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アリーナへ行ってみよう ~戦士ギルドの名声~

 
「これで下準備は整ったわ」
「何の下準備だ?」
「この国を支配する準備よ」
「……(。-`ω´-)」
 

 ブラックウッド商会の脅威は去り、戦士ギルドは緑娘ソニアを新たなギルドマスターとして生まれ変わろうとしていた。
 しかしこの緑娘、そう言えばこの国を支配するとか言っていたっけ。まだその野望を捨ててなかったのだな。
 俺としては、そんな大層な事を考えてないで、羊飼いとして生きていくほうが良いと思うのだが……
 
「あたしの戦士ギルド、あなたの魔術師ギルドを駆使して、この国の支配権を狙っていくのよ」
「ほ~お、何か作戦でもあるのか?」
「そうねぇ、高度の柔軟性を維持しつつ、臨機応変に対処していけば良いと思うわ」
「もう少し具体的に言ってくれ、あまりにも抽象的過ぎる」
「冗談よ。今この国を支配しているのは誰かしら?」
「……知らん(。-`ω´-)」
「…………」
 
 なんだか大丈夫な気がしてきた。
 全部緑娘の机上の空論でしかないような気がする。
 これならめんどくさいことに巻き込まれずに済むかな。
 
「やっぱり帝都ということは帝国。つまり皇帝がどこかに居るのよきっと」
「あれじゃないのか? 帝都の真ん中にあった塔」
「よし、帝都に行くわよ。あの塔に忍び込むの」
「忍び込んでどうする?」
「皇帝を暗殺する」
「……(。-`ω´-)」
「冗談よ」
 
 誰も今の会話を聞いていないだろうな?
 ものすごい不穏な会話をしているぞ俺たち。まるでテロリストじゃないか……
 
「それでもね、思い上がった誰かが皇帝を始末してくれたら、その期に乗じて簒奪も狙えるわ」
「いやいやいや、その誰かって誰だよ?」
「そんなのわかんないわよ。狂信的な邪教徒とかそんなのとか何でもいいじゃないの」
「はいはい、それでどうするんだ?」
「そこであなたがその邪教徒を始末して英雄になるの。そうすれば後は――」
「お二人さん、暇そうだな。こんな時間から広場でおしゃべりとはな」
 

「あっ、オレインさんおはようじゃなくてこんにちは」
 
 やばいぞ、今の会話、オレインに聞かれた?
 
「オレインさぁん、ギルドメンバーは増えたかしら?」
「昨日の今日で増えるわけが無い。最低でも一ヶ月は様子見だ」
「一ヶ月も~? 暇~」
「それなら帝都に行って闘技場で遊んでみたらどうだ? 賭けをするもよし、腕試しをするも良しだ」
「闘技場ねぇ……」

 よかった、どうやら聞かれていなかったようだ。
 もっとも聞かれていたとしても、荒唐無稽な話だから意味不明だろうけどな。
 念のために会話してみよう。
 
「ところでオレインさんも何うろうろしているのですか?」
「うろうろしているのではない、画材の買い出しだ」
「なるほど……(。-`ω´-)」
 
 そういえば変な絵を描いていたな。
 どうせ描くなら、ライス・ライサンダスの持っている真画の絵筆で描きたいものだ。
 待てよ、オレインさんが描いたら変な世界になる、ダメだ。
 
 
「ねぇラムリーザ、闘技場に行ってみましょうよ」
「ん? 唐突だな」
「闘技場で活躍して、戦士ギルドここにありとこの国に知らしめるのよ」
「知らしめてどうするんだ?」
「名声は高めていて損は無いでしょう?」
「もっともだ」
 
 というわけで、成り行きで再び帝都に向かうことになった。
 ここでぼんやりと駄弁っているよりは面白いだろう。
 
 
 ………
 ……
 …
 
 

 そして帝都である。
 あの中央にそびえたつ塔に、皇帝陛下が住んでいるのだろうか?
 ただし俺達が住む場所は、薄暗いアークメイジの私室が薄汚い港町の小屋だけ。
 もっと良い家は無いのかよ!
 

