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東部連峰の死霊術師 その一 ~アルゴニアンの奴隷~

 
「そうだ、忘れるところだった。確か君は魔術師ギルドのアークメイジだったよな?」
「うむ、それが俺の本職である。ちなみにこの娘はコンジュラー」
「あたし戦士ギルドのマスター!」
「実はこの東部連峰にも、死霊術師が居るという噂なのだ」
「ほー、俺は気にしないけどギルドの連中は――、じゃなくてそれは由々しき事態! 詳しく聞こうではないか!」
「私はここからずっと北西に行った場所にある『魔女の村』が怪しいと思っているのだ」
 
 東部連峰にて、遺物探しも山賊退治も終わり、そろそろシロディールに帰ろうと思っているところだが、この地にはまだまだ何かがあるようだ。
 古い鉱山に何も無かったので、バルクウォード砦――国境検問所に戻ってきたところ、指揮官レインから新たな情報が入ったのだ。
 死霊術師もここに住み着いているらしいのだが、帝国軍は死霊術師はそんなに気にしていないみたい。
 俺も別に気にしないのだが、ギルドの方向がそうなっているので、頂点たるものそこは毅然と対応しなければならない。
 今は新入りみたいなものだから古い習慣に従っているけど、俺が古株になる頃には死霊術師など気にするな、という考えを浸透させてもいいかもな。
 

 地図で言えばこの辺り、魔女の村というものがあるらしい。
 魔女=死霊術師と結びつけるのも早急な気がするが、わざわざ村を作っているのが怪しいと言えば怪しいのかな?
 
「君は魔女の村についてどう思う?」
「たぶん根暗吸血鬼の巣窟になっていると思うわ」
「なんやそれ」
 
 というわけで、東部連峰北西部へと向かうことになったのである。
 山賊退治に死霊術師退治、どこに行っても同じだなぁ……
 
 
 ………
 ……
 …
 
 

 途中、谷にかけられた橋のような場所に出てきた。
 橋と言うよりは、アンヴィル北西で見かけたアイレイドのダムみたいな場所だが、石像が独特だ。
 これはアルゴニアンの石像じゃないかな? 初めて見たと思う。
 

 南を見れば、川というか谷が続いている。
 岸壁に沿って岩が並んでいるのも、なんだか人工物みたいな気がするけどね。
 

 この橋から西へ向かうと魔女の村だが、ちょっとだけ東へ寄り道をしてみると、二体の石像が並んでいたりする。
 この石像も初めて見る物だ。やはり異国と言うことなのだろうかな?
 
「あなた石像が好きでしょ?」
「なんでそうなる?」
「挨拶の神とか好きだったじゃないのよ」
「そんなことは無いぞ、俺は石像になって奉られなくてもいいからな。巨大な像など、まともな人間に耐えられるものではない」
「ふ~ん」
 
 

 とまぁちょっと寄り道したけど、魔女の村は橋から西へ向かって階段を登ればすぐに到着したのだった。
 入り口から眺めてみると、住んでいる人はダークエルフ、ダンマーの女性ばかりだ。
 モローウィンドはダンマーの国らしいから、この辺りでは普通じゃないのかな? 女ばかりだというのは不自然だけどね。
 

 魔女の村には、岩や柱などにやたらとキノコが植えられている。
 薬の調合、錬金術か?
 
「ここが魔女の村なのね、怪しいわ」
「でも待てよ、死霊術師が居る場所には、死体を弄んだように飾ってあるものだ。しかしここにはそれが無いな」
「家の中に隠しているかもしれないじゃないの」
「なるほどね」
 

 こっそりと家屋内に入ってみたが、そこにも死体は無くて代わりに薬瓶が並んでいた。
 
「これは、外れだな。死霊術師じゃない」
「噂は単なる噂なのね」
「うむ、それに死霊術師なら黒いローブを着ているはずだ」
 
 念のために、村の長老に話しかけてみる。
 長老なら、死霊術師の噂が本当かどうか知っているかもしれない。
 

 
 …………(。-`ω´-)
 
 
 敵ではないけど、歓迎していないみたいなのでとっとと立ち去ることにした。
 それとも穏健派の死霊術師で表向きには普通にしているけど、アークメイジは知っていて反抗しているのだろうか?
 
