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九大神の騎士編最終話 ~ナイツ・オブ・ザ・ナイン~

 
「聖騎士よ……、目を覚ませ……、立ちて光を見よ」
 

 気がつくと俺は、九大神修道院の地下二階に佇んでいた。
 ウマリルとの戦い、あれは夢だったのか――?
 
「そなたは聖なる使命を全うした。そなたは騎士団を再興した。ナインの敵を打ち倒した。来るべき暗黒の時代において、騎士団はナインの剣と盾になるだろう」
 
 アミエル卿が俺に語りかけてくる。
 どうやらウマリルとの戦いは夢ではなく、俺は奴を撃ち滅ぼしたことになっているようだ。
 
「そなたは我々の恩人だ。そなたは我々が全うできなかった使命を成し遂げた。そなたとそなたの騎士たちは、目的に忠実であった」
 
 そなたそなたとやたら連呼している気がする。
 騎士団のソナタというタイトルで、俺の活劇をドラマ化してやろうかな?
 ん、関係ない茶々は入れずに、アミエル卿の話を最後まで聞いてやろう。
 
「いかなる時も、そなたの剣がナインに仕え続けんことを、聖騎士よ。さらばだ」
 
 悪いな、剣では俺はナインに仕えることは無いだろう。文字通り、仕え続けん。
 俺は魔導師だ、魔力でナインに仕えてやろう。
 

 そして一人を除いて、古の騎士たちは光と共に消え去った。あーめん。
 今後騎士たちの墓に語りかけることで、それぞれに対応したナインの祝福を授かれるらしい。
 

「あなたは消えないのですか?」
「私はベリック・ヴリンドレル。君は憎悪に捕らわれていた私の魂を救ってくれたのだよ。この恩は永遠に忘れない」
 
 ベリック卿、聖剣を呪いの剣に変えてしまったあの幽霊だ。
 俺の活躍で、ダークサイドから戻ってきたのか。ナインの帰還だね。
 ベリック卿は、聖剣に纏わる過去の話をいろいろと語ってきたが、そんな昔の話はもうよい。
 こうして善の心が戻ってきたのだから、それでよいではないか。
 
 そしてベリック卿の霊も消え、周囲は何事も無かったの様な静寂に包まれた。
 思い残す事が無くなったのはよいことです。
 後は俺達に任せて、安らかに眠るがよい。
 
 

 地下二階を出たところで、そこに居たセドレット卿と遭遇。
 
「聖騎士よ! これは一体?! あなたが、あなたが生きているなんて奇跡だ!」
「あんまり騒ぐな。俺は不死身だ、たぶん……」
 
 セドレット卿はなにやら修道院の地下墓所で声が聞こえたので、調べに来たところらしい。
 彼の話では、どうやら俺はガーラス・マラタールから突然姿を消したようだ。
 そして戦いが終わった後に皆で遺跡の隅々まで探した結果、ウマリルの死体の傍に俺を見つけたらしい。死体として……
 その後俺は、ここの地下墓所に埋葬されたらしい。
 そんなことになっていたのか……(。-`ω´-)
 
「死すら聖騎士を止めることはできないのだ」
 
 だから俺は、このようにこじつけるのが精一杯だった。
 
「見ればわかります! しかし、ウマリルにいったい何が起こったのです? あなたは奴を精神の領域まで追い詰めたのですよね? あの予言者の言ってたとおり」
「むろんだ。タロスの祝福により地獄の果てまで追い詰め、奴の魂もニュークリア・ブラストでこんがりパロマ亭なのだ」
「ならば奴は完全に滅びたのですね! 我々の勝利だ、そしてあなたは生還した! 皆に知らせなければ!」
 
 セドレット卿は、すごく興奮した様子で駆け去っていった。
 
 そっか、俺は死んでいたのか。
 精神の領域に入るということは、俺も同じ状態になるわけだから、つまりそういうことか。
 タロスの祝福、実はヤバい魔法だった……(。-`ω´-)

