デューンにて ~後継者争い~
- 公開日:2019年11月5日
さて、任務も終わった事だし、改めてデューンの町を見物してみよう。
遠くから見たときは宮殿が目立っていたけど、町に入ってすぐの所は下町みたいな感じになっていた。
やたらと猫がうろついているのが気になるが、この辺りまではグラアシア菌は届いていないと思うので大丈夫だろう。
それでは町の人を訪ねていってみようか。
まずはワスバジというお菓子屋。
お前商品を自分で適当に食っているだろうがw
デブ猫と呼ばれたくないのなら、ぶた猫と呼んでやるけどそれでもいいかな?
エクレアというものが珍しいので買っておく。
そしてこのバティアという肉屋は、過去がやばい。
まず彼女は、シロディールのキャドリュー村から来たというのだが、俺はそんな村は知らない。
しかし、キャドリュー聖堂と言えば、以前インペリアル・ブリッジへ向かう途中で死霊術師が住み着いている教会があるので退治してくれとクッド=エイに頼まれたことがあった。
今では教会しか残っていないが、そこは元々賑やかな農村だったらしいのだ。
その村で彼女の両親は、ゾンビを農場で働かせていたと言う。死霊術師の家系かよ……(。-`ω´-)
しかしその平穏は長く続かず、ある日ナインの狂信者という者に襲われて、村人は虐殺されて教会以外は無くなってしまったのだ。
その後彼女は両親とともにブランブルポイント洞穴に避難しての生活が始まった。レスニリアンの要求で調べたウェルキンド・ストーンがあった洞窟ね。
そして今はエルスウェアに移って生活しているらしい。ヤギを捌くのも死体を切り刻むのも大して変わらないと言いながら……
ちらりと緑娘を見てみたが、彼女はバティアと死霊術師が繋がらないらしい。
たぶん村は襲われたのじゃなくて、死霊術師を退治されただけだと思うよ。
俺はバティアとはあまり深く関わらないことにして、肉屋を立ち去った。
その他町の人の話では、宮殿では激しい戦いが起きているらしいという事を聞いた。
双子の王子が居て、宮殿の両翼に互いの陣営を設置して争っているそうな。
後継者争いの類か……
そういえば予言者ムガーダも、「前王は死に、二人の王子は玉座を獲るため血で血を洗う争いをしておる」と言っていたっけ?
デューンの下町の南には、町の上部へ向かう坂が延びていたりした。
登った先は、上流階級の住居と言ったところかな?
ほとんどの家には鍵がかかっていたが、このチェリム館という場所には入っても問題無さそうだった。
チェリム館には衛兵が居て、後継者争いについて警告みたいなことをしてきた。
曰く、俺達が宮廷の争いに巻き込まれても、衛兵は見てみぬフリをするとのことだった。
ん、精々気をつけるとしよう。
この館の主は、ザイーク=チェリム。キャサイ=ラフト種のカジートだと言うが、ヒョウ柄の斑点がある以外は、ジ=スカール先輩とほとんど変わらない。
デューンは素晴らしい町だと言うが、宮廷の争いがあっても素晴らしいのかねぇ?
新しい情報としては、この町にある壮大な宮殿は、100世代もアネクイナの王達が住んできたと言うのだ。思ったよりも歴史が長そうだね。
「そうだ、デューンの上流地区に素晴らしい家があるぞ。町の北側にある、青い日よけのかかった家だ」
「売ってくれるん?」
「うむ」
「それじゃあ買う、なんぼ?」
「3000G」
「安いな、買おう」
あっさりと決まったが、ひとまずデューンにも拠点と言うか別荘と言うか、安く家を持つことができたのであった。
デューンの家には後で寄るとして、とりあえず宮殿は見ておくかな?
