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究極の強奪 その一 ~時の砂時計~

 
 グレイ・フォックスは最後の仕事に必要な全てのアイテムが揃ったと言っていた。
 サヴィラの石、解放の矢、スプリングヒールの靴。これが盗賊ギルド三種の神器なのかな?
 一方俺の三種の神器は、霊峰の指と完璧なる魅了と透明化の魔法。戦い、交渉、侵入すべてに対応できる便利な魔法だ。
 ちなみに緑娘の三種の神器は、ニードルヒールと魔術師ギルド謹製の魔剣と緑色の髪だ。
 
 
 グレイ・フォックスにスプリングヒールの靴を届けてから、数日間は何の音沙汰も無かった。
 

 魔術師大学から出たところで、現在の帝都での衛兵隊長であるセルヴァティウス・クインティリアスが巡回しているところにでくわした。
 
「お勤めご苦労様です」
「うむ、しっかり見回っているぞ」
「ところで、グレイ・フォックスを見つけてきたら逮捕しますか?」
「そんな者は居ない。居ない者を逮捕できない」
「ここに連れてきたら?」
「グレイ・フォックスの名を語る愉快犯だろう」
「…………(。-`ω´-)」
 
 グレイ・フォックスは、その正体が分からなくなるという呪いをノクターナルから受けていると語っていた。
 クインティリアス隊長が信じないのもその呪いの影響であり、レックス隊長が僻地に飛ばされたのも呪いの一部なのだろうか?
 そしてグレイ・フォックスに関わっている俺にも、何か呪いというか災いというか、そういうものが降りかかってくるのだろうか……
 
 
 

「それで、仮面の下には何があったのかしら?」
「それが不思議なことに、仮面を取ろうと思った瞬間、仮面を取ろうとする意思が消えてしまったんだ」
「何を言っているのかわからないわ」
「俺もわからん。ノクターナルの呪いか何か知らないが、呪いが解けるまでは如何なる方法を使おうが、仮面の下は分からないのだと思う。それに――」
「それに?」
「グレイ・フォックスは300年も前から存在しているのだ。本人は、初代とは別人と言っているが、ひょっとしたらカウルの下はミイラかも知れないぞ……(。-`ω´-)」
「なにそれ怖い!」
 
 この世には鋼鉄のスーツに身を包み一見完璧を装っているが、中身は虚栄と私欲に満ちたミイラに過ぎない者も居るという噂だ。
 グレイ・フォックスもその可能性があるということは、一応考えておく必要がある。
 また、この世には肉付きの面という、顔から剥がれなくなった面も存在するという噂だ。
 グレイ・カウルを一度身に付けたものは、一生その仮面を被ったまま過ごさなければならないのだ……、かもしれない(。-`ω´-)
 
「それで、盗品は全部売ったのかしら?」
「うむ、帝都のファシス・ウレスと取り引きできるようになったから、全部売りつけてやった。これで取り引きが足らんと言われたら、またどこかでどろぼうさんをやらないといかんが――」 
「ラムリーザ、見つけたぞ」
 

 その時、傍からアルゴニアン独特のしゃがれ声がかかってきた。
 出たなアミューゼイ、遅かったじゃないか。
 
「グレイ・フォックスから新しい伝言を預かっているぜ」
「下っ端を使いに出してないで、用がある時は自分で出て来いと言ってやれ」
「ん? なんだ?」
「なんでもない、話を進めてくれ」
「帝都エルフ・ガーデンにある、オスレロスの家で待っている。伝言は伝えたぞ」
「いよいよ最後の仕事が来たか……。アミューゼイ、お前ももうすぐ最後だぞ」
「ん? なんだ?」
「なんでもなかとですばい……(。-`ω´-)」
 

 それでは最後の仕事と行きますか。
 ノクターナルの呪いは終わるのか、それともより悲惨な呪いが待ち構えているのか……
 それはグレイ・フォックス次第であった。
 
 ………
 ……
 …
 
 帝都エルフ・ガーデン、オスレロスの家にて――
 

「最後の大仕事の準備はいいかね?」
「これでほんとうに最後なのかな?」
「でかいヤマだ。この先、数十年に渡って語り継がれる強盗劇になるだろう」
「強盗なのね……(。-`ω´-)」
 
