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アイシャンの遺跡 ~実は牢獄だったりする~

 
 レッチド・キャンプを拠点にして、周囲を探索してみることにした。
 今後の目的は、マニアの地を探索して、ニュー・シェオスの宮殿を目指すこと。
 しかし、その場所がどこにあるのかは分からない。
 闇雲に駆け回っても、かえって迷うだけだし疲れるので、拠点を定めて少しずつ少しずつ探索の範囲を広げていくのがよいだろう。
 

「なんだか建物があるねー」
「あれがニュー・シェオスなのかしら?」
「行ってみなければ、わからない。よし、この坂を駆け降りるぞ」
「え~……」
 
 レッチド・キャンプからさらに西へと向かった場所、恐らく戦慄の島の西海岸へと出たのだろう。
 その海岸線の近く、石造りの建物を発見したのであった。
 少なくとも、木製よりは石造りの方が宮殿っぽいというものだ。
 一気に山を下って、その建造物へと一直線に向かって行った。
 ちなみに緑娘がごねるのは、彼女の履いている靴――武器が、坂道を下るのに適していないとかなんとかかんとか。
 確かに下り坂では、踵側に針があるより、つま先側にある方が動きやすいだろう。
 

「ゾイナサ通ハヘ先ノコ!」
「なんだお前らは!」
「スロコ者入侵!」
 
 グラマイトだっけ?
 この世界に住み着くゴブリンみたいな奴らが、二人掛かりでわからん言葉を発しながら襲い掛かってきた。
 ゴブリンと言うより、半魚人っぽいなこいつらは。
 

 もちろん俺たちの敵ではない。
 すれ違いざまに一閃、それだけで勝負はついていた。
 
 ――などと、カッコつけてみるテスト(。-`ω´-)
 
 
「アイシャン――の遺跡かしら?」
「扉の上に、そう書いているねー」
「ニュー・シェオスじゃないじゃない」
「それはダジャレか?」
「――ではないじゃない!」
 

「たぶんここにはお宝が眠っているぞ」
「どういった根拠から、そういったことが言えるのかしら?」
「長年旅をしてきた俺の、冒険者としての嗅覚だ」
「ここに来てから冒険者を名乗りだしたくせに」
「……(。-`ω´-)」
 
 ニュー・シェオスではなさそうだけど、折角来たのだから中を探索してみようではないか。
 ひょっとしたら、ニュー・シェオス行きの旅の扉があるかもしれないし、それこそお宝が眠っているかもしれない。
 俺は、緑娘と共にアイシャンの遺跡へと入り込んだ。
 
 

「ぬ、表に居た奴の石像」
「この遺跡は、グラマイトの住処みたいね」
「奴らにこんな石像を創る文明はなさそうだけどなぁ」
 
 少なくとも、ゴブリンの石像は見たことが無い。
 それとも人間が、グラマイトの石像を彫ったのか?
 なんのために?
 

「通路は左右に分かれているぞ」
「それじゃあ、右の方へ向かいましょう」
「ナマステ教の、聖なる右手だからか?」
「だから何よ、そのナマステ教って!」
 
 どっちから進んでもいいが、緑娘が右へ行こうと言うならそうしてやってもいいだろう。
 俺は別にどっちの通路から探索してもいいからね。
 そして右側の通路は、北へ向かう通路と東へ向かう通路。北は扉が、東は地下へと通じていた。
 まずはわかりやすい北の扉に先へと――
 

 しかしそこは、落とし穴、そして針と火の玉が飛び交う罠の間であった。
 
「これが聖なる光景か」
「あなたが変なこと言うからこうなったのよ!」
「挨拶は無い……(。-`ω´-)」
 
 とりあえずこの先へとこのまま進むのは無謀だと思うので、引き返して東の地下への通路へと向かう。
 グラマイトが襲い掛かってきたけど、外でも相手をしてやったのでここでは割愛。
 

