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無防備な軍団 その2 ~ブレラックの砦を目指して~

 
 ゲートキーパーの再生が完了したと思ったら、今度はゴールデン・セイントの本拠地がオーダー軍の攻撃によって陥落したというのだ。
 全く次から次へと様々な手を仕掛けてくるものだ。
 ひょっとしてフリンジは囮で、本体はこちらなのか?
 ディメンシア側に俺を引き付けておいて、その隙に別動隊がマニア側にあるセイントの本拠地ブレラックの砦を落とす。
 策としてはうまくいっている。
 となると、俺がそっちに赴いたら、今度はディメンシア側にあると思われる、ダーク・セデューサーの本拠地を攻撃すると見た。
 どうも後手後手に回っているような気がしていかんな……
 

 ブレラックの砦は、戦慄の島北端。
 ハイクロスを通り過ぎて、街道の北端に到着。
 ここからは道なき道を北上していくこととなる。
 
「なんだかすぐ北に遺跡っぽいのがあるねー」
「どうせまたグラマイト教よ」
「だろうな」
 

 というわけで、行ってみた。
 
「おお、女神が祀られておる」
「スケベにしか見えない女神ね」
「あれっ? ソニアが見えなくなった?!」
「スケベというのは認めるんだ……」
 
 緑娘と間違えなかったところを評価してもらいたいものだね。
 あと、自分のことを女神と認識しとるのな。
 
 

 北上する途中、起動しているオベリスクを発見したりする。
 さっさと騎士を退治して、オベリスクに心臓を3つ捧げるだけの仕事なので、ここはひとつ片づけておく。
 下手したら、ここから湧いてきたオーダー軍に、ブレラックの砦を奪還中背後を取られるかもしれないからね。
 それか、ブレラックの砦を攻めたのは、ここから発生したオーダー軍の可能性もあるからだ。
 
 退治の様子は割愛!
 
 

 北にある山と山の間には、オーダーのオベリスクからなぜか道が伸びていた。
 オーダー軍は、道を舗装しながら攻めているのかな?
 とにかくこの峠を越えると、北の海が見えてきたのだった。
 北の海だぞ、北の湖ではないからな。何と混同するのを避けて注釈を入れたのかは謎。
 

 山を越えて海へ向かって道を進んでいくと、石造りの床が現れた。
 ようやく辿りついたか、ブレラックの砦に。
 周囲に砦のような物はないが、この近くにイスミという者が残存兵力をかき集めて抵抗しているはずだ。
 
 オーダー軍の攻撃に用心しながら砦を進んでいくと、行く手に三人のセイントが突っ立っていた。
 突っ立っていた。
 

「来援に感謝します!」
「えらい落ち着いているようだが、ほんまにここが戦場? 砦は? あの入り口だけ?」
「セイドンです。彼が敵を手引きして、内部にオーダーを入れてしまいました」
「あー、あいつか。騙されたのな」
「我々は、奴が裏切り者だとは思いもしなかった……」
 
 これは仕方がない。
 昨日までの指導者が、突然敵になったのなら、衛兵たちは騙されても仕方がない。
 落ち度があるとしたら、シェオゴラスのじじいだな。
 セイドンが裏切った地点で、全土に「セイドンは裏切った」と通達すべきだったのだ。
 
「第一目標は、スターダの救出です」
「誰ね?」
「我々の指揮官です。敵に捕らえられて、内部のどこかに幽閉されているのです」
「敵はやっぱりオーダー軍?」
「そうです。セイドンは大勢の敵を率いて入ってきました。私はここまで脱出して、部隊を再編するのが精一杯でした」
「三人だよね?」
「部隊を再編するのが精一杯でした」
 
 まあいいか。
 こいつらに一個連隊とか期待しても仕方がない。
 脱出できたのは、一個班だけだったと解釈しよう。
 
 とにかくこのイスミの話では、セイドンはまずは指揮官のスターダを呼び出して、部隊から引き離したのだと言う。
 指揮官と部隊が離れた隙にオーダー軍が突入してきて、指揮系統が乱れたセイント軍を蹴散らしてブレラックの砦を占拠したのだ。
 そして指揮官スダータを、どこかに幽閉したと。
 
「人質を取られているようなものではないか」
「そうなのです。奴らはそれを知って、スターダを殺さないのです」
「ちなみにそのスターダは、死よりも不名誉を恐れる者か?」
「もちろんです! 我々は死など恐れはしない!」
「ん、指揮官が過大評価されるのを迷惑がられないよう祈るだけだ」
 

 サイラーンの砦のように、囲いに囲まれた要塞で、壁の上から遠距離攻撃されるのを予想していたが、どうやらブレラックの砦はただの砦のようだ。
 この分だと、普通に砦攻略するだけでよさそうだね。
 
「こう申し上げることをお許しください」
「なんね?」
 
 突入することとなったが、イスミはまだ何か言うことがあるらしい。
 
「私は動揺しているのです……、ディメンシア公に従うことに」
「あー、それね」
 
 イスミの言うとおりだ。
 セイント軍は、本来ならばマニア公に従う者。
 そしてディメンシア公が率いるのは、ダーク・セデューサーだ。
 
「通常なら、ディメンシア公はブレラックに立ち入らせるわけにはいきません。しかし、セイドン公が裏切った今、公爵殿は貴方一人……」
「気にするな。偉大なるかがり火のことを思い出してみるがよい」
「……はっ、そう言えば。あなたは、マニアの光を灯してくれた。なぜ……?」
「俺にとっては、マニアでなければディメンシアでもない。同じ島に暮らす、なんだろうねぇ?」
「公爵殿?」
「ダーク・セデューサーとのわだかまりがあったとしても、胸の奥にでもしまっておけ。これからは共に手を取り、戦慄の島の住民として国家を築きましょう」
 
 これでいいのだよな? 緑娘よ。
 こういう流れを望んだのだろ? 君は。
 
「我ら一同、貴方に従います、公爵殿。迅速な行動が求められる今、平時のしきたりなどには目をつぶりましょう」
「ん、それでよい」
 
 
 こうして俺たちは、ブレラックの砦を奪還すべく動き出したのである。
 
 
 続く――
 
 
 
 
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