば、先ほどの奴もまともなのかもしれない。

 とりあえず、向こうに見える建物に行ってみようと思う。建物であれば、人がすんでいる可能性は高いはず。
 しかし、先ほど遭遇したやつのように、話の通じない野蛮な奴が住んでいるだけだとどうしようもないが……
 というか、そんな奴しか住んでいない世界だとしたら、俺は一体どうすればいいのだ?
 郷に入れば郷に従え、片っ端からぶっ倒していけばいいのだろうか?
 
 そう考えながら、もう一つの建物へと近づいた時だ。

 ま た お 前 か !
 
 どうせ話は通じないのだろ? 念のために話しかけてみるけどな!
 記憶を頼りに、異国の挨拶でもしてみるか?
「ディワナ・ワンガ!」

 やっぱり無駄だった!!
 
 転移の術は先ほど使用してしまったので、二発目を使うにはしばらく間を空けなければならない。
 ぽんぽん転移できるのでは、自然界の法則的にマズいらしいのだ。何故なのかはわからんが、そういうことになっている。
 というわけで、しばらくこいつには固まっていてもらう。
 事情も分からないのにいきなり殺すのはマズいと思うので、しばらくの間身体の自由を奪う魔術を使用してみる。

 名前も分からぬ野蛮な奴は、術の影響でそのばに崩れ落ちた。しばらく気絶してろ。
 

 さて、もう一つの建物。
 近くで見てみると遺跡のようにも見えるが、気のせいにしておこう。
「おじゃまします」と入ってみたところ――

 またあいつが居る!
 どうせ話が通じないので……
 
 ………
 ……
 …
 

 邪魔者は片付けたので、早速建物の中に入ってみることにする。
 しかしどうやら鍵がかかっている模様……
 扉に耳を近づけて中の様子を伺ってみると、中からはうなり声となにか金属を打ち付けるような音が聞こえている。
 誰か居るけど入れない……
 ちょっとだけ様子を見てみるか?
 

 解錠の魔法。悪用はいかんぞ。
 というわけで、中の様子を伺ってみる。
 怒られたら、いや、勝手に入るのだから間違いなく怒られるが、そうなったら素直に謝って事情を説明してなんとかしてもらおう。
 話が通じる奴が住んでいればいいのだがな……
 
「ごめんく――」

 ――あいつの住処かよ!
 しかも同居人は、どう見ても骨にしか見えないんですけどね! 目の錯覚ですか?
 いや、骨の住居にあいつが侵入して争っているのかな?
 いやいや、骨が住居の主人っておかしいだろう。
 いやいやいや、ここはいったい何なんだよ!

 ちょっと待て!
 野蛮人と骨は、俺の姿を見ると争いをやめてこっちに襲い掛かってきやがったぞ?!
 さすがにここまでされて、これ以上は穏便には過ごせない。
 どうやらこの世界は、修羅の世界のようだ。

 やるかやられるかの二択の世界と判断した。
 こうなったらとことん戦わせてもらうからな!
 俺は一応魔導師、攻撃用の破壊魔法の心得はある。
 こっちが友好的に接しようとしても、野蛮な態度でしか返してくれないのなら、覚悟しておくんだな。

 まずは野蛮人を片付ける。
 技名は何だったっけ、レインボー・ダストだったっけ? そこまでは覚えていない、何でもいいや。
 わざわざ大声で技名を叫びながら発することは、俺はやらない。その方がかっこいいのかもしれないが、どうもこっぱずかしくて苦手だ。
 虹色に輝いているのは、派手さを求めて改造しただけで、実体は何の変哲もない打撃魔法だからな。
 ちなみに赤いところが炎属性、青いところは氷属性――って、そんな解釈はどうでもいいか。

 すかさず、骨に攻撃を加える。剣を振り回していて危ないな!
 ひとまずこいつらぶっつぶす! 話はそれからだ!
 
 ………
 ……
 …
 

 戦いが終わってみると、散らばった骨の間に骨が使っていた剣が落ちていた。
 これはあの骨が使っていた剣だな?
 剣を持つのは生まれて初めてだ、ちょっと持ってみよう。
 

 自分が強くなったかもしれないと思った、今日この頃でした。
 いや、ひょっとしたら俺は、悪い夢を見ているだけなのかもしれない。
 そう思いながら、俺は奥へと足を進めるのだった。
 
 
 
 
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