 そしてセドレット卿が駆け去った修道院の地下には、鍛冶屋が一人取り残されてた。


「ん? 鍛冶屋は行かないのか?」
「私は一介の鍛冶屋です。騎士団のことは影で支えますよ」
「そうか、それもよかろう」
「それよりも聖騎士殿!」
「なんぞ?」
 

 またこれか……(。-`ω´-)
 最後の最後でやってくれるぜ、まったく。
 俺はおそらく終身名誉グランドチャンピオンとして君臨し、死んだ後は永世名誉グランドチャンピオンと称されるのだろうな。
 
 もうあきらめてこの話を受け入れよう――。
 
 俺は懐かしさを感じながら苦笑いを浮かべ、修道院から外に出た。
 九大神修道院の庭へ向かうと、そこには戦いに勝利した騎士団が集まっていた。
 

 そして俺の登場を待ってたかのように、セドレット卿の演説が始まった。
 
「ナイツ・オブ・ザ・ナインよ、聞いてくれ! 今日、我々が仕える神々の力と権能の証人となった! 恐るべきウマリルとの戦いに倒れながらも、ナインのお力と慈悲により聖騎士が蘇ったのだ! ナインに感謝を捧げよう! 神々のお力により、騎士団はこの世からウマリルを完全に消し去った!」
 
 そう、羽根を失いしウマリルは聖騎士によって倒されたのだ。
 肉体だけでなく、魂も完全に消滅した。二度と再起してくることは無いだろう。
 そして一同は、両手の拳を天高く掲げた!
 

 九大神の聖騎士に万歳!
 九大神の聖騎士に万歳!
 九大神の聖騎士に万歳!
 
 騎士団によるシュプレヒコールは、皆の気が済むまで天高く鳴り響いたのであった。
 
 
 ………
 ……
 …
 
 
「終わったな――」
「終わりましたね」
「巡礼の旅をやり始めた頃は、こんなことやってて意味あるのか? と思っていたけど、終わってみたらあっさりとしたものだったな」
「でもなんだか清々しい気分です。暗く沈んでいた過去が嘘のような――」
「都合の悪いことは忘れよう。それよりもだ、これからもよろしくな」
「はいっ、ラムリーザ殿」
 
 お互いに向き合い、ビシッと敬礼する。
 ラムリーザとマシウの戦いは、今終わった。
 

「聖騎士マシウに敬礼!」
「聖騎士ラムリーザ殿に敬礼!」
 
 こうして、ウマリルの野望は聖騎士によって打ち砕かれ、シロディールにもようやく平和が訪れたのである。
 
 帝国に住む一部の臣民の中には、グレイ・フォックスの正体はラムリーザでは? シロディールの英雄らしき人物を闇の一党に見た。
 ――などと噂する者も居た。
 
 しかし、九大神の聖騎士についての噂が広まるに連れて、あの聖騎士殿がグレイ・フォックスなわけが無い。闇の一党であるはずがない。シロディールの英雄は、真の英雄だった。
 ――などという意見で一致するに至った。
 
 悪名らしき噂は完全に消え去り、シロディールの英雄の名声は、一段と高まったのであった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 終わったよ――
 たぶんシロディールでの最後の務めも。そして古の騎士たちじゃないが、思い残すことは無くなった。
 これで心置きなく、この国を去れるってか?
 魔術師ギルドはリリィさんに託して、戦士ギルドはオレインさんに事情を話して後を任せればよい。

  
 しかしその時――


 その時俺は気がついた。
 波打ち際の向こうから駆けてくる緑娘の姿に――!


 まさか……
 俺の身に起きた九大神の奇跡が、再び起きたのか?!
 もう一度俺に、彼女との日々を与えてくれると言うのか?!


 …………
 

 まぁそっか、そうだよな……




 ラムリーザよ、どこへいく……?
 
  
 
 
 

第五章後編 九大神の騎士 ナイツ・オブ・ザ・ナイン ~完~

 
 
 
 

←To Be Continued 終章 シヴァリング・アイルズ――

 
 
 
 
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