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秩序の終わり ~最後の戦い、そしてグレイマーチの終了~

 
 シェオゴラスの杖が完成し、ついに俺は戦慄の島に王として君臨することとなった。
 かつての友マーティンではないが、俺にとっても何もかも初めてのことだ。
 たちまちは、宮殿に住む者を集めて演説のようなものをかましてやったところだ。
 続いて祝宴の計画について語ろうかと思ったところ――
 
 ダーク・セデューサーの衛兵が駆け込んできて、救援が必要だと言ってきたのだ。
 その場の流れで「王が必ず陣頭に立つ」と宣言してしまった以上、何者が反乱を企てたかわからんが、俺は積極的に動くのであった。
 

「なんぞ?」
「陛下! よくいらっしゃいました。着手して頂きたい問題があるのです」
「そなたがオウティケンド・ジャンサかな?」
「はい、陛下。オーダーです、宮殿のすぐ外でオベリスクが起動したのです。現在マズケンが交戦中で……」
「だから何度も宮殿内のオベリスクを何とかするようシェオゴラスに言っておったのに……(。-`ω´-)」
 
 攻めてきたのはオーダー軍であった。
 そして常々俺自身が懸念していた通り、宮殿内のオベリスクからオーダーの騎士が沸いてきたと言うのだ。
 それにしてもそうだったな。まだジャガラグとの戦いが残っていた。
 そいつを始末しない限り、この戦慄の島に平穏は訪れないのだ。
 
「陛下? シェオゴラス様?」
「ぬ、シェオゴラスではない。これからはラムリーザ様と呼べ」
「はい、ラムリーザ様。恐らくこれが最後の戦いとなるでしょう。いよいよジャガラグが、終局を前に現れかねません」
「構わぬ、ここで奴を叩いておく。俺が指揮を取るから、ついてくるんだ」
 
 俺がシェオゴラスの力を引き継ぎ、ジャガラグも焦ってきたのだろう。
 玉座はもう空いていないので、最終決戦を仕掛けてきたみたいだな。
 こうなるとジャガラグの戦略的勝利は、俺の首を撥ねるしか無くなってしまったわけだ。
 
 そこで俺は、かつての友マーティンの記憶を頼りに、皆を鼓舞するのであった。
 
「戦慄の島の兵士達よ! 王国の存亡は今日この時、我々の肩に掛かっている!」
 
 俺は、衛兵一人一人を見やりながら、声高らかに宣言してやった。
 
「オーダー軍がフリンジへしたことを、ニュー・シェオスにもさせるのか? やつらに宮殿を焼かせるのか? 同胞が殺されるのを見過ごすのか? 俺がオベリスクを破壊するまで、宮殿を死守せよ! オベリスクからオーダー軍がいくら沸こうとも、倒さなければならない! 戦慄の島の兵士達よ! 我と戦うか?!」
「お側で戦うことができ、名誉の限りです。陛下! シェオゴラス様――いや、ラムリーザ様!」
「パスウォールのために、ヘイルのために、ハイクロスのために、スプリットのために、ディープワロウのために、フェルムーアのために」
「なんねソニア?」
「こんな感じだったでしょ?」
「ぬ……(。-`ω´-)」
 
 そうか、緑娘もあのブルーマ郊外での戦いに参加したのだったな。
 あの時は勝てたのだ。今度も勝てるさ。
 
「全軍、突撃せよ!」
 

 俺の号令と共に、オベリスクから飛び出してきたオーダーの騎士に突っ込んでいく衛兵たち。
 おそらく最後の戦いが始まった!!
 
「あなたは突撃しないのかしら?」
「俺はオベリスクを破壊する。君は衛兵たちを突破してきたオーダーの騎士を頼むぜ」
「わかったわ」
 

 オベリスクの傍から衛兵たちが離れた瞬間を見極めて、俺は俺の持ちうる最大の必殺技を叩きこんでやった。
 

 ニュークリア・ブラスト、核攻撃魔法。最大にして最高の破壊力を秘めた最終兵器だ。
 
「一匹オーダーが突っ込んできたから始末しといたわ」
「ありがとう、ふぅ」
「やっぱりその魔法は疲れるのね」
「まだまだだ、オベリスクはもう一つあるからな」
 

 宮殿の内部にあるオベリスクは二つ。
 南側のオベリスクは破壊したが、北側のオベリスクがまだ起動しているので、オーダー軍はまだ沸いてくる。
 

 それでも、形勢はだいぶんこちら側に有利になってきたか?
 デイドラ軍と違って、オーダー軍は一度に一匹ずつしか現れないので、確実に仕留めていくと騎士の供給が間に合わなくなるのだ。
 

 そして、もう一発ぶち込んでやる。
 これで最後だ、全てのオベリスクの起動を止め、最終的な勝利をもぎ取るのだ。
 

 長かった戦いよ、さらばってか?
 
