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奇妙なノイズ 前編 ~ノイズの原因~

 
「鉱夫の一人が俺に頼んだんだ、あんたにこれを渡してくれってよ!」
「なんや急にーっ!」
 

 モリハザとジャンの問題を解決して、スタークの家を出たところで急に現れたのは酔いどれトム。
 俺に手紙を手渡してきたのだった。また落盤事故か?
 
「それはそうと、あんたのこと見覚えがある気がしたんだが、ようやく思い出したよ!」
「その先言わんでええ!」
 

 
 
 …………(。-`ω´-)
 

「俺もう嫌だ、闘技場引退する。君が闘技場に参加して、チャンピオンまで登り詰めて俺に挑戦してくれ」
「なによ急に、みんなに褒め称えられていいじゃないのよ」
「何をためらう? 私を殺せ!」
「何言ってんのよ」
「汚らわしい悪魔である私が生きていてはならないのだ! 殺してくれ!」
 
 ぬ、グレイ・プリンスが乗り移った。
 褒め称えられると言うがな、みんな右へ倣えで同じ言葉を投げかけて来るんだよ。それが怖くなってきたんだよ!
 ひょっとしてグレイ・プリンスとのあの試合、シロディール中の人が観客席に集まっていたんじゃないだろうな?! なんかそんな気がしてきた……
 
 
 さて、気を改めてトムが持ってきた手紙を見てみる。
 ウィンストンからの「俺達を助けてくれ」とのタイトルの手紙だが、中身は文字化け?
 
 ――どうか人のいないところで読んで貰いたい。あなたは俺が外部で信頼できる唯一の人だ。ポーレは俺達の心配には注意を払わず、俺達のことを妄想を持った田舎者で済ませてしまう。俺達は全員、新たに掘られたトンネルから奇妙極まりないノイズが来るのを聞いた。それは、この世のものとは思われない。ジークの霊が死後の世界を見つけた今、俺達はその音があいつのものではないことが解っている。頼む、できるだけ早く俺を探しに来てくれ。このことはポーレには話すな。俺達が部外者の助けを求めたことを奴が知ったら、今までになく激しく俺達を罰するだろうから。
 
 翻訳すると、こんなところだ。
 奇妙極まりないノイズというのが謎だが、霊現象ではよくあるパターン。
 世の中には鉱山を掘っていたら、地獄の帝王を掘り当ててしまったという例もあるから、これはちょっと確認しておかなければならないね。
 今回も、新たに発掘したトンネルから聞こえてくるというのだから、何か悪いものを掘り出してしまった可能性もある。
 せっかくの金鉱を、変な物に潰されるのだけは避けなければ。
 
 

「今度は何が起きとりますかね?」
「発掘中、最初は低いシャフトから微かな音が聞こえたんだ。でも深い部分に新しいトンネルができてから、奇妙なノイズが激しくなってきて」
「ノイズって、具体的にどんな?」
「形容しがたいな、『あ゛~、う゛~』とでも言っておこうか」
「確かに気味が悪いな」
 
 そこでウィンストンは、そこに通じる扉の鍵を手渡してきた。
 ノイズが酷くなってから、鍵をかけて締めてしまい、誰もその先へは行きたがらないというのだ。
 それに鉱山の管理人ポーレは、鉱夫の妄想で済ませて無視しているらしい。この管理人をなんとかしたら、この金鉱は俺の物にならんか?
 そんなことを考えながら、鉱山の奥へと進んでいった。
 

 前回ジークの霊を救うために来たことのある三叉路。
 ここから右へ向かえば、落盤事故現場だった。
 正面の通路は普通の横穴で、鉱夫の一人が奥へと向かっている。
 左側は少し下り坂になっていて、底にはガスが溜まっているのか青白く霞んでいた。
 ここは鉱夫についていくのが無難だね。何のガスかわからんし。
 

 正面の通路に入った途端、突然落盤が発生してそこは埋まってしまった。
 
「あっぶなー。落盤がもう少し早かったら鉱夫はぺちゃんこ、遅ければ俺が潰されていた」
「鉱山は危ないから帰りましょうよ」
「奇妙な音の原因を取り除いたらそうするか。あと、洞窟の補強をもっとやれと言っておこうか」
 

