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見捨てられた鉱夫 前編 ~ジークの霊~

 
 間抜けの島かと思われていたスタークは、実は人の名前であった。
 この島でもいろいろと問題が起きているらしく、ちょっと砦と礼拝堂を回り、島の東部へ行っているだけで少なくとも4つの問題が浮かび上がった。
 そこで今回人助けすることに決めたのは、スターク金鉱での問題。
 

 島の東部にある、ポーレ金鉱。
 金鉱傍で飲んだくれていたトムから、ここで働いているウィンストンという鉱夫は、最近ではもう悲嘆に暮れているという情報が入った。
 他人が心配するぐらいの悲嘆っていったい何なのだ? 世の中はそんなに悲しみで溢れているのか?
 そして何よりも興味を引くのが、やはりここが金鉱だということだろう。金だぞ金、百歳だぞ、銀も。意味わからんしネタとしても古いね。
 

 入ってすぐの場所は大きな広間になっていて、所々で鉱夫がつるはしを振るっている。
 

 先輩族の鉱夫も発見した。
 
 鉱夫の話では、鉱山での仕事はきついが、他に知らないのでこれしか仕事が無いなどと言っている。
 また、オークの戦士が鉱夫を監督していたりして、俺に向かって「こらっ、さぼるなっ」などと言ってくるのだ。
 

 しょうがないなぁ……
 この鉱山、いたるところから金鉱脈が顔を覗かせている。
 島全体が金鉱になっているといった、リリィさんの情報は正しかったようだね。
 
「それで、あなたも鉱夫になるのかしら?」
「金だぞ金! 掘れば掘るだけ出てくる金、ここはなるしかないだろ?」
「悲嘆に暮れている人はどうするの?」
「ああ、そういった話もあったな」
 
 こんなに金に囲まれて、何を悲しむ必要があるのだろうか。
 こんなにあからさまに金がある場所、オブリビオンの動乱なんか放置して金を集めたいね。
 仕方が無い、ウィンストンを探すか。
 広間で働いていた鉱夫は、先輩族のム=ヒーコ、レッドガードのマークス、あとはバードとブロディ、監督のログクロズだった。
 

「あなたがウィンストンさんですか?」
「そう、俺がウィンストン。生活は地獄だな」
「こんなに金があるのに?」
「やれやれ、君は何も知らないのだな。わかったよ、教えてやろう」
 
 ウィンストンは、ため息をひとつつき語りだした。
 ちょうど一月ほど前、彼らは鉱山の中にあった天然の洞窟の壁を通り抜ける試みをしていた。
 困難な仕事だったが、ジークと呼ばれている『トカゲ』が、それをやり遂げるべきだと決めてしまったのた。
 そして洞窟に入ったわけだが、そこでジークに何かが起きたという。しかし彼は、何が起きたかということは語りたがらなかった。
 ただ、ジークが適当な埋葬をされたことが分かれば、彼の気分も晴れるだろうと言っている。
 しかし洞窟にはもう行きたくないので、代わりに行ってきてくれというのだ。
 
 つまり洞窟で何かが起こり、ジークは亡くなってしまったということだな。
 そして何が事情があって、亡骸がそのままになってしまっているので、何とかして欲しいということだ。
 
「わかったよ、見てきてあげよう」
「よろしく頼む。でも俺にはあんたに与えられるような報酬はもっていないんだぞ」
「取れた金を少し分けてくれたらそれでいいよ」
「それなら大丈夫だ。幸運を祈る、えっと――」
「アークメイジのラムリーザだ」
「ジーク、ラムリーザをよろしくね」
「なんか逆だ……(。-`ω´-)」
 
 そこでウィンストンから鉱山の鍵を受け取った。落盤した場所は、鍵をかけて封印しているらしい。
 ちなみに、ジークはジークフリードなどという俗っぽい名前ではない。
 ジークハズ=アイ。トカゲと呼ばれているのは、アルゴニアンということなのだろう。
 間違えるなよ、ジーク・ハズアイではない。ジオンとか関係ないのだ。
 
