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レヤウィンへ ~羊の大行進~

 
「もふ~、もふ~」
「亜麻、アマ科の一年草。ヌメゴマ、アカゴマなどの異名もある」
「もふ~、もふ~」
「種子からは油が取れ、食用や塗料に使われる」
 

 コロールでの日常、いつもの光景、もう飽き飽き。
 緑娘ソニアは、放っておいたらずっと羊と遊んでいるのだ。そんなに羊が好きか……
 
 
 オレインの家で、アジャム・カジンを尋問した翌日。オレインは情報を元に作戦を立てるなどと言っていたので、そのままコロールでのんびりと過ごしていた。
 その結果がこれである。
 羊も妙に緑娘に懐いて、集まってきたりしているのだ。
 俺は蚊帳の外、こうして野草についての知識を増やすしかない。
 どうせなら神々について学んでみたいが、俺が羊牧場を離れようとすると、緑娘が「行っちゃダメ」などと言い出すのだ。
 ここで俺に何をしろと言うのだ……(。-`ω´-)
 
 
 
「お、ようやくみつけた」
「あ、オレインさん。どうもすいません、この娘は羊を愛し、羊と共に生きると決めたみたいで、婚約者の俺は蚊帳の外みたいなんですよ、なんとか言ってやってください」
「そんなことよりもだ、ブラックウッド商会を止めようと言うなら、やらなきゃならぬ仕事がある」
「そんな商会より、ホワイトシープ商会にミド――、ソニアを引き抜かれそうですよ?」
「もふ~、もふ~」

 オレインがやってきたというのに、緑娘は羊ばかり見ていて振り返ろうともしない。
 この羊依存症娘が!
 
「あのアルゴニアンから貴重な情報が得られたが、まだまだ足りん。そこで、潜入調査を頼みたいのだ。連中の行動を内部から調べるんだ」
「潜入捜査――」
 
 この時俺は、ブレナ川渓谷の出来事を思い出していた。
 そこでは、古代のダムを調査するために、クリムゾン・ブレード賊に潜入したことがあったのだ。
 それを今度は、ブラックウッド商会を相手にやれというのか。
 
「すぐにレヤウィンへ向かって、ブラックウッド商会に入会するんだ。奴らの成功の秘密を探って来い」
「俺がですか? ソニアがですか?」
「どちらか一人が単独でやるのだ。俺や他の全ての戦士ギルドの仲間には近づくなよ」
「秘密捜査か、非公式捜査……、こうしゃだろうな、オレインさんは今では部外者と言うことになっているし」
「それではよろしく頼むぞ」
「了解したっ、というわけでミソニア!」
「もふ~、もふ~」
 
 オレインは用件を述べると、そのままコロールの町へと帰っていった。
 そして緑娘は相変わらず羊と戯れている。ダメだこりゃ。
 
「おい、ブラックウッド商会に潜入作戦だ。レヤウィンに行くぞ」
「もふもふしていたいよ~」
「レヤウィンにはミーシャちゃんが居るぞ」
「ミーシャちゃん(ピクッ)」
「ほら、羊はまた戻ってから遊べばいい。さあ行くぞ」
 

「それよりもこれ見てよ~、丸くなって眠っていてかわい~っ」
「……俺も丸くなってやるから行くぞ!」
 
 
 羊から離れようとしない緑娘を、無理矢理羊から引き剥がして牧場の外へと引っ張っていく。
 なんかコロールへ来るたびに、まいかいこんなことやってんなー。
 そんなに羊が好きかね?
 
「あっ、そうだ。アンヴィルに行きましょうよ」
「何故だ? 仕事はレヤウィンだぞ」
「アンヴィルの密輸船で保護した羊をレヤウィンに運ぶの」
「ああ、そんなこともあったかねぇ……」
 
 以前密輸業者に虐待されていた羊を救ったっけ。
 その三匹はまだ港に停泊してあった船に入れたままだけど、持ち主不明なためにもらっちゃって良いことに、なっていたかなぁ?
 
 そんなわけで、羊の輸送をかねて、レヤウィンに向かうことになったのである。
 レヤウィンに羊を連れて行ってどうするのだ?
 ミーシャの所に集めておくのか?
 
 ………
 ……
 …
 
 というわけで、アンヴィルである。

 
「こんなところに放していると、海に落ちちゃうかもしれないから安全な場所に連れて行くの」
「先に牧場を作るべきだと思うけどなぁ」
「ミーシャの所に牧場作ろうよ」
「あそこは島だぞ?」
 
 全然計画も何も無い牧場物語。
 羊を集めるだけ集めてどうしたいというのだろうか?
 それよりも、当面の問題がある。
 
「その羊をどうやってレヤウィンまで輸送するのだ?」
「あたしが連れて行く」
「は?」
 

「ほーらほら、いちに、いちに、右左右左」
「…………(。-`ω´-)」
 
 まぁ、羊飼いですね。
 なんかしらんけど、羊共は緑娘に従順だ。
 

 まいっか。
 凄く時間がかかるが、別に急ぎの用事ではない。
 緑娘がそうやりたいというのなら、そうさせてやろう。
 それにしても獣率の高いパーティだこと。前世にも後世にも、ここまで獣率の高いパーティは生まれることは無いだろう。
 ほとんど羊だけどな。
 