 仕方が無いので、左の下り坂を進んでいく。
 底にはガスが溜まっているようだが、膝ぐらいの高さまでしか漂っていないので立っていたら問題ない。
 一度転んでしまったら窒息死するだけかな? やだなーそれは。
 
 ガスのようなものが溜まった場所は窪みのような地形になっていて、奥へ進むと今度は上り坂になっていた。
 

 扉の前では、先ほど落盤事故をギリギリで回避できた鉱夫が、何事も無かったかのようにつるはしを振るっていた。
 
「さっき天井が崩れたのに、よく平常心で居られますね」
「あんなの日常茶飯事だからな、落盤のタイミングとか慣れてきたら分かるものさ。俺もさっきは崩れるまでに通れると判断して通ったんだ」
「閉じ込められたらどうするのですか?」
「そんなところには行かない。ここからだと別ルートで帰れるから来た」
「す、すごいですねー」
 
 それもこれも金塊の魅力かな。
 それとも経営者に脅されているのかな?
 
「ところで奇妙なノイズは知っていますか?」
「この扉の先から聞こえてくるぞ。俺は行かないけどな」
 
 というわけで、とりあえず鉱夫は置いといて、奥へと進むことにした。
 

 扉の先は、下り坂となっている。しかしその先は暗くなっていて、どうなっているのかよく分からない。
 そして確かに、「あ゛~」だの、「ま゛~」だの、奇妙なノイズ――、というよりはうめき声が聞こえてくる。
 このうめき声、初めて聞くものじゃないのだけどな……
 
 とりあえず、松明に火を灯して――
 

「やっぱりゾンビだったか……」
「気味悪いわね、さっさと退治しちゃいましょうよ」
「まぁ待て」
 

 落ち着いて対処すれば、ゾンビごとき大した相手ではない。
 ついでに、ゾンビの魂も頂いておく。闘技場にゾンビが出てきても不都合無いし、敵として十分だろう。少なくともネズミやカニよりは……
 
 ゾンビを退治すると、先ほどまで聞こえていたノイズはぱったりと止んだのだ。
 やはりノイズとは、ゾンビのうめき声だったんだね。
 
「しかしゾンビが居るとなると、この先に死霊術師が住み着いている可能性があるな」
「とりあえずノイズの原因は解消したのだから、戻りましょうよ」
「ん、そうするか」
 
 とりあえず今回の任務は、ノイズ問題の解決だ。
 何故ゾンビが発生したのかという根本が残ってしまうが、一旦引き返してウィンストンにどうするか尋ねよう。
 原因まで探ってくれと頼まれたら、その時考えたらいい。
 
 

「というわけで、ノイズの原因はゾンビのうめき声でしたよ」
「何故だ? アンデッドが何故鉱山のシャフトに現れるんだ?」
「知らんよ。俺の経験から言うと、死霊術師が住み着いていると思うのだけどね」
「そうだ、新たに発掘したトンネルの先に古代の扉があったんだ。きっとそこがゾンビの出所になっているに違いない」
「あー、アイレイド系か。そういったゾンビも居たね」
 
 そこでウィンストンは、ノイズ問題が解決したことをログクロスに報告して欲しいと言ってきた。ログクロスとは、現場監督をやっているオークだね。
 ログクロスは鉱夫と経営者の争いに関して鉱夫側に好意的で、鉱夫は経営者のポーレよりもログクロスに任せたいというのだ。
 
 
 ここで俺は、一つの野心を抱いた。
 緑娘のそそのかす帝位簒奪とかは恐れ多くてやるつもりは無いが、民間の利益争いならちょっとぐらい顔を突っ込んでも商売敵以外に悪い顔はされないだろう。
 このまま鉱夫達の手助けをして、好意や信頼を勝ち取った時、俺が経営者のポーレとやらを追い出したらどうなるだろうか?
 すると、この立派な金鉱山を、まるまる手に入れられるってことにはならないだろうか?
 
 リリィさんも金塊を狙っているし、相談でもして金鉱山奪取作戦でも引き起こしてみようかなぁ――
 
 
 続く――
 
 
 
 
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©発行年-2020 らむのゲーム日記