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続・ミルカールの遺跡にて ~地位の象徴、陰りの木~

 
 シェオゴラスの杖を作り直すために、シールタの目と陰りの木という二つのアイテムを探してくることとなった。
 そしてその内の一つ、陰りの木はミルカールの遺跡にあるというのだ。
 

 地図で確認すると、ミルカールの遺跡はここらしい。
 場所は、スプリットの村から湖を挟んで北側にある石壁を有する遺跡。
 ここは以前来たことがある。たしか、ライマークの頭蓋骨と、崩壊のアミュレットを手に入れた場所だ。
 あの時遺跡内部は全てを回ったと思うけど、陰りの木とかあったかな?
 

 しかしあの時との違いがあり、最初の広間中央にある膜? みたいな所が通過できるようになっていたりするのだ。
 最初はここは、固く閉ざされていたと思う。
 
「膜か、復活したりしたよな?」
「あたしあなたとやったことあるのに」
「肉体が再生されると、一度開いた――まぁいいや、先に進むぞ」
 
 また同じことを考え始める。
 過去がどうだとか、いちいちほじくり返さなくていい。
 ユニコーンに乗れたことが全てを物語っているのだ。俺も乗ってたけど。
 

 新しく通過できるようになった膜の先は、行き止まりになっていて、そこには穴だけが開いていた。
 
「戻れなくなったら困るけど、ここから降りるしかないな」
「最近引き返すことを考えない探索が多いね」
「その前に、安全対策だけやっておこう」
 

 穴の奥に、何かが待ち構えていた場合を考えて、奥へ目掛けてファイアーボールを放つのであった。
 

 過剰に爆発している感もぬぐえないが、こうしておけばうろついているモンスターに先制攻撃できるわけだ。
 ようするに、部屋を閉じて殺虫剤を撒くようなものである。
 
「よし、準備完了。レディーファーストだ、降りたまえ」
「あなたの仕事でしょう?」
「俺の盾となれ――、と待てよ、チロジャルから飛び込め」
「わんっ」
 
 どうせ敵が出たら、真っ先に飛び掛かっていくのは犬のチロジャルだ。ここでも好きなだけ先行させてやろう。
 
 

 さて、穴を降りたその先には、なにやら洞穴の中なのに普通の木が生えているみたいな場所に繋がっていたのだ。
 木のうろみたいな洞穴だから根っこみたいなのは多々あったが、緑色の木は初めてだね。
 

 そこは、地下に溜まった水たまりだった。
 周囲に木が生えているのを除けば、大きさ以外はねじれ窟で奇跡の水を入手した場所と雰囲気はそれほど変わらない。
 
「えっと、この木の枝をもらえばいいのかな」
「本当の自分と向き合うってのは?」
「既に目の前に見ておる。俺は君と一心同体、すなわち君も自分そのものである」
「気持ち悪いこと言わないでよ」
 
 えー、かっこええ台詞だと思ったんだけどなー。
 

 そんな馬鹿なことを言いながら水たまりの周囲を回ってみると、中央にある石碑から、何やら魂のようなものが湧き出してきた。
 
「魂ってさ、取った時に『きまりっ』て音がするよな」
「五十個取ったら一人増える、妖怪を退治した時に出るアレ?」
「さよう。一機増えるってどういう原理なのだろう」
「あれと同じよ。『私は命を二つ持ってきた』ってのよ」
「だからその原理を述べよ」
「心臓が二つあるのよ」
「気持ち悪いこと言わないでよ」
 
 へっへっへっ、言い返してやったぜー。
 

 そんな馬鹿な会話をやっていたら、その魂は俺にぶつかってきたのであった。
 俺に憑依する気か? そうはさせんぞ、この肉体は奪わせぬ。
 宵闇の樹の枝の交換条件としてたとえ体内に魂が入ってきたとしても、永遠に戦い続けようではないか! グラヴィカス・ヴァイルの犬よ!
 
 なんでここで犬が出てくるのかは謎ということで。
 ま、俺が戦い続け、眠り続けている間は、緑娘が傍らで目覚めるのを待ってくれるだろうということで。
 
 緑色に輝く魂は、その後一ヶ所に集まったかと思うと――
 

 なんだか誰かそっくりな奴が現れた!
 
「あっ、そいつがあなたの本当の自分ってことね」
「俺は剣なんか使ってないぞ?!」
 
 世の中には劣化コピーという言葉があるが、こいつの場合は間違いコピーとでも名付けておこうか。
 正確に俺をコピーできていないじゃないか。
 ま、どっちみちコピーはオリジナルに勝てないけどね。
 

 本物は、剣など振り回さずに、こういった戦いをするものだ。
 この技は、松明の炎を種として相手を燃やす技――ではなくて、まぁバルカン砲みたいなものだ。無痛ガンとも呼ばれたりする。
 
 

「あなたって、たいしたことないのね」
「なんでやねん」
「だって、本当の自分ってこんなに弱いんだ」
「俺は偽物かよ……(。-`ω´-)」
 
 まぁ緑娘の言う理屈はわかる。
 陰りの木に認められるためには、己の真の姿と向き合わなければならないというものだった。
 つまり陰りの木が言うには、こいつは俺の真の姿というわけなのだ。ということは、この俺は偽りの姿、偽物ということになってしまう。
 屁理屈みたいだが、妙に納得できてしまう自分が居た……。
 
「いや、俺もバルカン食らったらひとたまりもないよ」
「だめじゃないのよ」
「それじゃあお前も、自分に喉を踏み刺されてみろ」
「ふんっ、だ」
「わんっ」
 
 それでもとりあえずは、自分の影を退治した。
 つまり、己の真の姿を撃破してやったのだ。
 これで陰りの木も俺を認めた――のかな?
 

「えっと、これが陰りの木かな?」
「どう見ても石碑よ」
「そうだよな。何って書いてある?」
「肩書きの象徴だったり地位の象徴、宵闇の樹の枝だったり叫びの枝だったりって書いてあるわ」
「表記の揺れがあるみたいだな」
 

 どうやら陰りの木は、この広間の奥にある巨木のようだ。
 その先端は水たまりの中へと伸びており、ダイアスの言う通り、狂気と秘跡の深き泉から養分を得ているように見える。
 
 こうして、シェオゴラスの杖を作り直すために必要な素材のうちの一つ、宵闇の樹の枝を手に入れたのであった。
 
 
 
 
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