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肩書きの象徴 その2 ~目指せ、ナイフポイント・ホロウ~

 
 シェオゴラスは消え去ってしまった。
 だがジャガラグにまだ負けたわけではない。
 玉座に誰も居なくなったが、それなら新しい誰かが玉座に付けばよいのだ。
 そこで本格的に俺が後継者となるために、シェオゴラスの杖を作り直すこととなった。
 目指すはナイフポイント・ホロウにある、ジャガラグの大図書館だ。
 

「ぬ……?」
 
 ニュー・シェオス宮殿からクルーシブル地区を経由して、ディメンシアの地に出た時、おれはその光景に驚いた。
 なんと、ディメンシアの地に初めて陽の光が差しているではないか。
 これは、シェオゴラスが消えて、ディメンシアの地がリセットされてしまったということか?
 それとも俺たちの新たな一日が始まったということを示唆しているのか?
 
「ディメンシアが晴れたね」
「徐々にこの世界が俺色に染まってきているのかもしれんな」
「わんっ」
 
 あの薄暗くどんよりとしていたディメンシアが嘘のようだ。
 これはそうだな、初めてフリンジに訪れた時の空模様か。
 しかし逆に言えば、この世界に異変が起き、崩壊しつつある姿なのかもしれん。
 今はもう、未来は全く見えないものとなっていた。
 
 それに、シェオゴラスは俺に逃げろと言った。
 どこへ逃げたらよいのだ?
 緑娘の居ないシロディールには、二度と戻らないと決めたのだぞ。
 

「見よ、ニュー・シェオスの近くにあるオベリスクだ。ニュー・シェオスを攻める時の橋頭堡になるに違いないので潰しておく」
「あらあら、ずいぶんと戦略的に考えるようになったじゃないのよ」
「当然だろ? 君と一緒に創るこの世界が好きだからな、滅びてほしくないんだ」
「なんだかかっこいいこと言っちゃって、どうせ誰かの受け売りでしょう?」
「どうかな? ひょっとしたら遠い未来に同じようなことを言う奴が出てくるかもしれないが、歴史的に見たらこっちが元祖だ」
 
 なんだかサイラーン砦で出会ったミレルもそんな言い訳していたような気がする。
 そうだよな、既存の物を模倣して作ればパクりと揶揄されるが、それが世に出る前に発表すれば、自分のオリジナルだもんな。
 10年後、100年後、それとも200年後?
 ひょっとしたら、マーティンのような竜の血をひく者が現れて、同じようなことを述べるかもしれない。
 しかし、その未来に出てきて有名になろう言葉でも、今この時代に言えば、この地点ではそれはこっちが元祖ということになる。
 ミレルの言っていたことは間違っていないね。
 
 なんか未来に発言されたものを、そこから見て過去である現在で言っているからこっちが元祖うんぬん――
 会話の時系列が無茶苦茶な、トーヴみたいな言い方になっている気がせんでもないがw
 トーブならこんな風に言うだろう、「その台詞は200年後に聞いたから、10年前にお前が言った言葉はそれのパクりだ」と。
 

 戦闘は緑娘とチロジャルに任せて、俺は退治したオーダーから抜き取った心臓を、オベリスクに投げ込んでいく。
 オーダーやオベリスクに勝つ手段は、このめんどくさい作業しかないのだろうか?
 もっと強烈な一撃で、心臓を捧げる以外にオベリスクを止める手段は無いのだろうか?
 

 こうして、ニュー・シェオス近郊に出現していたオベリスクを閉じることに成功した。
 これで、近距離から攻撃を仕掛けられることは無いだろう。
 シェオゴラス無き今、一つ一つ慎重に対応せねばならんのだ。
 
 
「俺がデイドラ・ロードになれば、クラヴィカス・ヴァイルみたいに犬を引き連れることになるのかな」
「美女も侍らせているわよ」
「自分で美女と言うのは相変わらずなのな」
 
 ただし、疑問も残る。
 俺たちは定命の者であって、永命の者ではない。
 となると、俺が玉座を継いだとしても、いずれはその玉座は空席となる。
 その時どうなるのだ?
 再びグレイマーチが発生し、ジャガラグが暴れだすのか?
 そしてその時は、もう俺は居ないのだぞ?
 
 
「またオベリスクがあるわよ」
「んん? ああ?」
 

「何を考えていたのかしら?」
「んや、俺がシェオゴラスの後を継いで狂神になるのは構わん。しかしその先はどうなるのだ? いずれ俺も死ぬし、そうなるとこの世界はどうなるのだ?」
「まだ後を継げたわけじゃないし、考えるのは早いと思うわ。それに、支配者になった先はいくらでも時間があるじゃないのよ。それからゆっくりと考えましょう」
「んだな。それではあれに対して、これを試してみよう」
 

 そこで俺は、魔力の塊をオベリスクに対して放ってみた。
 今の俺が放つことのできる最大の威力を誇る破壊魔法。
 それはかつて、とある集団のシンボルをも破壊したことのある――
 

 ――ニュークリア・ブラスト。
 ちゃちなファイアーボールではない。
 少なくともその50倍を誇る威力を発揮するはずだ。
 

 さて、どうだろうか?
 これでもオベリスクは平然としていれば、諦めてオーダーの心臓を捧げるが……
 

「あっ、起動停止したわ」
「なるほど。破壊までは至らんが、機能停止はできるのか。これはこの先、作戦の幅が広がったことになるな」
「今の魔法、あたしにかけてみなさいよ。抵抗してあげるから」
「やめとけ。みろよ、オーダー軍が一瞬で蹴散らされているんだぞ」
 
 ま、闇の一党最後の生き残りだったアルクェンも、ニュークリア・ブラストに耐えて俺に最後の一撃を仕掛けてきたことがある。
 よほどの強い精神力を持ったものなら、耐えられないこともないのだろう。
 しかし今試すことではない。
 また最初に霊峰の指を放った時みたいに、意外な形で緑娘に怪我させたらめんどくさいからな。
 それこそ戦いが終わって支配者になった後、暇つぶしでやるべきだろう。
 
 

 ナイフポイント・ホロウは、この湖を超えた先だ。
 そしてこのキャンプは、パドルジャンプ――水またぎキャンプだ。湖を水たまりに例えて、それをまたぐように作られたキャンプということだろう。
 
「やるかしら?」
「支配者になった先はいくらでも時間がある」
「何よいけず」
 
 ま、戦慄の島が平和になってやることが無くなったら、全てのキャンプでえっちっちー制覇でもしますかねw
 

 オベリスクがあったのと反対側はこんな景色になっている。
 地図と照らし合わせても、この先にナイフポイント・ホロウがあるのは確実だ。
 目的地は近いぞ。
 
「湖を突っ切る?」
「嫌よ」
「じゃ、ぐるりと迂回しますか」
 
 相変わらず、できるだろ水に濡れたくない緑娘だこと。
 

 この湖は、山の頂に溜まった水でできているようで、そこを水源にして滝が落ちていたりする。
 ひょっとしてもともとここは火口で、死火山となった後に水が溜まったのかな?
 
 

 というわけで、湖をぐるりと回ってナイフポイント・ホロウに到着。
 次は、この奥にあると言われている大図書館探しだ。
 
 
 続く――
 
 
 
 
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