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館の主と夫人 ~ホーンテッドハウス~

 
 クヴァッチの地下牢から伸びていた地下洞窟、そこは落盤によって潰れた地下街のような場所だった。
 瓦礫をかきわけ、地底湖に投げ出され、それでもくじけずに奥へと進んだ所、赤黒く輝く大きな家に辿りついた。
 他の家屋は全て破壊されていたのに、その家だけは無傷。
 地底に埋もれてしまった地下街の謎を解く鍵が、この家にあるような気がした俺は、早速このお化け屋敷のような家へ突入した。
 

 そこは、まるでついさっきまで人が住んでいたような場所だった。
 食卓には、ロウソクの日が揺らめいている。
 家というよりはちょっとした館というべきか、薄暗くなければ割りと立派な建物に見えるのだ。
 
「ちょっと、入り口のドアが動かないわ」
「なんだと? 閉じ込められたのか?」
 
 ひょっとしてこれは罠だったのか?
 俺達は、招かれざる客なのか? 
 

 玄関はダメなので、裏口へと向かってみる。
 するとそこには、ぼんやりと白く輝く扉があったのだ。
 
「ここから出られるかもな」
 

「 デ レ   ナイ……」
「ビデオレンタルナイスかしら?」
「違う」
 
 どうやら、本気で閉じ込められたらしい。
 こういった場合、よくあることは窓ガラスをぶち破って脱出する方法がある。しかしこの館には、窓というものが見当たらないのだ。
 改めて家の中を見渡してみると、通路の隅に階段があり、上の階へと道が続いている。
 他に見当たるものは無いので、二階へと向かってみることにした。
 

 二階にあったのは、「無人の館:主人の寝室」だった。
 なぜ部屋の名前がわかるのかは謎だ。ダケイルさんの影響で、占い技術が身に付いたということにしておこう。
 しかしそこには棺のようなものが並べられていて、その前には串刺しになった頭蓋骨。
 吸血鬼か? ゴブリンか?
 

 悪魔だった……(。-`ω´-)
 
 館の主人は一見人間に見えるが、額から伸びた角が人外であることを示していた。
 デイドラではないっぽいが、こいつはいったい何者? やっぱり悪魔か?
 
 少し触れてみたりしたが、主人はピクリとも動かない。
 
「魂か何かを抜き取られたようだな」
「心臓とかかしら?」
「何かそういったキーアイテムがあるはずだ」
「それを集めてどうするの? この悪魔が蘇るのかもしれないわ」
「でも何か行動を起こさなければ、この館から抜け出せない」
「それもそうね……」
 

 ベッドの脇には、こんなモニュメントらしきものが。
 悪趣味だなー、やっぱこいつは悪魔か吸血鬼だ。
 
 二階にあったのは、主人の部屋だけ。
 そして、さらに三階へと続く階段があるのだった。
 

 三階の部屋は、やたらと明るい部屋。
 そして先ほどと同じように、館の婦人は魂が抜けたかのように、微動だにしない。
 こっちの婦人の方は、角も生えていないし普通の人に見えるのだけどね。
 
 この部屋からは、テラスに出られる扉があったりした。
 他に進めそうな場所は無いので、素直に外へと出てみる。
 

「うおっ、これは緑光」
「あっ、また緑娘って言った!」
「言ってない」
 
 狭いテラスには細長い台座があり、その上で何かが燃えていた。
 そしてその炎は、緑色の光を発しているのだ。銅が燃えているのか?
 

 よく見ると、それは心臓であった。
 気味が悪いが、この心臓には何か意味があるはずだ。
 例えば館の主人や婦人が動かないのは、魂ではなく心臓を抜き取られているからだ、とか。
 いや、心臓抜き取られたら普通死ぬけどね。
 邪神カーリーを祭祀しているサギー教の司祭であるモラ・ラムに心臓を抜き取られても、生贄はそのまま生きているらしいが、あれは例外。
 
「それで、この心臓をどうするのかしら?」
「主人の元にもどしてやろうと思う」
「気味悪いわね」
 

 とりあえず館の主人に心臓を戻してみたが、特に何かが起きるわけではない。
 だろうな、普通もう死んでいるはずだから。
 ただ、肉体の一部を奪われたために成仏できないのであれば、こうすることで救われるはずだ。
 ひょっとしてこの館は、成仏できない主人と婦人が助けを求めて、入ってきた人を閉じ込めてしまうのかもしれない。
 
 ということは、どこかに婦人の心臓があるはずだ。
 

 そしてそれは、主人の寝室の正面にあった部屋に隠されていた。
 何故か部屋の中に木が生えていて、一見入れないように見えるが、うまく脇をすり抜けると奥へ行けるのだ。
 そして心臓はその奥、柵の向こうに置かれていた。
 
 同じように、館の婦人にも心臓を戻してやる。しかし主人同様、婦人も蘇るなどということはなかった。
 やはり殺された後に、心臓を抜き取られて別の場所に隠されてしまったのだろうか。
 しかしいったい誰がこんなことをしたのだ?
 
