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暁の道 その二 ~グウィナスと教団~

 
 神話の暁教解説書第一巻を手に入れた俺は、魔術師大学に居るター=ミーナにこの本の解説をしてもらうことになった。
 少しだけ見た感じでは、マンカー・キャモランって人が書いた邪教書みたいな感じ。
 デイゴンがどうのこうの……
 

 というわけで、魔術師大学に戻ってきた。
 緑娘が買った羊の様子も見ることになったが、とりあえず本の解説作業に緑娘は必要ないので、ター=ミーナに会っている間は好きなだけ羊と戯れさせてあげよう。
 もふもふやってな。
 ――ってジ=スカール先輩、相変わらず昼間から酒ですか?
 
「これはエルスウェア産の紅茶だ。ジ=スカールは、ニラーシャの淹れてくれる紅茶が好きになった」
「言葉に出ていましたか。紅茶でも青茶でも好きなだけ飲んでください。そうだ、ニラーシャさんが淹れるならニラ茶で」
「ニラ茶は血行を良くしたり、疲労回復によいぞ」
「あるんかい!」
 
 
 さて、茶番はここまでにして、ター=ミーナさんのところを訪れよう。
 そして、いろいろと知ったことを尋ねてみよう。
 
「こんにちは!」
「おお、アークメイジ。珍しいですね。今日は何の御用かしら?」
「深遠の暁って知っていますか?」
「知っていますよ。でも数あるデイドラ教団の中で、もっとも謎が多い一派なの。ほとんどが謎に包まれているの」
「マンカー・キャモランって誰ですか?」
「彼はその教団の中で、カリスマ的な謎の人物よ。その男は教団内で、マスターと呼ばれているわ」
「実はこういった本を見つけたのですが」
 

「ああ、なるほど。ザルクセスの神秘の書のことね。素晴らしい! あなたは、デイドラ信仰に学術的興味があるのね?」
「とんでもありません! シェオゴラスとかメファーラとかサングインとか興味ありません!」
「妙に具体的ね、何かあったのかしら?」
「そんなことよりも、深遠の暁教団を見つけたいのです。あと、深遠の暁と、神話の暁の違いは名にですか?」
「呼び方はいろいろあるわ。一部では神代の夜明け教団とも呼ばれているのよ。しかし教団を探すなんて、あなたはメエルーンズ・デイゴンに興味があるの?」
「それが俺にもよく分からないんだ。そのデイゴンの祭殿は見たことないんだ」
「まあいいわ、仕事でしょう? ブレイズの」
「まあね」
 
 ター=ミーナさんの話では、この本は四巻構成のようで、彼女が目にした事があるのは一巻と二巻だけ。
 教団を見つけたいのならば、解説書を四巻とも全て必要になるらしい。
 その本のどこかに、深遠の暁教団の秘密の祭殿がある場所を見つけ出す手がかりが隠されているに違いないと言うのだ。
 その祭殿を見つけ出すことが、教団に入信するための最初のテストらしい。
 
 ちなみにこの本は、400年ほど前に書かれた本らしい。それにしては、保存状況がえらく良いね。
 そしてこのザルクセスの神秘の書は、深遠の暁教団にとっては聖典だと言う。彼らにとっては聖書だが、関係ない人から見たら邪教書だ。
 噂では、メエルーンズ・デイゴン自らが書いたと言われているそうだ。デイドラも本を書くのか、シェオゴラス経典……(。-`ω´-)
 
「それで、残りの本はどこにありますか?」
「二巻はここに写本があります、丁寧に扱ってね」
「浄願寺の鐘に励まされ、ランプの明かりで写本したのですか?」
「何ですか? 別に鐘の音に励まされてませんよ。で、残りの本は、おそらく帝都商業地区のファースト書店で探してみたらどうかしら?」
「ん、行ってみる」
 
 そんなわけで、今度は帝都の本屋さんだ。
 前も行ったことがあるような気がするけど、何だったっけ?
 ああそうだ、吸血鬼ハンターの一団に吸血鬼退治を依頼された時だ。
 

 ファースト・エディション。本屋さんね。
 ちなみに緑娘は、羊の傍を離れようとしないので、本探しの間は好きにさせておくことにした。
 

「こんにちは! ザルクセスの神秘の書をください! 三巻と四巻!」
「一巻と二巻はたまに出回るが、三巻と四巻は入手不可能だ」
「といいつつ、本当は隠し持っているのでしょう?」
「まぁ実は三巻の写本が手元にあるが、これは特注品で既に他の客から代金を受け取っている。すまんな」
「よし、二倍の代金を払おう。売ってくれ」
「ダメだ。グウィナスに悪い、諦めてくれ」
「しょうがないなぁ……」
 
 店主フィンティアスは、先客が大事だと言って、俺に三巻は売ってくれないようだ。
 

 そこで魅了の魔法だ。悪用したらアカンで。
 なんかこの人には、毎回魅了の魔法をかけているような気がする。
 一介の本屋店主フィンティアスには、俺の名声も届かないか。
 