上部の町からさらに上へと登る坂道がある。この先が宮殿のはずだ。
「争いが起きていると言っているけど、行くのかしら?」
「ちょっと見るだけだ。まさか旅人にも見境無く襲い掛かってくることはないだろう」
建物自体は立派なのに、後継者争いで内戦勃発か、もったいないねぇ……
そして宮殿に入ってみたところ――
争ってる争ってる……
パーマーと言ったかな? 虎みたいなカジートも戦いに参加しているし、大変ですなぁ。
――って、なんで緑娘と先輩が戦いに参加しているのですか?
何が何やら……(。-`ω´-)
俺だけ蚊帳の外。
普通に見境無く襲い掛かって来たじゃないか……
衛兵の言っていた巻き込まれても見てみぬフリをする、こういうことだったのか。
「お前ら何をやってんだよ!」
「なんか襲い掛かってきたから反撃しただけ!」
「俺たち以外全滅したし、どっちの陣営が買ったのだ?」
「あたし達の陣営が勝ったのよ」
「勝ってどうする……(。-`ω´-)」
退治してしまったものは仕方が無い。
静かになった宮殿、見上げてみるとこの先に進めば宮殿内部に入れるらしいね。
いよいよ宮殿の一番立派なところに辿りついたようだ。
「待てよ、この中でも後継者争いやっているのじゃないか?」
「ならば全員退治してやればいいじゃないの」
「退治してどうするんだ?」
「エルスウェアの王家を乗っ取るのよ」
「乗っ取ってどうする……(。-`ω´-)」
入るかどうか少し迷ったが、入ってみると宮殿の中は静まり返っていて誰も居ない。
金でできた虎で飾られた玉座があったが、そこには誰も居ない。
「ちょっとこれはチャンスじゃない? ラムリーザあなた座って乗っ取っちゃいなさいよ」
「座るだけで乗っ取れるのか、なんて楽な簒奪なんだ」
「座ってみてよ、絶対似合うから!」
「そっちが座れよ」
「あなたを皇帝にしたいの」
「これでいいのか?」
「この調子で、シロディールの皇帝も退治して帝国全土を乗っ取ってやろうよ」
「ちょっと待て!」
今は二人きりじゃない、ジ=スカール先輩も居ると言うのに何を言っているのだ緑娘は……
「ジ=スカール先輩! 見て見て! 俺デューンの国王!」
「デューンの国王は、カジートしかなれない決まりになっているぞ」
「そうですよね! 帝国の皇帝は誰がなれますか?」
「竜神アカトシュに祝福された物がなれると聞いている。皇帝の血筋は、タイバー・セプティムから始まり、常にドラゴンボーンと呼ばれる者が続いている」
「ですよね! 聞いたか緑娘! 俺はドラゴンボーンではない!」
「何を騒いでいるのかしら? ってまたミドリムスメって言った!」
お前が先輩の前で、とんでもないことを言い出すからだろうが……
俺は必死で誤魔化しているんだぞ?
先輩は気が付いていないみたいだけどね。
「ドラゴンボーンは人間の言葉で竜の血筋と呼ばれ、ドラゴン語ではドヴァキンと言う」
「グラアシア人は、ドヴァ菌というものもばらまくのですね! やっぱり奴らはやっかいな奴らだ!」
「何を言っているのだ?」
「知らん!」
玉座で叫ぶ俺も謎、誰も居ないから玉座の間に声が響く。
広い空間、残響音も響いているいるいるいる……
………
……
…
「とまぁ、内戦は終わったみたいだなぁ」
「誰も居なくなっちゃったね」
「立派な宮殿なのに、ホント勿体無い」
宮殿のテラスからは、町が一望できたりする。
なんだかよく分からないうちに、二分していた勢力は無くなってしまい、デューンの宮殿は誰も居なくなってしまった。
この町はどうなってしまうのか……?
あ、町の左端に、青い日よけのかかった家がある。
あれがこの町での俺の家だな。
宮殿に誰も居なくなったから宮殿に住んでも良いが、玉座しか無いからなぁ……
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