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影より来る者 前編 ~領主の後継者問題~

 
「ういいぃぃぃーーーっす、どうもイグナーです!」
「すごく嬉しそうだな、クヴァッチの伝令」
 

 サンクレ・トールの遺跡から出て、これから手に入れた鎧をマーティンに届けようと思った矢先、クヴァッチの伝令イグナーが、またしても突然現れた。
 彼はどうやって俺の居る場所を探し出しているのだろうか?
 伝令だけあって、情報網だけはしっかりしているのかもな。
 
「マティウス隊長が、抱えている問題について話がしたいと言っているんだ」
「庭師も送ったぞ、これ以上何が必要なのだ?」
「町はほとんど再建されているから、それがいったい何かわからないんだ。詳しいことはこの手紙に書いてあるから読んであげてくれ。じゃあまたのぉーい、やっ!」
 
 手紙を預けると、イグナーはまたしてもものすごい勢いで駆け去っていった。
 毎度ながら、妙なテンションがある奴だな。
 

 さて、マティウス隊長からの手紙がこれだ。サヴリアン・マティウスだったのな、忘れてた。
 そして問題は、クヴァッチの将来の方針がどうのぐらいで、これ以上は手紙では詳しく話すことができないらしい。
 親愛なる友とか、永遠の恩人とか、なんだか無茶苦茶持ち上げておるが、困った時の俺頼み、行ってやるか。
 
 そこで俺は、進路を南に取り、コロール経由でクヴァッチへと向かったのであった。
 
 
 ………
 ……
 …
 
 

 クヴァッチに到着してみると、驚いたね。
 オブリビオン・ゲートの残骸が奇麗に撤去されていて、城壁の外にまで召使いの家が建ち始めているではないか。
 枯れ木も取り除かれ、新しい木が植えられている。これは庭師ゴドラスの手腕だろうね。
 これは町の中がどうなっているのか楽しみだ。
 

 おおー、いろいろできている。
 前回訪れた時と違って、教会の修復が完了しているのが目立つ。
 誰があの高い場所を修復するかでいろいろ話し合っていたような気がするが、とりあえず誰かが頑張ったということだろう。
 
 マティウス隊長に会う前に、一通り町を見てまわることにした。
 

 前回は柱が立っているだけだった場所にも、しっかりと家が建っている。
 通りも広く、ひょっとしてシロディールで二番目に立派な町は、実はクヴァッチではなかったのだろうかと思わせる。
 アンヴィル、クヴァッチ、スキングラードと、帝国の南西部には立派な町が連なっているね。
 逆に帝国南東部のブラヴィル、レヤウィンはいまいちである。特にブラヴィルはダメ。
 

 これも庭師ゴドラスの手腕だろうな。
 こんな庭は見たことが無い、段々庭とでも言うのだろうか?
 水を流しても美しいだろうね。
 

 だが闘技場らしき場所は、まだ手付かずだったりする。
 ひょっとしてマティウス隊長の依頼は、闘技場の再建だろうかな?
 闘技場か、グレイプリンスとの戦いは、俺をすっかりと変えてしまった。
 今では俺は、あのオークを倒して者として、非常に有名になりまくってしまった。
 誰もが一ヶ月以上も前のことを、ついさっき見たような感じで褒め称える。民衆から伯爵まで、皆揃って意味不明だ。
 
 恐らく知名度的に、『グレイプリンスを倒した者 > クヴァッチの英雄 > アークメイジ』っぽいのだよなぁ……(。-`ω´-)
 

 城門も閉ざされたまま。
 町の復興を先にして、領主の住む城は後回しか。
 そういえば、クヴァッチの領主であるゴールドワイン卿は、デイドラの侵攻の際に犠牲になったのだったな。
 領主が居ない今、この町を治めているのは誰だろうか? マティウス隊長かな?
 