「これが闘技場だな」
「ここであたしが戦えばいいのね?」
「待て、まずは様子見だ。どんな感じなのか確認してからやってみよう」
 
 というわけで、闘技場に入ってすぐの所に居る受付のような人に話しかけてみた。
 
「やあ! アリーナへようこそ! この辺りでは見かけない人だね。常連さんの顔は全部覚えているんだ、本当だよ」
 

 そういえば来るのは初めてだ。
 最近就任したばかりの戦士ギルドマスターはともかく、魔術師ギルドのアークメイジの顔も知らんのか。
 俺は有名なのか無名なのかよくわからんようになってきた。一部では有名なのになぁ……
 
 それでこのアリーナでは、戦士として戦うなら下のブラッドワークスという場所に行ってオーウィンと話せば良いらしい。
 ただし今回は様子見だ。
 ギャンブルにはまるつもりは無いが、賭けに参加して闘技場のシステムを把握しておこう。
 
「よし、試合に賭けよう」
「すばらしい! 思ったとおりの博打好きだったね! では、イエローチームかブルーチームに賭ける事ができるよ」
 
 う~ん、グリーンチームがあれば迷わず賭けるのだが、ブルーとイエローか。混ぜたらグリーンになるけどね。
 とくにどっちでもいいので、グリーンにより近いほうに賭けることにした。
 
「ではブルーチームで」
「よし、では賭け金は?」
「最初だし100Gぐらいで」
 
 どうせ金は余っているしな。勉強代ということで。
 
 ………
 ……
 …
 
「ようこそ、ようこそ、アリーナへ。帝国の善良なる市民の皆さん!」
 
 ここにテロリストっぽい緑娘が居るけどな。
 
「戦いを御所望の皆さま、戦いの時がやって参りました! イエローチームとブルーチームの死闘をご覧ください! ゲートを降ろせ!」
 
 観客席に入って待っていると、すぐに試合が始まったようだ。
 

 なるほど、この円形の間で、一対一で決闘をするわけね。
 

 これはガチなのか、それともショーなのか。
 それは参加してみればわかるか。
 
 ………
 ……
 …
 
 そうこうしているうちに、決着がついたようだ。
 

 ガチ殺したのか? それとも戦意喪失で決着なのか?
 闘技場の中には頭蓋骨も落ちているし、ガチ殺し合いなのか。
 
「ちょっとラムリーザ!」
「なんやねん」
 

「負けたじゃないの!」
「あ、そういえばブルーチームに賭けていたっけ?」
「もう、あなたはダメ! あたしが見本を見せてあげる」
「見本って、こんな五分と五分の賭けに見本とかあるのか?」
 
 すぐに受付に戻って、次の試合の賭けをするようだ。
 
「ああ、残念。君が賭けたチームは今回はダメだったみたいだね。次は幸運を!」
「イエロー! イエローチームに賭けるわ! さっきと同じ100G!」
「よし! イエローチームに100G! 幸運を!」
 
 うーん、ギャンブル沼にはまっていくのか?
 

「見てなさい、絶対にイエローチームが勝つから」
「何でわかるんや」
「勘よ」
「そんなの自慢になるか……(。-`ω´-)」
 

 …………(。-`ω´-)
 
 イエローチームしか勝たないようになっているのか?
 まあいいか、さっきの負けは取り戻したということで。
 

「あなた参加しなさい、あたしはあなたに賭けるから。いや、あたしが参加するからラムリーザはあたしに賭けて!」
「それはかまわないが、ガチ殺し合いみたいだから気をつけろよ」
「ふんっ、さっきの二試合見ていたけど、あいつら大したことなさそうだわ」
「それは俺も思ったが……」
「だから、あたしが無双するからあなたは全財産をあたしに賭けなさい!」
「100G単位でしか賭けられないみたいだけどな」
「100試合するわ! この試合を通じて、戦士ギルドの名声を高めるのよ!」
 
 
 なんだか知らないが、新たな戦いの幕開けのようだった。
 戦士ギルドの仕事は始まったばかり。
 オレインはメンバー集め、緑娘は名声稼ぎ。
 そんなところから始まったということなのだな。
 
 
 
 
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©発行年-2019 らむのゲーム日記