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羽根を失いしウマリル ~最終決戦~

 
 ガーラス・マラタール――
 

 ウマリルが潜むという、アイレイド帝国の最西端前哨地。
 九大神の騎士団は、一人、また一人と終結し、最終決戦に備えていた。
 
「それで、作戦は?」
「全軍を持って遺跡の奥へと侵攻する! それだけでウマリルの心胆を寒からしめることができましょう!」
 
 念のために、セドレット卿に尋ねてみたが、なんともまぁ抽象的な曖昧な作戦で。
 騎士団全軍って何人ぐらいだったっけ?
 大軍ならともかく、10人ぐらいではなかったか?
 だから続けて尋ねてみる。ただし、条件をつけて。
 
「侵攻する、それだけか? 作戦内容を、柔軟性と臨機応変の二つの単語を使わずに、具体的に述べよ」
「高度の柔軟――、ぬおっ?」
 
 アホだな。
 だから俺は、セドレット卿に代わって、彼の作戦を声高らかに宣言してやった。
 

「突撃! 行き当たりばったり作戦開始!」
 
 作戦を考えるだけ無駄だ。
 例えばブルーマのバード隊長。
 オブリビオンゲート攻略戦で、道中のドレモラは無視して一気にシジルストーンまで駆け抜けるという作戦を立てても、いちいち雑魚に突っかかっていく。
 こいつらも同じだろう。
 狙うはウマリルの首ただ一つ! などと明確な作戦指示を出したとしても、道中の雑魚に群がる姿が目に見えるわぁ!
 
 

 予想通り、遺跡内では乱戦開始。
 騎士たちは、我々が驚くと思ったのか! などと叫びながら、一体のオーロランに一斉に群がっていく。
 射手の騎士も居るが、あの乱戦だ。誤爆必至。
 俺も魔法を放てず、見ているだけ。別に味方ごと吹き飛ばしてもよいのなら、ここからファイアーボールをぶち込むが、どうだろうか?
 
 だから俺は乱戦には参加せず、一人で遺跡の奥を目指すことにした。
 そんなにオーロランを退治して功を誇りたいならそうするがよい。
 それならそれで、俺もウマリルとの戦いに集中できるものだ。
 
 乱戦を無視して通路を奥に進むと、広間に差し掛かった。
 その中央は高台になっていて、その上に青黒く輝く球体が掲げられていた。
 
「九大神の騎士たちよ、続け!」
 
 ちっ、もう追いついてきたか。
 

 結局ここも乱戦になってしまった。
 
「騎士殿がオーブを破壊する間、我々が時間を稼がなくては!」
 
 ――だとさ。
 まあいいか、戦いは任せて俺はあの球体の調査に専念しよう。
 俺は戦いを尻目に、高台の裏側へと回ってみた。
 

 奥の壁が何だか波打っているのが気になる。
 結界か何かが張り巡らされているみたいだね。
 

 高台へ向かう階段の途中でオーロランが襲い掛かってきたが、一対一なら負けることはありえない。
 俺の行動を封じるなら、乱戦に持ち込んで敵味方を入り乱れさせればよいのだ。
 そうなると、俺は攻撃が出来なくなる。味方ごと吹き飛ばしてもよいのなら、攻撃するけどね。
 ただし、乱戦状態では戦闘が終わることはない。必ずどちらかが全滅するまで続くはずだ。
 味方が生き残ればよし、それで俺達の勝負だ。敵が残れば、改めて俺が殲滅するだけの話だ。
 どっちに転んでも敵の勝利はありえないのである。
 

 というわけで、青黒く輝く球体。
 高台の下では、騎士団とオーロランがまだわーわーやっている。死ぬまでやってろ。
 そしてどうやらこのオーブを破壊すればよいみたいだ。
 理由はわからんが、騎士団の連中が「オーブを破壊する間」などと言っていた。
 

 気合一閃、オーブを破壊した!
 これでいいのかな?
 
 などと思いながら高台から見下ろすと――
 

 騎士団の姿は消えてしまっていた。
 先程までの喧騒も聞こえない。まるで時間が止まったかのように、周囲は静寂に包まれていた。
 
 そして、この広間に入って来た側が波打つもやで覆われていて、逆に先程もやのあった反対側から、それは消えていた。
 俺一人で奥へ進めということか。都合がいいな。
 
 こうして俺は乱戦から解放されて、一人遺跡の奥へと進むのであった。
 

 オーロランが複数出てきても関係ない。
 範囲魔法でなぎ倒すだけである。
 
 

 そして俺は、遺跡の最深部。玉座の間へと辿りついた。
 高台の奥に玉座があり、誰かがそこから降りてくる。
 

「畏れ多くも、ウマリルの禁断の間を侵す者は誰ぞ?」
「誰だと思うか? 当ててみろ」
「ふむ、当ててやろうか? スイートロールかな?」
「ご明察、感服いたしましたぞ」
 
 なんだかよくわからんが、話を合わせてやる。
 

 こうしてウマリルと、スイートロールの最終決戦が始まった!
 
 ウマリルよ、話を合わせてやったからには責任を取れよ。
 もしも俺に負けたら、お前はスイートロールに負けたものとして後世に汚名を残すのだ。
 

「食らえ! スイートロールビーム!」
「こしゃくな、スイートロールの分際で。我が力を味わえ!」
 

「ウマリルよ、どうする? お前の相手は世界一強いスイートロールだぞ!」
「ペリナルは逝った。次は汝の番だ!」
 

「そう思い通りにいくかな?」
 
 俺はウマリルの攻撃をかわすと、高台へと飛び乗った。
 

 そしてすかさず、渾身の一撃を放つ。
 ファイアーボールちゃうで。
 


 
 ここぞという時にしか使わない、究極奥義その一、ボルケーノ!
 
 この一撃で、ウマリルの肉体は破壊できた。
 しかし予言者の話が真実であれば、タロスの祝福を使う必要がある。
 そうすることで、ウマリルの精神体まで滅ぼす場所へと追い詰める事ができるのだ。
 

 俺は、ウマリルが完全に動かなくなったのを確認してから、遺体の前でタロスの祝福を使った。
 

 すると辺りは光に包まれて――
 
 

 気がつくと、空高く舞い上がっていた。
 ここは巡礼の旅が終わった後で、ペリナルと会ったところだろうか?
 ということは、精神世界か?!
 ウマリルの精神体が、俺目掛けて突進してくる。第二ラウンド開始だ!
 

 俺は短期決戦を狙った。これを食らうがよい、究極奥義その二だ!
 
 ウマリル目掛けて、高圧縮したエネルギーを放つ。
 


 単体相手にニュークリア・ブラストを放つのは初めてだったが、この一撃でウマリルは完全にとどめを刺されたのであった。
 爆発の凄まじい光と、もうもうと立ち込める煙が消え去った時、ウマリルは灰と化していた。
 

 そして、どこまでも落ちてゆく――
 
 
 
 
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©発行年-2020 らむのゲーム日記