 あっ、クヴァッチにも魔術師ギルドの支部ができている。
 そういえばラミナスさんが、クヴァッチの支部長を決めたとか言っていたな。
 そのような人事は、全部ラミナスさんに任せているからまあいいか。
 
 やはり推薦状をクヴァッチからもらわなくてよかったのが謎だな……(。-`ω´-)
 

 教会の中も奇麗に復興されていて、奥の祭殿には竜のようなものが置かれていた。
 
「まさか、クヴァッチはペライト信仰?」
「いえいえ、これはアカトシュですよ」
 
 神父の話では、アカトシュもペライトと同じく竜のような姿。
 いやいや、クヴァッチでは神父ではなくお坊さんと呼ぶべきでしたな。
 

 とまぁ、こんな感じに見事に復興していましたとさ。
 これのどこに問題が発生しているのだろうねー。
 
 

 

 一通り町を見終わったところで、マティウス隊長と面会する。どうだ、クヴァッチの英雄様の御成りだぞーいっと。
 
「おお、親愛なる友よ、会えて嬉しいよ。君に話したいとても大事な案件があるのだ」
「卒業式の後、伝説の木の下で待っています、か?」
「別にクヴァッチの英雄殿に告白はしない。実は復旧作業中、作業員の一人が伯爵の部屋のガレキの中から、一冊の本を発見したのだ」
「まさかそれは、エロ本か?」
「はっはっはっ、英雄殿はユーモアをお持ちだ」
 
 マティウス隊長は笑ってくれたが、緑娘の蔑む視線が痛いぜ。
 
 さてその本、エロ本でもなく、お宝本でもないそれは、イルノリという著者によって綴られた自叙伝であり、そこには忌まわしい過去が込められているらしいのだ。
 そんな忌まわしい本は、焚書して燃やしてしまえばいいのにね。ん、頭痛が痛いみたいなことを述べてしまった、すまぬ。
 そして同時に出てきたオルメリウス・ゴールドワイン卿手書きの古い手記によれば、伯爵はイルノリこそが行方不明となっていたご子息、アリナー様だと考えていたらしいのだ。
 マティウスは、自分がクヴァッチに赴任してくる前に既に伯爵は奥方を亡くしていたというので、まさか世継ぎがいるとは思わなかったようだ。
 
「むっ、今回の問題がわかったぞ。伯爵の跡継ぎ問題、領主をどうするかだろう」
「さすが英雄殿は察しがよい。そのとおり、クヴァッチにはまだ未来へとこの町を導く存在が必要なのだ」
「マティウス隊長がそのままスライドして、新しい領主になってもいいんだよ」
「むろん私も出来得る限りこの町に尽くしたいと考えている。だが私はそれを実現させるには年を取りすぎてしまった。それに、クヴァッチの支持者達の意向を無視して指導者になることのできない」
「なんなら俺が口ぞえしましょうか? 俺がマティウス隊長を領主にすると言えば、反対する者は少ないと思うがの」
「それなら私よりも英雄殿が領主になるべきだ」
「いや、それはちょっと――」
 
 さすがにアークメイジと領主の兼任は難しい。
 俺にはアークメイジですらいっぱいいっぱいなのに、この上領主だ何てな。皇帝などもってのほかだ、わかったか緑娘。
 
「そこでだ、君にゴールドワイン伯爵のイルノリに関する手掛かりを追ってくれるというなら、最大限の感謝をしよう」
「残念ながら、俺様は忙しいのだ――と言えばどうする?」
「別に私の傷心度は上昇しないが、代わりに英雄殿に領主の座についてもらうだけだ」
「わかりました、やりましょう」
 
 このままではめんどくさい領主に就かされそうなので、ここは素直にマティウス隊長の手伝いをしてあげることにした。
 マティウスの話では、伯爵の手記によると、彼らはシェイディンハルの近くに住んでいるらしいのだ。
 手掛かりを調べ上げて、可能ならイルノリという者を見つけ出して、その人物が本当にアリナー様なのか見極めて欲しいとのことだ。
 うまくいけば、その人物を正当なる権利の元で、クヴァッチを統治させるよう説得できるというものだ。
 

 これが情報の元となるゴールドワイン伯爵の手記だ。
 この手記によると、シェイディンハルの書店が、イルノリの自叙伝の出所らしい。

 俺は、そのイルノリかアリナーがどっちかわからんが、その者をクヴァッチへ連れてきて、マティウスと話をさせることとなったので、ある。
 
 
 
 
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