「まあいいや、魔女の村は死霊術師の巣窟じゃなかった。これいじょうこの地に用は無いな」
「今すぐ消えろって、やっぱり魔女は根暗吸血鬼ね」
「いや、吸血鬼関係ないから」
 

「うん、でかいな」
「やっぱりあなた石像好きじゃないの」
「石像なんかに俺を寝取られる気分はどうだい?」
「だったら石像と寝てみなさいよ」
「こほん……(。-`ω´-)」
 

 魔女の村から立ち去り南に向かってすぐの場所に、小さなテントがあるのに気がついた。
 誰か居るみたいだね、見に行ってみようか。
 

 そこにはアルゴニアンが一人、山賊でも無さそうだし、こんな場所で何をしているのだろうか?
 
「あんた、奴らの仲間かい? あの場所に連れ戻そうとしているのじゃないか?」
「いや、俺はあの場所とか知らん。奴らの仲間でもないし、どの奴らか? 山賊の奴らなら殲滅したよ」
「それなら手を貸してくれ! おいらはどうも頭がはっきりとしないのだ。寒さと怪我がおいらの体から力を奪ったんだ」
「話が見えんな」
「おいらはこの紙切れを持っていたんだ、これが何なのか調べてくれよ」
 
 アルゴニアンの言ってることは要領を得ないが、彼は俺に一枚の手紙のようなものを押し付けてきた。
 その手紙には、奴隷にされた者が書いたらしく、近くの砦で20時間も働かされていると書いていた。
 しかし奴隷の話よりもその次の内容が、俺にとって興味深いものだったりするのだ。
 

 
 死霊術師の集団?
 噂は事実だったのか?
 
「おいお前、死霊術師の砦はどこにあるんだ?」
「実を言うと、その手紙がおいらの心の中に居る蟲だと確信しているんだ。そいつは満足するまで俺を食べ尽くし続けるだろう。だから頼む、そいつをあるべき場所に持って行ってくれ!」
「話が見えんぞ!」
 
 結局このアルゴニアンは、それ以上まともなことは話してくれなかった。
 ただ「蟲」という言葉には聞き覚えがある。マニマルコは「蟲の王」ではなかったかな?
 そもそもそれをあるべき場所に持って行けと言われても、ただの手紙にあるべき場所などなかろうに……
 
「どうするの?」
「ん~、砦とか言っていたし、ジェイソンにでも聞いてみようか。何か知っているかもしれない」
 
 俺は、ここから南に行った場所にカヌルス監視塔があるので、そこでジェイソンから何か聞き出そうと思って向かったのである。
 
 
 ………
 ……
 …
 
 
「死霊術師の砦?」
「そうなんだよ、なんか変なアルゴニアンから手紙を押し付けられたんだけど、死霊術師の作った墓の集合施設があるみたいなんだよ」
「ん~、遺跡の跡地ならこの辺りにいろいろあるけど、死霊術師は居たかな?」
「帝国軍に警告とも書いてあるよ」
「死霊術師の砦は知らないが、アルゴニアンの集落ならここから南に向かった場所に『カヌルス湖の町』というのがあるんだ。そこに行ってみたら何かわかるのではないかな?」
 

 ジェイソンの言ったカヌルス湖の町はこの辺りにあるらしい。
 町のすぐ上にあるのがカヌルス湖か、そういえばここはカヌルス監視塔だったな。
 
「わかった、そこに行ってみる」
 
 
 こうして、東部連峰における死霊術師との戦いが始まろうとしているのだった。
 
 
 
 
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©発行年-2019 らむのゲーム日記