 その時、階下から何か不思議な物音がしたのだ。
 調べてみたら、一階にあった輝く扉の封印が解けて、外に出られるようになっていたのである。
 
 

 館の裏口から出た場所は、円形の狭い空間だった。
 中央に穴が空いている以外、どこにも行けそうにない。
 
「どうもこの地下は、後戻りができないようになっているみたいだね」
「何落ち着いてんのよ、地上に戻れなくなったらどうすんの?」
「そうだな、地底世界を作って、ヨマ族とでも名乗って生きていくか」
「ドマ族を名乗りなさいよ」
「いや、そんな主人公に勝つなんて100年早いような奴らは却下」
「何それ意味わかんない」
 
 先に進むには穴の中に飛び込むしかないが、下の階層では何やら霊体がうろうろしている。
 敵か味方か? ただの幽霊か?
 迷っていても仕方が無い、進むしか無いので意を決して穴に飛び込む。
 

 ん、敵でした。
 エルフ装備で身を固めた幽霊が、襲い掛かってきたけど、あっさりと返り討ち。
 幽霊ごときに遅れを取るようでは、アークメイジの面汚しだ。
 ジ=スカールは魔術師大学四天王の中でも最弱――いや、なんでもなかとですばい(。-`ω´-)
 

 しかしこれまではただの幽霊が襲い掛かってくるだけだった。
 こいつは何かを守護していたに違いない。
 
「ちょっとあなた、後ろに遺跡の入り口があるわよ」
「ぬ、デイドラではなくて、ここはアイレイドの遺跡系であったか」
 
 振り返ると、そこには見慣れた入り口が青白く輝いていた。
 どうやらスターク島の時と同じように、クヴァッチの地下深くにも、アイレイドの遺跡が隠されていたようだ。
 アイレイドの地底都市、これで三度目だな。東部連峰、スターク島、そしてここ。
 

「開きません」
「鍵か呪文が必要なのじゃないかしら?」
「開け~、ごま!」
「なんで閉ざされた入り口に直面すると、人はたいていその呪文を唱えるのかしらね」
「開け~、ごましお! どうだ変化をつけてやったぞ」
「塩をつけただけじゃないのよ、つまんないわね」
「しょっぱい呪文ですいません!」
 
 結局館での出来事は、説明のできないよくわからないものであった。
 悪魔のような主人の正体は何か?
 なぜ心臓を抜き取られて放置されていたのか?
 そして入り口の閉ざされたアイレイドの遺跡とは何か?
 

 ふと脇にある石のテーブルを見ると、そこには鍵と日誌が置いてあった。
 鍵を遺跡の入り口で使おうかと思ったが、この扉は石でできたもの、普通の鍵が使えるわけも無く開かなかったりするのだ。
 仕方が無いので日誌を読んで見ると、まだ先代ゴールドワイン伯爵の時代の事が書かれていた。
 なにやら伯爵に許可を貰ってアイレイドの遺跡を調査していたらしい。
 そしてこの入り口を開くための石版を発見したらしいが、それを翻訳する為にジェラール山脈にある砦に戻ったそうな。
 
 クヴァッチ地下の探索はまだまだ続きそうだ。
 
「それで、ここからどうやって出るのかしら?」
「ん~、あそこしかないかな?」
 

 俺が目をつけたのは、地上にも地下にも通じている井戸だった。
 これを上に進めば、地上に出られるはずである。
 そこで手と足を突っ張って、上に向かっていった。
 

 井戸から出た場所は、クヴァッチの町外れだった。
 
「やれやれ、遺跡の謎を明かすためには、遠出が必要なようだね」
「砦を探しに行くの?」
「その前に、マーティンに会っておこうと思う。だから予定通り、君はここの闘技場でチャンピオンを目指すんだ」
「わかったわ」
 

 それでは健闘を祈る!
 
 というわけで、砦を探す前にマーティンに会うためにクラウドルーラー神殿へと向かったのであった。
 
 
 
 
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