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ニュー・シェオスに到着 ~マニック派地区ブリス~

 
 ハイクロスの町を出発し、再び南へと進路を取る。
 前回はわき道にそれて、異端者ヘレティックの本拠地らしきフェインの砦へ寄り道したが、今回は道に沿って三段キノコの森を抜けていく。
 

 森の外れには、またしても新たな遺跡が顔を覗かせたのであった。
 
「遺跡は全部見ていくぞ、君との思い出を重ねるためにな!」
「ご自由にどうぞ。でもお宝が見つからなかったら、わかっているよね?」
 
 わかってないなぁ緑娘は。
 君との思い出がお宝だと言ったじゃないか。
 

「はっはっはっ! お宝の無い遺跡なんてあるものか!」
「思い出だけじゃなくて、形のあるものが無かったら許さないわ」
「はっはっはっ、任せてもらおう!」
 
 お宝と言えば遺跡、遺跡と言えばお宝。
 それがたとえ他人の遺灰であれ、お宝であるのだ。
 要は、気持ちの持ち方一つである。
 

「どこからそんな自信がでるのかしら? ひょっとしてこの世界の空気に侵されたのかしら?」
「はっはっはっはっ……(。-`ω´-)」
 
 き、気持ちの持ち方一つ……
 
 
「紛らわしい建物作るなーーーーっっっ!!!」
「バーカ……」
 
 
 気を取り直して、南への旅を続けるぞ。
 次からはこんなフェイク遺跡に騙されるもんか!
 

 フェイク遺跡からすぐ南に向かったところで、急に視界が広がって、目の前に大きな宮殿のようなものと町が現れた。
 
「あれは宮殿だな」
「本当にそうかしら?」
「なんだよ、俺の目を信じないのか?」
「さっき何を見たのかしらね?」
 
 …………(。-`ω´-)
 
 まさかあれも、フェイク宮殿というのではないだろうな?
 なんだか自身無くなってきたぞ……
 もっとも、狂気の世界で自信を持つということは、狂気に染まってきたということを指すわけだ。
 フェイクに騙される俺は、まだ狂気に染まってな なな ないは ず
 

「よし、近づいても見える。蜃気楼じゃないことは確認した」
「ニュー・シェオスかそうじゃないか、どっちに何を賭けるのかしら?」
「あれがニュー・シェオスに、安物のワインを一杯賭ける」
「けちんぼなのね、もっと豪勢に賭けなさいよ」
「ではあれが本物の宮殿に、俺の尻子玉を賭ける!」
「あなた本当に狂ったのね……」
 
 だって他に何を賭けたら良いのかわからんから仕方がない。
 シロディールに居た頃は、アークメイジの地位とかいろいろと賭ける物はあった。
 しかし今の俺は、緑娘以外何も持たない、一介の冒険者なのだ。
 ――かといって、緑娘を賭けると言ったら、それはそれで怒る癖にな。
 

 町の入り口である門の前には、金の装備で身を固めた戦士っぽい人が立っていた。
 この派手なのが、この世界での衛兵か?
 そう言えば、スプリットの村の近くでも見かけたような気がするね。
 
「こんにちは」
「何用だ? 手短に話せ、定命の者よ」
 

 近くでじっくり見るのは初めてだけど、なんだか目が怖いぞ。
 吸血鬼のような、金色に光る眼だ。
 
「ここはニュー・シェオスですか?」
「そうだ。ここが戦慄の島の中心地だ。我らオーリアルは、ニュー・シェオスのマニック派地区、ブリスを守っている」
「あっ、俺の予想が当たったぞ。君が賭けたものをよこすんだな」
「しょうがないわね、今夜一回だけよ」
「なんやそれ……(。-`ω´-)」
 
 第一条、ラムリーザと緑娘の間の性交渉は、一度を以て全てとし、今後ラムリーザは、緑娘に対して二度目以降を要求するときは緑娘との賭けに勝たなければならない。
 第二条、本件については他言無用とし、当事者間においても、本件に関連する発言は、今後一切これを禁止する。
 
 さしずめこんなところか?(。-`ω´-)
 いや、そんな条約結んだ記憶ないけど。
 いや、ひょっとしたらこの世界に来る前に故郷で?
 