「我々は今日、ここで偉大な偉大な勝利を収めた! オベリスクを二つとも破壊し、オーダーの騎士は全滅させたぞ! それもこれも、皆の働きのおかげだ。戦慄の島万歳! 俺万歳!」
 
 あの頃は、俺はクヴァッチの英雄と呼ばれていたっけ。
 そうだ、あの戦いの渦中に俺は居たのだ。マーティンと共に戦ったのは、素晴らしい一時であったな。
 あの時のジーク・マーティンの連呼を俺は忘れない。
 さあ、戦慄の島の戦士たちよ、ジーク・ラムリーザの連呼を開始するんだ。世界発言でな!
 
 しかし――
 
 
「常にこうして終局を迎えるのだ。秩序の支配によって!」
 
 

 謎の声が響いたとたん、衛兵たちが全員吹っ飛ばされてしまった。
 一体何が――?!
 
「もう一人のシェオゴラスの愚策など!」
 

「杖は貴様をデイドラにはせんのだ、定命の者め。着飾ろうと、貴様は狂神ではない」
「なんだ? ひょっとしてジャガラグか?」
「いかにも。このジャガラグの権能にひざまずけ!」
「断る。それに、いろいろとお前の発言に修正箇所がある。まず俺はデイドラにはならん。俺は、どこから来たのかわからん異邦人だ」
 

「ジャガラグの前に立つ定命の者だと? 愚かな!」
「そしてもう一つ、俺は狂神シェオゴラスではないし、なるつもりもない。俺の名前はラムリーザだ!」
 
 ――などと舌戦を繰り広げているが、実際に戦っているのは緑娘と犬のチロジャルだけだ。
 ダーク・セデューサーやゴールデン・セイントは吹き飛ばしたようだが、俺たちには影響がなかったようである。
 しかし、状況は劣勢だ。
 オベリスクを破壊すれば全て終わりだと考えた俺の間違い、二発のニュークリア・ブラストで、マジカ切れ、疲労困憊となってしまっている。
 

 ジャガラグと緑娘が戦っている。
 互角に戦っているように見えるが、実は緑娘が押されていた。
 このままでは……
 また俺は緑娘を失うことになるというのか?!
 
「そうはさせんぞジャガラグよ。戦慄の島よりも大事なものが俺にはある!」
 

「ソニア! 上だ!」
「無理しなくていいのよ! あなたに立ち塞がる障壁は、あたしが取り除く!」
「それはこっちの台詞だ! 俺は二度とお前を失わない!」
 

 ジャガラグの隙をついて、二人で飛び掛かってやった。
 チロジャル? 足元で暴れているみたいだねー。
 

「どうだジャガラグ! これが今、不器用な俺たちが見せられる、最高の一撃だーっ!」
 
 二人はジャガラグの上で交差し、勢いをつけて回り込む。
 事前の打ち合わせも何もない。
 お互いを思うだけで、身体が勝手に動くのだ。
 

「長かった戦いよ、さらば!!」
「もういい! 私の負けだ! グレイマーチは終わったのだ」
 
 渾身の一撃、二人で挟みこむように蹴りを放つと、ジャガラグは流石に参ったようだ。
 その姿は一筋の光となり、やがて消え去った。
 

「やったのか?」
「やったわ、勝ったのよあたしたち」
「最後まで気を抜くなよ。デイゴンとの戦いの時の轍を踏むなよ?」
「大丈夫、もう油断はしないわ」
 
 その時、空に光が集まり始めた。
 

 やがてそれは、先ほど戦ったジャガラグのような顔へと変貌していった。
 まだ戦いが続くというのか?
 
「数千年もの間、この筋書きは繰り返された。その度にこの地を征服したが、結局はあの道化師のシェオゴラスに戻るばかりであった――」
 
 ジャガラグか?
 奴は襲い掛かってくる様子は見せずに、静かに語りだしたのであった。
 
 
 続く――
 
 
 
 
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