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スタークへ ~間抜け者の島?~

 
「ジ=スカールは、うまいものを見るとシロディールワインが欲しくなる」
「はい先輩、どうぞお注ぎ致します」
「ジ=スカールは、シロディールワインを飲むとうまいものが食いたくなる」
「イノシシの肉も十分煮えてきたところですよ」
「ジ=スカールは、うまいものを見るとまたシロディールワインが欲しくなる」
「はい先輩、どうぞお注ぎ致します」
「ジ=スカールは、シロディールワインを飲むとまたうまいものが食いたくなる」
「カニも良い具合に煮えていますよ」
 
 俺はいったい何をやっているのだろうか。
 ここは、魔術師大学の片隅にできたリリィの研究所、オゥム・クォート・オゥム。そこでささやかな、蟹牡丹鍋大会が行われていた。
 俺の予想通り、うまいものと酒を用意すればジ=スカール先輩も良い気分になっている。
 約束を忘れていた俺も悪いのだが、部下にお酌するアークメイジとはいったい何か? いや見方を変えると、先輩にお酌する後輩だけどね。
 だいたいシロディールワインを欲しがる奴にロクな奴は居ない。例えばサングインとかね。
 
「ところでラムリーザ、金塊の株はちゃんと買ってきてくれるのだろうな?」
「イノシシ肉をどうぞ!」
 
 ちっ、しっかり覚えていやがる。
 こうなったら飲ませて飲ませて潰してしまえ!
 
「金塊の話でしたら、丁度良い情報が入りましたよ。ひょっとしたら、株よりももっと金塊が手に入るかもしれません」
「それは素晴らしいですね!」
 
 リリィさんも、金塊集めに躍起になっているようだ。
 どうもシロディールの雲行きは怪しいし、今のうちに資財をかき集めておくのも悪くないのだろう。
 
「ジ=スカールは、金塊を手に入れるためだったらなんだってやるぞ」
「先輩、何でもやるって言っていると、全国の悪いおじさんがやってきて、あんなことやこんなことされますよ」
「それではちょっと場所を移動しましょう」
 
 そう言うと、リリィさんは席を立ってどこかへ向かいだした。
 俺も立ち上がって後を追う。
 

「一階はごちゃごちゃしているので、地下室で作戦会議です」
「地下室……、総ての決定がこの地下室で行われる。これでも開かれた大学と言えるかな?」
「開校の父アルケインはどう思うでしょうねぇ?」
「泣いているさ、墓の下でね」
 
 ――などと、どうでもいい会話をしつつ、ぞろぞろと地下室へと向かう。
 そもそも大学は一般に公開していない、とラミナスさんから最初に聞いた。
 こそこそと地下室で会議するのも、べつに大学の方針に反しているわけではないのだ。
 俺もアークメイジだけど、誰がどんな研究をしているか隅々まで把握しているわけではないからね。
 

 地下室での密会、リリィさんはアンヴィル近郊の地図を広げて語りだした。
 なんでもアンヴィル西沖にスターク島というる牧歌的な島があり、そこは多くの地が金鉱となっているらしい。
 スタークなどと呼ばれているが、Stirk、要は間抜け者ってことだ。雄牛の子供かもしれんが……
 どうでもいいが、ジ=スカール先輩は、会議の時も金塊入りの袋を手放さないのな。よっぽど金塊が気に入ったのだなー。
 
「私達は、これからその『間抜け者の島』へ向かって、より多くの金塊が得られるかどうか確認しに行きます」
「え? 俺もですか?」
「ラムリーザはジ=スカールに金塊を与えるという約束をまだ実行していない」
 
 リリィさんはそこへ向かうよう話を決め、先輩も俺に同行するよう強要してくる。
 俺は動物の魂を集める任務が終わっていないのだが……
 まあいいか、島で珍しい動物の魂でも集められたら、それはそれでプロキスやガーベンを喜ばせることになるだろう。
 それに、クマやトロール、ネズミの魂もまだ集まっていないし、それらが島に生息していたら、ついでに魂縛してしまえばいい。
 