 えっと、地下での出来事を要約すると、以下の通りだ。
 まず天井は開閉式で、先ほど見た落とし穴だと判断できる。
 そして台座の上に突起があり、その先から針が飛び出している。これも先ほど見た、地下から飛び出してくる針だろう。
 それらは、この地下室にあったボタンを押すことで、動作を停止したのである。
 

 こうして先ほどの罠の間は鳴りを潜め、ただの平凡なフロアと化したのであった。
 火の玉が飛び出していたのであろう左右の石像は、その前を揉んで閉ざされて大人しくなっている。
 急がば回れ、罠を強行突破するよりは、少し戻って何か対策は無いか練るべきなのだ。
 

「え~と……」
「行き止まりね」
「右側の道は外れでしたーw」
「何よ! あなただって反対しなかったくせに!」
 
 喧嘩していても仕方がないので、来た道を元に戻って、今度は左側の通路へと向かう。
 
 
 

 左側の通路は、苔むした洞窟。
 時々壁の穴から針が飛び出してくるので、油断してはならない。
 確かに不浄の左手と言った雰囲気だ。
 

 苔むした通路を過ぎた先は水浸しの通路。
 そして、巨大な怪獣が襲い掛かってきた。スケイロンだ!
 なんで名前が分かるのだって? なんかスケイロンって雰囲気の顔をしているからだ。
 ま、俺の敵ではないけどね。
 

 水浸しの通路を進んでいると、何やら緑色の球体があったりするのだ。
 球体からは、光の粒が舞い上がっている。
 
「わぁ、何これかわいいーっ」
「不用意に近づかない方がいいぞ」
 

「うわっ!」
「ほらみたことか……(。-`ω´-)」
 
 緑娘が球体を覗き込むと、突然緑色の煙を吐き出したのであった。
 よかったな、それがもしもエイリアンの卵だったら、今頃顔面掴まれていたぞ。
 
「もー、なんかむかつくからこいつ松明で焼いてよ」
「余計に煙が出てきて収支がつかなくなりそうだから、却下」
「何よ、ふんっ!」
 
 何がふんっだ。
 今どき「ふんっ」で萌えられると思ったら大間違いだぞ。
 昨今の流行は優しく包んでくれる母親のような――
 
 

 煙を吐き出す緑色の球体をやり過ごして先に進むと、今度は――
 どう説明したらよいものやら……
 触手を生やす植物? とにかく、茎から伸びた花みたいな場所から、ゾウの鼻みたいなのを突き出したり引っ込めたり――
 
 そんな説明しかできねーよ!
 
「何よここ、これでお宝が無かったら許さないからね」
「切っ先半マイルみたいなことにはならない――はずだ……(。-`ω´-)」
 
 俺は自殺者の滝で8ゴールド発見したという前科もあるからな……
 
 いや、大丈夫!
 この先にはきっとすごいお宝が眠って――
 

「何か言うことあるかしら?」
「何か――(。-`ω´-)」
 
 左側の通路も、右側同様その先は開くことのできない閉ざされた扉で隔たれていたのであった。
 
 
 ………
 ……
 …
 
 

「それで、あなたの言うお宝って何かしら?」
「――お前と一緒に冒険できる、その一時一時が、俺にとってかけがえのない大切なお宝なんだ(。-`ω´-)」
「ちょっ、何言ってんのよ……ってか新鮮すぎるわよ、その台詞!」
 
 今、顔を赤らめてそっぽを向いたの確認したぞ。
 どうだ俺、何となくかっこいいこと言っただろう!
 
 
 こうして、アイシャンの遺跡の探索では、何の実りもないまま終わったのであった。
 いや、実りはあったぞ。緑娘と一緒に冒険できること以上の実りはあるだろうか?!

 ちなみに二人が、実はこの遺跡がマニアで法を犯した者が投獄される場所、つまり牢獄のような場所だと知るのはずっと先の話であった。
 
 
 
 
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