 ちょっとでも期待した俺が馬鹿だった。
 所詮盗賊ギルド、ノクターナルの呪いを断ち切るとかなんとか言った所で、やることは結局こうなのだ。
 最後のどろぼうさんというわけね、それを解決したから俺に何があるのだ?
 レックス隊長はもう居ない、居るのはグレイ・フォックスのことをかたくなに信じないクインティリアス隊長。
 リリィさんの作戦では、俺が盗賊ギルドの頂点に立って支配するということだが、本当にそんなことになるのか?
 
「帝国の宮殿から、古代の巻物を一枚盗み出すのだ。聞いているのか?」
「え? ああ、もちろんのろん!」
「これは誰か買い手が居るような仕事ではなく、栄光のためであり金のためではない。我々の名は伝説となるだろう」
「そして伝説へ?」
「それに、巻物は個人的に入り用でね」
「ほー……」
 
 グレイ・フォックスの個人的な仕事が最後の大仕事となった。
 この準備に11年を要したと聞くが、サヴィラの石が必要な情報の最後の一つを教えてくれたらしい。
 目的の古代の巻物、星霜の書とよばれるそれは帝都の宮殿に保管されている。
 そこまでの道のりは警備が厳しいので、旧道と呼ばれている古き通路を通ることとなるのだ。
 その入り口は封印されているので、まずは宮殿の地下に忍び込み、時の砂時計なる物を作動させなければならないのだ。
 
「話が細かすぎて、よくわからんぞな、もし!」
「ん、そうだろうと思って、手順はここに全てまとめてある。それを読みながら事を進めてくれ。私は君がベストだと思ったから君を選んだ。幸運を祈る」
 
 ふ~、途中までしかグレイ・フォックスの話はよく分からなかった。
 盗賊ギルド三種の神器であるサヴィラの石、解放の矢、スプリングヒールの靴を受け取ったりもしたが、これをどう使えばよいのか分からない。
 とにかく計画書を読みながら、一つずつ片付けていこう。
 
 
 
計画書その一
 時の砂時計を作動させて旧道の入り口を開く。それは帝国の宮殿の内部に存在している。
(大盗賊の計画より)
 
 
 
 宮殿か……
 一度訪れたことがあったかな。
 
 

 ここがその宮殿の入り口である。
 皇帝陛下とすれ違ったが、まさか俺が宮殿でどろぼうさんをやるとは思わないだろう。
 

 時の砂時計は宮殿の地下にあると聞いたが、地下への入り口は衛兵がしっかりと見張っている。
 地下は進入禁止なので、入った途端お縄だろうな……
 

 というわけで、やっぱりこれを使うことにした。
 透明化でやり過ごす、まったく酷い魔法だぜ。
 これをイタズラにしか使えないジ=スカール先輩は平凡なのか、それとも俺が悪すぎるのか……
 
 
 宮殿の地下は、倉庫のようになっていた。
 ただの倉庫にしては、しっかりと巡回中の衛兵が居る。
 何か大事な物が保管されているのに違いない。例えば時の砂時計などね。
 
 時の砂は使えばしばらくの間、時間を止めることができ、代用できる魔法はアルテラというもので――
 

 なんだこの巨大な椅子は?
 比較のために衛兵と一緒の所を見てみたが、こんな巨大な椅子は何のためにあるのだ?
 ここはヴァーミルナの悪夢の中だろうか……
 

 その近くには、これまた巨大な砂時計があったりした。
 これが時の砂時計だろうか?
 これをどうにかして動かしてひっくり返したりすればよいのかな?
 
 とまぁなんだ、時の砂時計を始動させたようだ。
 どのように始動させたかはナイショだ。
 別に隠すようなことでもないが、俺にもどうやったから始動したのかよくわからんのだ。
 
 とにかくこれで、旧道の封印が解けたはずだ。
 
続く――
 
 
 
 
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