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ネ・クィン=アル砂漠にて ~ス=ラババと魔法の指輪~

 
 トレジャーハンターみたいなものを始めて、今度はリバーホールドを目指すことになった。
 リバーホールドは、エルスウェア最北端の町。
 そこで、俺たちはエルスウェア中央部を縦断して、一気に北を目指すことにしたのだ。
 

「♪つーきの~、さばーくを~、はーる~ばーると~、たーびの~、らくーだが~、ゆーき~、まーした~」
「なんで急に歌いだすのよ」
「別の歌がよかった?」
「もっと乗りの良い歌にして」
「ん~……。♪ぶ~、ふ~、う~、三匹のこっぶったっ。一番上がぶ~、ぶーぶーぶーのぶつぶつや、二番目がふ~」
「らむぶた」
「何や? 文句があるならそっちが歌うべし」
「♪恋の形いろいろあるけどっ、ありえーない感じー、お隣さん醤油ございます?」
「何やそれ……」
 

 ――などと、ラクダに乗っていないジ=スカール先輩を蚊帳の外にして二人の世界を作っていたら、いつの間にかテントみたいな場所にたどり着いていたぞ?
 
 ここはどこかな? と地図を調べてみる。
 

 ス=ラババのキャンプか。
 傍で野良仕事をしている人が、ス=ラババかな。
 こんなところを耕しても、畑になるとは思えないけどねぇ……
 
 あと、ス=ラ婆じゃないらしいので、そこは気をつけよう。
 

「なんしょん?」
「見たまんま、砂を掻き分けてるの!」
「なんでまたそんなことを?」
「指輪ヨ、魔法のゆ・び・わ。落としちゃったの、でも見つからなくて困っちゃう。ああ、指輪ちゃん、どうしたら再会できるの?」
「新しいの買うわけにはいかんの?」
「あれはと・く・べ・つなの! ねっ、お礼してあげるから指輪探すの手伝ってヨ!」
「う~む……」
 

「それでお人好しのあなたは、この砂漠で指輪を探してあげるのね?」
「ス=ラババは困っているんだから、君も探してあげなよ」
「いやよめんどくさい」
「とりあえずどいてくれよ、そこに居たら探すのに邪魔だ」
「あのね、砂漠でひとつの指輪を探し当てるのと、宝くじが当選する確率は同じぐらいなのよ」
「それがどうした。家が8000Gで手に入る国で一億Gとかもらって何に使うんだよ」
「6億Gだったら欲しいわ」
「player.additem f 600000000」
「えっ?」
「なんでもなかとですばい」
 

「灯台下暗し、テントの近くに落ちているかもしれない」
「ホントに指輪探ししているのかしら? さっきのカジート、同じところばかり掘り返しているよ」
「グラアシア人じゃないから、変な人ではないはずだ」
 
 ふと、どうでもいいことが気になったりする。
 緑娘のニードルヒールの針、砂漠に刺さらないのだろうか?
 

「それでなんで俺が探している傍に付いて回るのだ?」
「離れた場所から、砂漠を這いずり回るあなたの姿、異様だから」
「……(。-`ω´-)」
 
 だったら手伝ってくれたらいいのに、緑娘は適当な場所でくつろいでいるだけで動こうとしてくれない。
 俺との距離が離れたら、また移動してきて近寄ってきて、適当な場所に座り込むの繰り返し。
 

 
 だんだん俺は、何をやっているのかわからなくなってきた。
 
 エルスウェアまでやってきて、シロディールのアークメイジは何をやっているのだろう?
 広い砂漠で匍匐前進をして指輪を探し続ける。
 歴代アークメイジに、こんなの居たのだろうか?
 いや、居るはずがない。
 結局アークメイジとは何か?
 魔術師ギルドの最高峰?
 そんな人が何故こんなことをやっている?
 ひょっして魔術師ギルドもアークメイジも、すべて俺の思い込みなのだろうか?
 シロディール、緑娘、ジ=スカール先輩、その他様々な人々。
 俺は今、壮大で迂遠な夢を見ているのだろうか?
 ひょっとして目が覚めると、緑娘の言う元居た国に戻るのだろうか?
 シロディールに来る前の記憶が無いのは、物語が作られていないから。
 眠っているときに夢を見ることがあるが、その夢の中で過去の自分が何だったか考えることはあるだろうか?
 もしも今の自分が夢の中の住民なら、せめて現実では幸せでありますように。ように。ように。
 
 ヴァーミルナ――
 夢の世界を司るデイドラ。
 人間の記憶を欲し、代わりに悪夢をもたらすと言う。
 だが現状、言うほど悪夢ではない。盗賊ギルドを除いて……
 
 
 ハッ!( ゚д゚ )
 
 
「おいっ、見つけたぞ!」
「本当に見つけたの?!」
 

 何だか色々と雑念を浮かべながら、砂漠を這いずり回っていたような気がする。
 しかしふと我に返ってみると、目の前に指輪があるではないか。
 
「ほんとに砂漠の真ん中で指輪を見つけた……」
「なんだよ、すごく残念そうな顔をして」
「その運を他で使えばいいのに」
「俺は緑娘に惚れられている、なんて幸運なんだ!」
「誰よそのミドリムスメ!」
 
 何はともあれ、ス=ラババの魔法の指輪を探し出すことに成功したようだ。
 しかし魔法の指輪と言っても、どんな魔法が込められているのだろうか?
 

「どんな魔法だろうね」
「試しにはめてみなさいよ」
「はめたら歪んだ闇の世界に行ってしまったらどうするんだよ」
「外したらいいじゃないの」
「……(。-`ω´-)」
 
 緑娘は単純だなぁ。
 まあいいか。
 もしもMPが回復することもなく、音も無く崩れたとしても、見つからなかったことにすればいいや。
 
 では、はめてみよう。
 

「おおうっ!」
「もっ、燃えた……」
「しかし熱くない、ダメージは無いぞ」
「あっ、魔法の指輪が見つかったのネ?! ワタシ、何度も何度も砂を掻き分けたけどダメだったヨ」
「同じところばかり掻き分けているからだ!」
 
 俺の身体が燃えたようになるのを見たのか、ス=ラババは作業をやめてこちらにすっ飛んできた。
 燃えたように見えるだけの指輪、とくに火炎バリアでもない、ただ見た目がそんなになるだけ。
 特に重要じゃないと思うので、素直に指輪を渡してやることにした。
 

 ス=ラババは、指輪を受け取ると、お礼にカジート用の薄板鎧一式を譲ってくれた。
 そして自ら指輪をはめると、炎をまとってその場から駆け出して行ってしまったのだ。
 鎧、要らんのだけどなー。
 まだ魔法の指輪の方が、遊びができて面白かったかもしれん。
 
 まあいいや。
 
 ス=ラババの作ったキャンプを後にして、さらに北へと目指すのであった。
 
 
 
 
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©発行年-2019 らむのゲーム日記