埋められた! その二 ~山の穴~
東部連峰北部にある失われた寺院。そこはかつて、モラグ・バルを奉っていた寺院だった。
そこでシンドリという魔術師に出会い、研究の手伝いをすることになった。
――とまぁ、出だしは前回と同じな。
水晶の池での仕事は、なにやらシンドリが俺の力を試したようで、本当の仕事はそれ以外にあったようだ。
しかしアークメイジの力を試すとはな、シンドリは未だにハンニバルが俺に後を託したということを信じられないというのだろうか?
まぁ俺自身も未だにアークメイジは荷が重いと思っているけどなw
シンドリの話では、地下に埋もれた都市を調べるための地図を見つけていたそうだ。
そしてなにやら三つの重要な場所があると言ってきた。
一つは崇拝の場所。モラグ・バル関係かどうかわからないが、そこに興味深いものがあるかもしれないという話だ。
もう一つは古い召喚室。この地方の山岳民は、優秀な召喚師だったらしい。そこで、召喚に使っていた遺物があるはるはずだということだ。
最後に、古い兵器庫があるはずなのだ。何か兵器があるかもしれない、ひょっとしてフローミルの氷杖かな?
その都市は、山の穴と呼ばれる洞穴から繋がっているらしい。
そしてシンドリは、都市に入るための鍵と、これまでに調べ上げたメモを手渡してきた。
メモによると、戦士としてのスキルにとってはさほど問題ないそうだ。魔導師はダメなのか?
一応戦士ギルドのチャンピオンになっていたりするけどね。闘技場だとグランド・チャンピオンだけど。
都市は迷路のようになっているが、崇拝場所と召喚室に向かうには北に向かえばいいとか、兵器庫はその西だとか、具体的なのか抽象的なのかよくわからない内容が書かれてあった。
気になるのは、召喚室は門が外部で鍵がかかっているらしく、閉じ込められるかもしれないと書いている部分だ。ピッキングなら不壊のピックでなんとかなるけどね。
あと、ドレモラが住んでいる可能性があるので、注意して進めとのことだった。
ドレモラと言えば蜘蛛みたいなやつとか、スキャンプとかああいう悪魔みたいな奴らのことだろう。何度か戦ったことがあるから大丈夫だ。
また、洞穴はゴブリンの一族が隠れ家としているらしいのだ。
とにかく行ってみなければわからない。
百聞は一見にしかず、メモだけであれこれ推測していても始まらない。
山の穴の場所はこの辺り。
どんどん北へと向かわされているな。常に国境の外、モローウィンドに居るのは変わらないけど。
というわけで、山の穴目指して進軍を開始したのだった。
途中には遺跡が埋まっていたりする。
なるほど、これが地下に埋もれた都市の一部か。
地上に露出しているのは、遺跡の一部だけ。
一部だけと言っても、かなり広範囲に出没している。
沈んだ都市は、かなり規模が大きいのではないだろうか?
山の上に遺跡が見えたりしたので行ってみる。
しかしそこはオーガが居ただけで、入り口は埋もれてしまっていた。
「うーむ、入り口が無い」
「山の穴という場所が、地下に埋もれた都市に繋がっているのじゃなかった?」
「おおう!」
そうだ、目指す場所は山の穴だ、遺跡ではなかったな。
まぁそんなこんなで、地図を頼りに付近を捜索してみると、よく見る洞窟の入り口に辿りついたのだった。
傍にはゴブリンが倒れている。
シンドリの言っていた、隠れ家にしているゴブリンの一味だろうか?
そして山の穴の中は、確かにゴブリンが居た。
しかしどのゴブリンも既に死骸となっていた。デイドラと争った後も無し、居たのはオオカミぐらい。
オオカミにやられるゴブリン、この地方のゴブリンは弱いのか。
洞窟の中にある炎を目印に進んでいくが、どこもこんな調子である。
シンドリにはゴブリンに注意と言われたが、そのゴブリンは既に息絶えている。
もっとヤバいのが待ち構えているのではなかろうか?
そして奥には、これまで見たこともないような猛獣が住み着いていたのだ!
見た目はマウンテン・ライオンに似ているが、一回りも二回りも大きく、毛並みには黒い斑点があるのだ。
他の国に来ているからなのか知らないが、初めて見るモンスターが次々と出てくるな。
「あたしに任せて!」
「ん、任せる」
とりあえずこの猛獣、ロック・ジョーと呼ばれているらしいが、緑娘の奮闘で退治できたのだった。
ん、さすが戦士ギルドマスター、戦闘力はやはり本物だね。俺は明かり役に徹していただけ。
たぶんゴブリン共は、こいつにやられたのだろう。隠れ家にしていたが、奥にはもっと巨大で獰猛な猛獣が潜んでいたということだ。
ロック・ジョーを退治した先は、これも馴染みのアイレイドの遺跡にある扉になっていた。
扉には鍵がかかっていて開かない。シンドリから預かってきた鍵を使う時かな。
鍵を使うと、遺跡の扉はゆっくりと開きだした。
中は真っ暗。松明に火を灯すと、そこはアイレイドの遺跡だった。
ついに地下に埋もれた都市に辿りついたということだろうか――
続く――
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