 ………
 ……
 …
 
「それピッピッピッ、ちゃんとついてくるのよー」
「…………(。-`ω´-)」
 

 なんだかんだでうまく行っておる。
 帝都まで連れて行くことに成功しているよ。
 戦士ギルドを辞めて、本気で羊飼いをやればいいのに。
 まぁ引退後は田舎で牧場、それも悪くない、悪くない。
 もっともそうなれば、俺は蚊帳の外だろうがな……(。-`ω´-)
 
 ………
 ……
 …
 
 しかし相当ゆっくりとした旅路、すごく時間がかかってしまい、レヤウィンに着く前に日が沈み始めてしまった。
 羊を連れて夜の行軍はやりたくない。
 近くに村があれば、そこで羊を預かってもらえるのだが――
 
「あら? 珍しい行軍ね」
「え? あ、えーと、そうだ、ビエナ・アメリオンさん」
「よく覚えていてくれましたね」
 

 えーと、ここはウォーターズ・エッジだっけ。
 確かビエナさんの祖先が使っていたという装備を畑から取ってきたり、あとは何だっけ、なんかあったな――
 
 そうだ、ぬいぐるみ泥棒を捕縛した所だ(。-`ω´-)
 
 そういえば緑娘が羊に興味を持ち始めたのも、この村で羊を見かけてからだっけ。
 折角だからここで預かってもらおうか。
 
「おい、ソニア。羊はここで預かってもらおう」
「えー、ここ大丈夫?」
「少なくとも、ミーシャの居る小島よりは、設備は整っている」
「じゃあそうするわ」
 
 そのまま村の納屋まで羊を連れて行く緑娘。
 まあここなら時々変な泥棒が来るぐらいで、とくに何もおきない平穏な村だろう。
 もっともシェオゴラスには気をつけろよな。
 あの邪神は、羊のエサに毒を混ぜて殺させるようなことを強要させてくるからな……(。-`ω´-)
 

「いーい? あたしの羊ちゃんに何かあったら許さないからね」
「特に何もしてもしなくても、羊に危害を加えるような人は普通居ません」
「居たよ、密輸業者。羊ちゃんを殺そうとしていた」
「そりゃあ密輸業者は悪人です。でもこの村には悪人は居ません」
「変な泥棒が居たじゃないの」
「あれは他所の人です。この村の人ではありません」
 
 なんか緑娘とビエナさんがやりあっているようだが、まあ問題ない。
 何度でも言うが、シェオゴラスに気をつけていたら羊は大丈夫だ。いや、メファーラもやばいか……
 ただ、この村はシェオゴラスの祭殿が近いから気をつけないとな。
 またあの変な神に目をつけられかねん。
 
「それよりも、丁度いいタイミングでお会いできました」
「どういうことですか?」
 
 羊の話が一段落したところで、ビエナは俺達に語りかけてきた。
 
「実は、私は今度、戦士ギルドに加わろうかと思っていたのです」
「へー、歓迎するわよ。下っ端ができたら仕事を全部押し付けてやるんだ。あたしはもうチャンピオンだしー」
「こら、新人いびりはやめなさい。ところでなんでまた戦士ギルドに?」
「祖父がそうであったように、アメリオン家は元々戦士の一族でした。父はどうしようもない人でしたが、私は祖父の意思を継ごうかなと思ったのです」
「それいいと思うわ。戦士ギルドで仕事したら600Gもらえるもん。二~三回働けば、先祖の装備を取り戻せるかもね」
「ええ、それも目的です」
「えっと、魔術師ギルドは?」
「私は魔法は苦手で……」
「そっか……(。-`ω´-)」
 
 まあいいのじゃないですか?
 戦士ギルドはマグリールが抜けたりオレインさんが追放されたりで人手が少なくなっている。
 人材確保を第一に考えるのはいいと思うね。
 
「それで、いつコロールに向かうのかしら? シェイディンハルの方がここからだと近いと思うけど」
 
 そうなのだ。
 戦士ギルドはレヤウィンでは募集していない。
 コロールの本部か、シェイディンハルかアンヴィルでしか募集していないのだ。
 
「今日はもう遅いから、明日の昼にでも出発しようかと思っています」
「そっかぁ、旅の無事を祈っているわ」
「ありがとう」
「それと、あたしはギルドのチャンピオンだから、あたしについてきたら出世は早いわよ」
 
 早速派閥を作ろうとしてやがる……(。-`ω´-)
 
 
 まあいいか。
 俺達はこのままレヤウィンに向かい、少し時間があるならブラックウッドにさっさと潜入してやろうかな。
 俺と緑娘のどっちが潜入するかは決めてないけどね。
 
 
 
 
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©発行年-2019 らむのゲーム日記