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アイレイドの秘密 前編 ~二つの王冠~

 
 さて、盗賊ギルドの仕事の合間の休憩だ。
 ウェニヤンダウィクでアイレイドの彫像を手に入れたので、ウンバカノに届けることにしよう。
 

 これで集まったものは4つになった。4つなのか4体なのか、彫像なのだが1体と呼ぶには抵抗あるデザインだ。
 いつの間にか棚に4つになっていたが、どうやらテーブルの上に置いていたものも棚に持ってきたようだ。
 
「うむ、君に成功の祝杯をあげる機会を与えるところなんだが、もう一つ君に頼みたい仕事があるんだ」
「伺いましょう」
 
 盗賊ギルドでどろぼうさんをやったり脱獄の手伝いをやるよりは、遺物探しの冒険の方が楽しいというものだ。
 合間合間に冒険を挟まないと、胸焼けしてしまう。そう、串かつの合間にキャベツを食うようにな。
 
 ウンバカノの話では、ライバルの収集家が所有するアイテムを自分のコレクションに加えたいという話だった。
 これまでに何度も交渉したが断られ続けていたので、その相手からなんとか譲ってもらえるように俺から説得してくれという依頼だった。
 
 相手はヘルミニア・シンナ、ウンバカノと同じアイレイドの骨董品収集家だ。
 ウンバカノの彼女に対する評価は置いといて、アイレイドの王冠と呼ばれる遺物を相続したらしいので、それを手に入れるのが俺の使命となった。
 どうでもいいが、アイレイドの骨董品は魔術師ギルドとは関係ないのな。そういった遺物は、ギルド側で管理してそうだが二人ともギルドメンバーではない。
 
 そこでウンバカノは、1000Gを渡してきてこれを買収に使ったらよいだろうと言ってきた。
 うん、一応金持ちは金持ちなんだな。ギルドの仕事をするよりここでトレジャーハンターやったほうが金稼ぎはできる。
 もっとも、山賊狩りをして追い剥ぎするほうが儲かるという事実は覆せないけどな。
 
 
 

 というわけで、ヘルミニア・シンナの家だが留守だった。
 
「どうするの? またどろぼうさん?」
「それは最終手段な。まずは話し合ってみよう――、というかどろぼうさんはダメだ!」
「何よ夜盗のくせに」
「うるさいなぁ」
 
 
 そして彼女を探している途中、出会ってはいけない人に出会ってしまった。
 

 なんかぼろっちい人がレックス隊長と話をしていたのを見に行ったのがマズかった。
 
「おお君は! スキングラードでは助けてくれてありがとう」
「誰やお前は」
「ラスジャーだよ、牢屋に閉じ込められていた」
「あっ……」
「なんだアークメイジ、こいつと知り合いか?」
「知らん、のろまのラスジャーなど知らん!」
 
 俺は急いでその場を立ち去った。
 盗賊ギルドの一員として活動していることを、レックス隊長に知られていかん。
 潜入作戦を勝手に行っているが、敵を欺くにはまずは味方から。俺とレックス隊長が繋がっていることを盗賊ギルドに知られてはいかんのだ。繋がってないけどね。
 
 
「えー、ヘルミニア・シンナさんは居ませんかー?」
「私を呼ぶのは誰かな?」
 

 ん、どうやらこの人がヘルミニア・シンナということらしい。
 
「えっとね、ウンバカノの依頼でアイレイドの王冠を売ってもらおうと思っているのだが」
「ダメダメ、いくら詰まれてもアークメイジの頼みでもこれだけは譲れません。ウンバカノに諦めるよう言って下さい」
「1000Gでもダメ?」
「お金の問題じゃないの。その王冠が彼の手に落ちるのは危険なのです」
「そうかな? ただの収集家に見えるけど」
「とんでもない。彼のアイレイドへの興味は、魔法的な力の秘密を解き明かそうとしているのよ」
「なんかいろいろ納得しました」
 
 彼女の話を聞いたとき、誰かに似ているなと思ったらシンドリだった。
 シンドリはウンバカノのことを友人と言っていた。類友とはこのことだな。
 
「でもなぜその王冠が危険なのかな?」
「王冠は単なる古代芸術作品ではありません。私が調べたところ、眠らせておくべき危険な魔法の力が秘められているとわかったのよ」
「でもウンバカノは諦めるかなぁ?」
「そうね、あなたを説得しても他の誰かを送ってくるでしょう。そうだ、良い方法があります」
 
 彼女が示してきた方法とは、別のアイレイドの王冠を持っていけばよいということだった。
 アイレイドの統治者は一人ではなくたくさんいたそうなので、王冠は一つではないと。
 そしてウンバカノが欲しがっているのは「ネナラタの王冠」というもの。
 しかし彼女は、リンダイというネナラタの敵対都市の最後の王が持っていた冠を知っていると言うのだ。
 別の王冠を持って行っても、本物のアイレイドの王冠を目にしたことがないウンバカノは区別がつかないだろう、と。
 もしウンバカノがネナラタの王冠を手にすれば、恐ろしい力を解放して危険だとも付け加えられた。
 

 そんなわけで、リンダイの遺跡に行って、そこから冠を取ってくることになったのである。
 
「これでいいの?」
「うーん、とりあえず王冠を手に入れてから考える」
 
 

 というわけで、旅路は割愛してリンダイの遺跡だぞと。
 またアイレイドの遺跡だ、こっちはこっちで飽きてきたな。
 最近盗賊ギルドの仕事と、アイレイドの遺跡探検しかやっていない。
 

 ここの遺跡には、リッチが住み着いていた。
 ということは、死霊術師の巣窟ではなくて、ゾンビや幽霊の巣窟というわけだな。
 

「めんどくさいから一気に片付けるぞ!」
「あっ、次はあたしが退治するからね!」
「よしリッチは退治した、突撃ーっ!」
 

「――っと危ねぇ!」
 
 油断も隙も無い遺跡であった。
 

「ちなみに、この石は罠である」
「何故分かるのかしら?」
「中央に血痕が残っているから。フィスラゲイルごっこがやりたければ、中央まで行ってごらん」
「誰よそれ」
「さー、バトルメイジらしいけど、一言二言ぐらいしか会話したこと無いからなぁ」
「今どこに居るの?」
「まだネニヨンド・トウィルという遺跡に居る。ぺっちゃんこになっていると思うけど……(。-`ω´-)」
 

 そして、マラーダの遺跡で見たのと同じような扉があったりする。
 ここの鍵は、ヘルミニア・シンナから預かっているから問題ない。
 

 扉を開けてしばらく進むと、遺跡の最深部へと辿りついた。
 
「ここでこの遺跡も終わりか。リッチが居るね」
「あれはあたしの獲物!」
「はいよん、がんばってくださいな」
 

 さて、リッチは緑娘に任せて王冠探しをしますか。
 ――などと意気込んだが、この部屋の中央にある宝箱に王冠は入っていましたとさ。
 アイレイドの遺跡にある宝箱って、箱に全然見えないのだけどな。なんというか、ボルトとナットみたいな?
 

「リッチは退治したわ」
「俺もリンダイの王冠見つけたぞ、どうだ?」
「タスラの奥にあった遺跡で見つけた神々の力と同じね」
「あれもアイレイドの王冠の一つだったのかなぁ……」
 
 王冠に特別な力があるなら、魔術師ギルドで研究させてみたいところだが、まずは依頼優先だな。
 こうしてリンダイの遺跡にて、リンダイの王冠を手に入れたのだった。
 
 
 
 
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©発行年-2019 らむのゲーム日記