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狂気の縁を抜けて4 ~マニア? ディメンシア?~

 
 フリンジにて――
 
 シェオゴラスの支配する世界へと侵入するには、狂気の門をくぐらなければならない。
 しかしその門には鍵がかかっており、その鍵を入手しなければ先に進めない。
 そしてその鍵は、ゲートキーパーの体内に埋め込まれているというわけだ。
 
 俺は、緑娘、ジェイレッドと共に、ゲートキーパーへと挑んだ。
 そして骨の矢、レルミナの涙を駆使して、ついに奴を始末したのであった。
 
 奴の体内には二つの鍵、それぞれマニア、もしくはディメンシアへと通じる門を開けるための鍵のようであった。
 扉が二つあるだって?
 聞いてねーぞそんなの!
 
「鍵は二つなの? どちらが正解の門なのかしら?」
「正解の門は城に続いているけど、間違った門は地獄へと続いているのだ(。-`ω´-)」
「あたし右から入るから、あなた左に入りなさいよ」
「そんな適当に決めていいのか?」
「聖なる右手、不浄の左手って言うじゃない」
「それはナマステ教の教えか?」
「何よそれ」
「ほう、ゲートキーパーを倒してみせるとはな。気の毒に――」
「なんでやねん」
 

 俺と緑娘が実りの無い会話をしていると、そこに割り込んできたのは例のハスキルであった。
 このハゲ親父は、シェオゴラスの執事だというから油断してはならない。
 そしてハスキルは、王国への本土へと入る扉は二つあると言ってきた。
 
「一方はマニアの地、もう一方はディメンシア行きの門です」
「マニア? 熱狂的なのか?」
「はい。マニアの地は、華やかで活気に満ち、色鮮やかでしょう。住民たちも、陽気なものです」
「ディメンシアは?」
「マニアの反対、憂鬱で影の世界となっています。住民たちも、陰鬱なものでしょう」
「マニアでお願いします」
「マニアの民や生物はカラフルですが、しばしば危険にもなるでしょう」
「……(。-`ω´-)」
 
 陰と陽、鬱と躁、影と光。
 どちらが良いだろうか?
 俺は明るい方が好きだ。
 なぜなら、影とか闇と聞くと、盗賊ギルドとか闇の一党を思い出すからさ。
 
 ハスキルは、シェオゴラス神を探せと言ってきた。言われなくてもそうするけどね。
 ただ問題は、奴は俺に対する計画を持っているらしいのだ。
 またどこぞの村に、災厄を引き起こせと言うのだろうか……(。-`ω´-)
 
 そしてニュー・シェオスの宮殿で、そのシェオゴラスと会えるというのだ。
 つまり、狂気の門をくぐったら、次はニュー・シェオスという場所へ向かえばよいということになるのだ。
 
「ニュー・シェオスは、戦慄の島の中心都市です。ブリス、クルーシブル、そして宮殿地区に分かれています」
「なるほど。帝国に対するインペリアルシティの様な場所が、この世界ではニュー・シェオスというわけか」
 
 シェオスね、シェオゴラスだからシェオスね。
 これがサングインならサンス、アカトシュならアカス、タロスならタロスとなるわけだ。
 ん、タロスは変わらんな。
 神ではないから変わらんのだろう。
 
 そしてハスキルは、二つの門の内、気性に合う方を選べばよいと言ってきた。
 それならマニアを選ばせてもらおう。
 たぶんこの世界の全てを知るためには、いずれはディメンシアへも行かなければならないと思うが、まずは明るい世界から体験しようではないか。
 
 マニアの地には、ヘイル、ハイクロスという集落があるそうな。
 逆にディメンシアの地には、フェルムーア、ディープワロウという集落があるそうだ。
 そしてマニアとディメンシアの境目には、スプリットという町があると言う。
 この世界でニュー・シェオス以外で主な居住区は、それら五つの集落なり町であるようだ。
 
「悩む必要はありませんよ。王国に入った者は、例外なく一変しますから」
「つまり俺も、バイシェオーゴラス、バイシェオーゴラス、バイシェオーゴラスって言うようになるってのか?」
「ふっふっふっ、どうでしょう。ただ、少なくとも大半は、良き変化であると思っていますよ」
「まあいいや。情報はそれで全部かな?」
「はい。島では慎重に。定命の者に適した場所ではありません。ま、貴方ならば心配することは無いでしょう」
 
 それだけ言うと、ハスキルは再び煙に巻かれるように姿を消したのであった。
 そして狂気の門の前には、先程と同じ三人の姿だけが残った。
 
「えっと、鍵は二つあるぞ。俺たちはマニアに向かうが、ジェイレッド、君はどうする? 俺たちと一緒に来るか? それともディメンシアに行ってみるか?」
「そうだなぁ……。せっかく二つの門があるのだ。君たちとは違う道を選んでみるのも面白いかもしれん。それに――」
「それに?」
「馬に蹴られるのもごめんだからな」
「ちょっw んじゃ、こっちの鍵はあげますからっ」
「ありがとう、お二方とも仲良く達者でな」
「はぁ、バイバーイ、ジェイレッドさぁん」
「ん、ホースと共にあらんことを。馬だけに」
 

 こうして、ジェイレッドはディメンシアへと向かって行った。
 そして俺と緑娘は、陽気な世界であるマニアへと向かったので――
 
 
 

 ちょっと待てよ――?
 なんか見物人がおった?
 

「あいつらまさか?!」
「どうしたのよ! マニアってところに行くんじゃないの?!」
「嫌な予感がするんだ!」
 
 あいつらは、確か最初にゲートキーパーが冒険者の一団を始末するのを一緒に見に行った、シェルデンとフェラスではないか!
 ひょっとして俺たちがゲートキーパーを退治しに行くという情報を聞きつけて、一部始終を見ていたというのではないだろうな?!
 

「いやあ、あんたがゲートキーパーと戦うのを見たよ。狂気の門の番人が倒されると思った者などいなかったのに、あんたはそれを皆に見せつけてやったんだ! ハハハハハ!」
「…………(。-`ω´-)」
 
 
 またこれか……
 ひょっとして俺は、この世界でも同じことを絶賛され続けることになるのか?
 
 だが、狂気の門の向こうで見ていた奴は居ないはずだ!
 
 

 そんなわけで俺たちは、マニア通じている門をくぐったのである。
 
 
 
 
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