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謎の石柱(オベリスク) ~野心と欲望と~

 
 今日は夜が明けてから、ゲートキーパーと戦ったり、北へ向かっての旅路、そしてダイア・ウォレン洞穴の探索などをして、そろそろ昼過ぎになろうかという時間。
 

 空模様が、これまでに見たような景色ではなくなってきた。
 やはりここは異界なのだな、そう思わせるのに十分な雰囲気であった。
 遠くの景色は、もやがかかっているようになっていてよく見えない。
 ここは島だという話なので、遥か彼方に見えるのは水平線。その先はどうなっているのか、わからない。
 
 ひょっとして、この世界は平らなのかもしれないね。
 世界の果てという物があり、そこは永遠の奈落へ向かって滝が落ちているのだ。
  
 
「ねぇ、ラムリーザ?」
「なんぞ?」
「あたしたちは一体何をしているのかしら?」
「ハスキルが言っていたように、シェオゴラスに会うために、ニュー・シェオスの宮殿に向かっているのだろ?」
「何でシェオゴラスってのに会う必要があるのよ」
「それはな――ん? 待てよ――」
 
 緑娘に話しかけられたが、俺は遠くに見えた物に気を取られていた。
 

「――んん? あれは何だ?」
「何だと言っても、あれはアレよ」
「アレとは何か?」
「んもぅ、知っている癖に」
「知らんわ!」
 
 道の先に、見慣れない物があったりする。
 水晶のような形をしているが、透明感は無く、そしてやたらとでかい。
 

「なんだこれは?」
「オベリスク――かしら?」
「記念碑か。水晶のように見えるし、鉄のようにも見える」
「壊してみようかな?」
「どうやって?」
「こうするのよ!」
 

 カーン!
 澄んだ音が周囲に響く。
 
 これが一体何を意味する物体なのかはよくわからない。
 まぁ狂気の世界だ。全てを理解するのは、不可能なのかもしれないけどな。
 
「ねぇ、さっきの話の続きだけど、シェオゴラスに会ってどうするのよ」
「まぁとりあえずは、いろいろと言いたいことがあるのでそれをぶっかけるのと、後は一発ボコってやりたいぐらいかな」
「そうなのね……」
 
 謎の石柱――オベリスクを後にして、さらに北へと向かう。
 狂気の門右の扉はディメンシア、そして左の門がマニアだったので、東に向かえばたぶんディメンシアに行ってしまうだろう。
 アイシャン砦から見た感じでは、西の方には海が広がっている。
 だから、先に行くには北へ向かうしかないのだ。
 石畳の道も、左右にうねっているが、北へ向かっているのだけは確かである。
 
「あなた、この世界を支配してみないかしら?」
「また始まったか。だから俺は、帝国の支配者にはならないって」
「帝国じゃないわ。この世界はシェオゴラスって奴の世界でしょう? だったらそいつから奪って、乗っ取ってやりましょうよ」
 
 マーティンが皇帝として相応しい者だと分かってからは鳴りを潜めていたが、またしても緑娘の野望が復活したか。
 こいつは、俺に国なりなんなりを乗っ取らせて支配者に仕立て上げて、その世界を一緒に支配してしまおうと言った壮大で無謀な野心を持っている。
 それは初めて会った――いや、再会した時からずっと同じだった。
 もっともシロディールでは、緑娘の思惑通りに事が動いたってことは、この際ナイショだけどな。
 
「あなた、シェオゴラスをボコりたいのでしょう?」
「ああ、奴は俺に酷いことをさせたからな。俺を災厄の使途に仕立て上げやがった」
「だったらボコりついでに、この世界を奪ってやりなさいよ」
「ぬ……(。-`ω´-)」
 
 その時俺は、悪くない――と少しだけ思ってしまったのだ。
 ハスキルの話では、この世界はシェオゴラスが支配していると聞く。
 だったらそのシェオゴラスをどうにかしてしまえば、この世界をまるっと頂けるのでは?
 ボコりついでに奪ってやる、多少過剰報復感もぬぐえないが、それもある意味奴に対する嫌がらせになるのではないだろうか?
 

「そのための障害は、あたしがなんとかしてあげるから!」
 
 そう言うと緑娘は、突然現れたスケイロンに立ち向かっていった。
 そしてあっという間に、蹴り刺して退治してしまったのである。
 
 こいつは大言壮語を口にするが、それなりの実力を兼ね備えているのだ。
 だからこそその野望が大きければ大きいほど厄介であり、そして敵が強大であればあるほど頼もしくもあり、それでいて愛しいのだ。
 
「それで? 俺がシェオゴラスの世界を奪い取ったら、お前はどうするのだ?」
「そんな先のこと、奪って見せてから言いなさいよ」
「ぬ……もっともだ」
 
 そうさな、確かに悪くは無いし、面白い話だ。
 帝国の皇帝は、俺には荷が重いしマーティンという者が居た。
 しかしこの世界を支配するのは、悪名高きシェオゴラス。
 悪くは無い。そう、悪くは無い。
 
 

「お、町があるぞ。ニュー・シェオスかな?」
「やるの? やらないの?」
「ふっ、可能ならやってやんよ。今回こそ、リベンジだ」
「さっすが、あたしのラムリーザ! やったね! 大好き!」
 
 緑娘に乗せられた形で、俺もその野望に乗っかかってみるか。
 ハスキルが言っていたことではないが、この世界に来ると人は変わるという。
 
 しかし緑娘は、以前と何も変わっていない。
 この野望は持つ態度は懐かしくもあり、敵がシェオゴラスならば俺も相手にとって不足は無い。
 むしろデイドラロードといった存在であり、メエルーンズ・デイゴンのように俺の力を越えた相手である可能性が高い。
 だが、マーティンが神の力を借りたとはいえ、互角の戦いを見せた相手でもあるのだ。
 つまり、タイバー・セプティムが神格化されたのと同じように、俺にも同じ力があれば神と互角の戦いができるかもしれないということだ。
 九大神の一人、タロスになれる人間が居たのなら、デイドラロードになれる人間が居ても不思議ではないだろう。

 この壮大な野望を、なんとなく楽しんでいる俺が居たりする。
 
 
 変わっていくのは、たぶん俺の方なのだろうな……
 
 
 
 
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