「もう一度言う、1.5倍の代金を払うから売ってくれ」
「わかった、アークメイジがそこまで言うなら、売ってあげよう。勉強熱心だな!」
「ありがとう!」
 
 魅了してしまえば、より安く買うと言っても応じてくれる。100Gでしたとさ。
 
 ついでにグウィナスという人にも会っておくか。
 深遠の暁教団の聖典、こっちからみたら邪教書に興味を持つなんて怪しいものだ。
 ひょっとしたら、入信希望者かもしれないからな。先手を打って、バウルスに突き出してやるのもあり。
 俺は、買ったばかりの三巻を読みながら、時間を潰すことにした。
 何々? 塔は天の覆いのすべてに触れている、兄弟修練者? ヌマンティア? チム? 
 やっぱりよくわからん。ター=ミーナさんに任せるのが一番だな。
 

 しばらく本屋で待っていたら、赤いローブを着た――グラアシア人が現れた。
 
「本を受け取りにきました。マンカー・キャモラン著作の第三巻です」
「あぁ、それね……。実はもう手元に無いんだ。本当に申し訳ない、全額返金するから」
「そんな! あんまりだ! わざわざヴァレンウッドから来たってのに! もう二度とこんな本屋に来てやるものか!」
 
 この人がたぶんグウィナスだろうな。
 店主フィンティアスに、甲高い声でわめき散らかしている。
 よく考えてみよう。第三巻、それは実在しますか? あなたの妄想の中にしか存在しないのではありませんか?
 
「ちなみに、その本を持っているのは、そこに居るアークメイジ殿だ」
「ばらすなよ」
 
 突然店主にばらされてしまった。もう魅了は解けたのかな?
 
「きっ、君が買ったのか?! その本は僕のだ!」
「譲ってやってもいいが、いくつか質問に答えてもらおう。君は深遠の暁教団について、どこまで知っているのかな?」
「深遠の暁? さっぱりわからない! 僕は宗教団体には詳しくない!」
「ほーお。俺は知っているのだよ、この本が教団の聖典であることを。わからないのなら一巻から求めるべきでは? なぜいきなり三巻なのかな?」
「……よく知っているのですね。いいでしょう、教えましょう。デイドラ信仰は、一般にはほとんど受け入れられていません。ですが、それは愚かな偏見、迷信なのです。好奇心に富む学者にとって、デイドラ信仰は実り多きものなのです。例えばシェオゴラスだのメファーラだの――」
「馬鹿たれ! そいつらは人に迷惑しかかけないデイドラだ! ひょっとしてサングインも許容しているんじゃないだろうな?」
「サングイン? 宴の神ですね、素晴らしい。そしてデイゴン、破壊の神というのも興味深い」
「そのデイゴン信者が、皇帝を暗殺したと聞いても、お前は興味津々か?」
「なっ、なんですって?!」
 
 どうやらグウィナスは、好奇心だけでデイゴンの聖典を求めていただけのようだ。
 ただシェオゴラスやメファーラと同じように、デイゴンもそう考えていただけなのだ。
 迷惑デイドラ四天王に興味を持つのは妙な人だけどね。グラアシア人だから、おかしいのは仕方がないと言えば仕方がない。
 
「メエルーンズ・デイゴンに関するマンカー・キャモランの説に夢中になっただけなんだ。だけど皇帝の暗殺だなんて……。マーラよ、お守りください」
「マーラか、アズラじゃないのな。グラアシア人はアズラ信仰だと思ってた、バイアズーラ、バイアズーラ――」
 
 そこでグウィナスに、知っていることを全て教えてもらうことにした。
 教えないと「皇帝暗殺集団に興味を持った男」として触れ回るぞ、とは脅していないけどねw
 
 グウィナスは、三巻と四巻を探しているときに、教団側から接触してきたと言うのだ。
 そして四巻は、深遠の暁教団のメンバーから直接入手するしかないと言う。
 そこで、支援者を名乗る男と会う約束をしていたのだ。
 その支援者から受け取ったというメモを譲ってくれた。それを見ると、行くべき場所が分かるらしい。
 そこまで語ると、グウィナスは逃げるようにこの場を立ち去ってしまった。
 
 さて、そのメモによると――
 
・暁の道を続けたいのなら、第四巻が必要になる。
・一巻から三巻までを勉強して、言葉の隠れた意味を捜せ
・準備ができたら、帝都のエルフ・ガーデン地区にある下水道へと向かえ。
・テーブルと椅子のある部屋についたら、椅子に座れ。そしたら望むものは与えられる。
 
 ――以上だ。
 
 よし、ここまで分かったことを、バウルスに知らせに行くか。
 四巻まで揃わないと、ター=ミーナさんに調べてもらうこともできないからね。
 
 
 
 
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