 そんなわけで翌日、魔術師大学カルテットにニラーシャを加えた五人は、間抜け者の島スタークへ行くために、アンヴィルへと向かったのであった。
 
 
 ………
 ……
 …
 
 

 その道中、襲い掛かってきたスプリガンの魂をゲット。
 これは依頼された基本的な魂からは外れているが、おまけのようなものだ。
 約束された八種類以外にも、珍しいものを集めてあげるのも、今回の任務の一つだ。
 

 続いて野蛮人、オーガを魂縛。
 この辺りも闘技場の敵として映えると思うのだが、なぜガーベンはネズミやカニを優先したのだろうね。
 

 さらに続いて、トロールの魂を獲得。
 これは約束された八種類の内の一つだ。これで残るはクマとネズミ。
 ネズミの魂、必要かね? 闘技場でネズミが出てきて、嬉しいかね?
 

 そして帝都の闘技場で戦ったことのあるミノタウロスを魂縛。
 こいつのパワーは、ど迫力な一千万パワーあるから油断してはいけない。
 俺のパワーはいくつぐらいかだって? 七億パワーぐらいかな、H.O!
 
 
 ………
 ……
 …
 
 
 そんなわけで、無事にアンヴィルに到着。
 

「スタークへはこの船で行きます。私が船長に話をつけますので、皆さんは乗り込んでいてください」
 
 どうもリリィさんに全て任せているな。
 おそらくこの中で一番の年長者でしっかり者はリリィさんだよ。
 カジートの見た目はよくわからんから、ジ=スカール先輩はあれで実は50歳とかあるかもしれないけどね。
 

 船長ジャファンと話をして、いよいよスタークへと向かうときがやってきた。
 マグニティセント号は、アンヴィルの港を離れてさらに西へと向かう。
 ちなみに南西にはサマーセット島という場所があり、そこはハイエルフの故郷なのだってさ。
 ハイエルフは誰だっけ、オカトー大議員とかかな? あまり知り合いは居ないね。
 ちなみに運賃は50G。それほど高くないようだ。
 

 スタークまでの距離はこのくらい。
 間抜けの島と噂されているらしいが、ひょっとしてアホを島流しにしてる場所じゃないだろうな?
 先輩みたいな人にはちょうどいいリゾート地になるのだろう。
 
 
 ………
 ……
 …
 
 
 波に揺られて数時間。俺達は、間抜けの島スタークに到着した。
 

 港から見た感じだと、ごく普通の町があったりして、アホが住み着いているとは思えない。
 灯台もあるし、ちゃんとした島なのだろう。雰囲気も、アンヴィル周辺とさほど変わらない。
 

 港から近い場所にあった町の入り口で、一旦別れて別行動をしようといった話になった。
 金塊集めは口実で、実はバカンスだったのじゃないかね?
 オブリビオンの動乱を避けて、離れ小島に疎開した……。いやまさかそんな、ね。
 しかしこうしてみると、リリィさんがリーダーにしか見えないな。まぁそれでいいけどね。
 

「というわけで、取り残されてしまったわけだ」
「たまには息抜きもいいんじゃないかしら? ここのところ働きすぎだと思うわ」
「まあいいか。マーティンの解読も難航しているし、魂集めもいろいろと珍しいものを探しに島まで行ってみましたと説明できるし」
「帝国が滅びるまでこの島に潜伏しておくのよ。そして頃合を見計らって本土に戻り、あなたが帝位に就くのよ」
「まだ諦めてないのな」
 
 さて、俺はこの島で何をすればいいのだ?
 たちまちは、ネズミとクマでも探しますかね?
 
 
 こうして、間抜けの島スタークでの――なんだろう、バカンス? 金塊集め? 傷心旅行?
 なんだかよくわからないが、何かが始まったので、ある。
 
 
 
 
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