 というわけで、大空洞に戻り、そこにあった脇道から、鉱山の奥へと向かうのであった。
 

「見ろ! ここは金でいっぱいだ!」
 
 奥にも金はたくさんあるのだ。
 ここは、ブローバック発掘社の近くにあった金鉱よりも、埋蔵量は確実に多いね。
 
「金塊は奇麗だけど、原石はいまいちだわ」
「これを集めて精製するんだよ」
「その仕事はつまんない。あたしは完成したのだけもらうわ」
 

 さて分かれ道だ。
 ウィンストンは、ジークが居たのは落盤した右半分だと言っていた。だから、右へと向かってみる。
 そこには――
 

「おおっ、肉とチーズ!」
「あなたはジェリーだからチーズが好きなのね」
「あれは酔いどれトムに対する偽名だ」
「それで、ここのどこが落盤しているのかしら?」
 
 う~ん、よくわからなくなってきた。
 通路を右に向かっても、そこは食料と金鉱脈があるだけ。
 落盤した右半分とは、ここではないみたいだね。
 来た道を戻って、ここは左へと進むことにする。
 

 分かれ道に差し掛かるたびに右に進んでみたのだが、次の分かれ道の先にあったのは井戸だった。
 鉱山の中にここにだけ井戸があるのも不思議なことだ。
 

 さらに奥へと進むと、三叉路に辿りついた。右側の道は扉で塞がれている。
 そういえば、落盤した場所は鍵をかけて閉じていたと言っていたね。
 つまり、この先が落盤した天然の洞窟ということだろう。
 

 扉の鍵を開けて奥へと進んでいくと、その先に青白く輝く霊体が漂っていた。
 オビワン・ケノービか……?
 ぬ、なんか以前もそんなこと考えたような気がする。
 

 今更幽霊とか怖くないので、勇気を振り絞――る必要も無く近くへと歩み寄る。
 この幽霊は、アルゴニアンの幽霊だな。ということは、ウィンストンの言っていたジークということか。
 何らかの理由で、成仏できずにここを彷徨っているのだろう。
 そして幽霊の向こう側は、落盤の名残か大量の岩が転がっていた。
 
「岩はとても寒い……、とっても寒い。皆どこへ行ったんだ? 他の鉱夫は居るのか?」
 
 アルゴニアンの霊、ジークはぶつぶつとつぶやいている。
 どうでもいいけど、幽霊の声が聞こえる俺って、ひょっとして霊感があるのかな?
 緑娘は、この霊の言葉を聞き取れているのだろうか?
 
「ジーク――? 俺をよろしくね、じゃなくて――」
「あんたは俺の名前を知っているのか? 俺を見つけに来たのか?」
 
 普通に霊と会話する俺。
 
「君の名前は、ジークハズ=アイだ。ウィンストンに頼まれて、君を探しに来た」
「俺は長いこと見捨てられていたみたいなんだ。奴らが悪いのだ、ネズミだよ!」
「ああ、ネズミも探している。ついでにクマも」
「奴らは岩の中で見つけた俺を、噛んで擦り落としていったんだ! 奴らは俺をバラバラにして、俺の骨から肉を噛み取った!」
「気持ち悪いわね!」
 
 どうやら緑娘も、幽霊の声が聞こえるようだ。
 まぁ神の声も聞こえる世界だ、これがこの世界の常識なのだろうね。
 
「お願いだ! 俺の遺骨を探し出して、俺をここから解放してくれ! この洞窟のどこかに、俺の体は残っているはずなんだ!」
「嫌よ気持ち悪い!」
「まぁまぁ、ジークを助けてあげよう。遺骨はどれだけあるのかな?」
「全部で四つだ! 早く解放してくれ、ここは寒い、めっちゃ寒いんだよ!」
 
 
 そんなわけで、ジークの遺骨探しをすることになったので、ある。
 
 続く――
 
 
 
 
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©発行年-2020 らむのゲーム日記