「あなた何か変な事考えているでしょう?」
「知らんな……」
「ラムリーザの、ソニアに対しての緑娘呼びを禁じる。呼びかける場合は、地位名、もしくは名前に『さん』『先輩』を付けること」
「先輩だったのか、知らなかったよ(。-`ω´-)」
「あのカジートは先輩呼びしていたくせに」
「それで、先輩なのか?」
「ううん、あなたとは同い年よ」
「意味わからんわ!」
 

 謎の会話をしていたら、門の前の衛兵が訝しむので、さっさと門をくぐってやった。
 
 ブリスという名前の地区らしいが、見た感じはスキングラードが近いか?
 石造りの大きな建物が並んでいるし、似た感じになっている。大きな違いは、マーメイドを模った噴水か。
 ということは、一番最初に話しかける相手には、警戒しなければならない。
 

「さてこんにちは、ラムリーザです。誰も監視してませんよ」
「俺はオーリンサル、引退した暗殺者だ」
「なんですと?!」
 
 マズいな、闇の一党の残党か?
 もしそうなら警戒しておかなければ――いや、引退したと言っているから、かつて聖域で暗殺を依頼されたスカー=テイル、今は偽名のキズ=シッポと名乗っていたアルゴニアンのような存在かな?
 念のためにもう少し会話して、こいつの実態を知っておこう。
 
「ラムリーザ君と言ったか、君は俺が昨晩きっかり237分間寝たって知ってたか?」
「四時間弱しか寝てないんだね。四当五落を実践しているのだな、第二の人生として受験を始めたのだな」
「どうだ、俺は魅力的だろう」
「睡眠時間で人の魅力が決まるとは思えんが、魅力的だと思ってやろう」
「はっはっはっ、それよりも君はここへ来るのにどのくらい歩いたか思い起こしたりしないか? 何歩歩いたかね?」
「そんなんいちいち数えておるか。じゃあオーリンサル、君は今まで食ったパンの枚数を覚えているのか?」
「15348枚だ。毎朝一枚食べている。時々二枚食べるが、しっかりそれも数えている」
「…………(。-`ω´-)」
 
 この質問に、普通に答えた奴に初めて会った……
 いや、睡眠時間もきっちりと数えている奴だ。
 たぶん自分に関連するすべての事項を数えているに違いない。
 
 狂ってる……、狂ってやがる……
 
 あ、狂気の世界、戦慄の島だったか。これが普通なんだ……(。-`ω´-)
 
「で、ここまで何歩で来た?」
「ひゃ、300歩ぐらい?」
「はっはっはっ、そうか近いな。ハイクロス出身かな? ではまた会おう。俺はここで唯一のレッドガードだから、すぐに分かるぞ」
「は、はぁ……」
 
 俺もさっさと狂ってしまった方が、楽なのかもしれんな……(。-`ω´-)
 
 
 
 まずはぐるりと町を一周してみることにした。
 

 外壁の南側には、また別の大きな門があったりする。
 まずはブリス側を全て探索したいので、門をくぐるのは後回しとする。
 

 ブリスの裏通り、裏通りにしては整然としている。
 

 そして宮殿側近くは、庭園のようになっている。
 景観だけを見ると、ここが狂気の世界だと言うことを忘れさせてくれるものだ。
 

 結局は、一旦宿に入って一休みしつつ、今後の行動を考えようというものだ。
 宿の名前は「難癖乞食亭」という。ろくでもない名前だな。
 
 この宿のマスターは、レイヴン・バイター。俺たちにしばらくの間居てくれよと言ってきた。
 そんなに客が少ないのか?
 
「一部屋借りるかな」
「まいどっ。ただし、俺の妻からは離れているんだぞ」
「ご忠告に従います」
 
 アルゴニアンは慣れないので、喜んで離れさせていただきます。
 いや、ダ=ルマとかディーサンとか、親切なアルゴニアンに会ったことはある。
 彼女たちには、俺も好意的に接したいものだ。
 
 しかしこの世界のアルゴニアンはどうだ?
 高い木から落ちただの、輪を回るだの、今のところ妙なのにしか会っていないのだ。
 
 それ以前に、他人の妻に近づいたら、緑娘がうるさいってのがわかっているからな。
 
 

 客は二人か。
 奥のテーブルは埋まっているので、手前のテーブルを使わせてもらおうか。
 

「ほいで、どないしょうかね?」
「あなたがまだ狂ってないのなら、町の人の話を一人ずつ聞いて回ったらいいと思うわ」
「いや俺、狂ってないから」
「有りもしない遺跡を指さしたり、尻子玉発言はどうなのよ?」
「君がいつもつんつんしているから、こっちに興味を持ってもらおうと、楽しいように振る舞っているんじゃないか」
「誰がつんつんしているのよ」
「ほら今とかつんつんしてる」
「あなたが妙な事ばかり口走るからでしょ?」
 
 
 いかんな、ちょっと話を仕切らせてもらう……(。-`ω´-)
 
 
 
 
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