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ニケル砦にて ~喧嘩する賊共と死体が持つ恋文~

 
 シェイディンハルで戦士ギルドの仕事を済ませた後、バーズから聞いた事はある人が俺たちを探しているとのことだった。
 それは、モドリン・オレイン。コロールに住む、元戦士ギルドメンバーだ。
 オレインは、ヴィラヌスの件でギルドを除名処分になったと聞いたが、その彼が会いたいと言っているようだ。いったい何の用だろうか?
 
「オレインって、今はどこに居るのかしら?」
「ギルドは除名になったが、追放されていなければコロールの自宅なのじゃないかな?」
「そっかぁ、じゃあ次はコロールに戻るのね」
 
 なぜか緑娘は、うれしそうな顔をする。
 オレインに再会するのがそんなにうれしいか?
 
 待てよ?
 
 羊か……(。-`ω´-)
 
 
 というわけで、東から西への大移動。戦士ギルドはシロディール中を駆け回されるから大変だ。
 

 その途中である。
 帝都まで戻り、以前魚釣り――いや、魚取りを手伝ってあげたじいさんの住むウェイを通り過ぎて西へ行ったすぐの所、結構近くに砦があるのを見落としていた。
 
「たまには砦見物をしてみないかい?」
「砦なんて面白くないわ」
「まぁそう言わずに、どんな平凡なことにでも楽しみを見出せるようになると、人生が楽しくなるぞ」
「そんな楽しみ要らない」
 
 緑娘ソニアは乗り気じゃないが、思い立つ日が吉日、ちょっと立ち寄ってみよう。
 ん、ちょっと意味が違うか? まあいいや。
 
 
 砦の入り口までは、とくに何も無い平凡な砦だ。
 中に入っても、これまでと同じ感じ。まぁ砦なんてそんなものだ。
 
「これのどこが面白いの?」
「この砦に、絶世の美女が幽閉されていて救いを求めているとしたらどうする? わくわくしないか?」
「全然わくわくしない!」
「おっと静かに、奥に誰かが居るようだぞ」
 

 こっそりと声のする方へと向かっていくと、一番奥かな? といった場所で、二つの集団が何やら罵り合っている。
 

「こんな所に呼び出してどうしよってんだよ!」
「ノコノコと出てきやがって、引っかかったな!」
「誰に向かって物言ってんだこら!」
「かまわん、積年の恨みを晴らしてやれ!」
「やっちまえ!」
「おう!」
「おう!」
 
 なんだろう、遺跡の奥で喧嘩。
 これは仲裁してやるべきか? それとも成り行きを見守るべきか?


「何見てんだお前! そこの上の奴だよ!」
 
 あ、緑娘の奴、立ち上がったから見つかってやんの!
 
「ちょっとラムリーザ! こっちに向かって矢を放ってきたわ!」
「俺は見つかっていない、立ち上がるから見つかったんだよ」
 
 なんか知らんけど、二つの集団の争いが終わった途端、見つかった緑娘に対して攻撃をしてきたようだ。
 こっそりと息を潜めて見物していたらいいのに立ち上がるから……


「仕方ねーな!」
「あっ、ずるい!」
「ではどうしろと言うのだ? ここから飛び降りて戦うか?」
「む~……」
 
 
 上から霊峰の指改を撃ちまくって、下で争っていた集団の勝ったほうを全部退治してしまった。
 こんなところで争っているなんて、表で戦えばいいのにね。
 

「なんなんだったんだろうな、こいつら」
「山賊と野盗みたいだわ」
「賊は賊でも、山と野では仲が悪いということか……」
 
 なんかよく分からんけど、高く売れそうなものを追いはぎしておしまい。
 世の中には不思議なことがたくさんあるね。
 
「どうだい、楽しかっただろう?」
「いっぱい矢を撃たれて痛かった!」
「それは見つかった君が悪い」
「む~……」
 
 なんか緑娘は不満そうだが、いいものを見た、スッキリだ。
 
 
 さて、砦の探索は終わり。再びコロールへの移動を再開――
 
「あ、向こうに池がある。ちょっと休憩していきましょうよ」
「ん、そうしよう」
 
 矢が痛かったのか、緑娘は水辺で少し休んでいこうと言い出した。
 まあいいか、コロヴィア台地でも水辺で休んだものだ。今回もそうするか。
 

「む、死体が浮いている」
「な、何よ、嫌な池ね!」
 
 砦の裏にあった池には、何故か死体が目立つように浮かんでいた。
 
「気持ち悪いから見えないところに運んで捨ててきて!」
「俺が?!」
「捨ててきて!」
「しょうがないなぁ……」
 
 水死体って腐ってて気持ち悪いんだぞ?
 あ、だから捨ててこいってか、めんどくさ!
 

「ん? この死体、何か持ってるぞ?」
「気持ち悪いわね、一緒に捨ててきてよ」
「何か手紙のようだが?」
「じゃあそれだけ持ってきて」
 
 水に入ってこない緑娘は、外から指令を飛ばすばかり。
 水死体の浮かんでいる池には入りたくないってか? 取り除けば入れるのか?
 
 とまぁそれはいいとして、死体を遠くに捨ててから、手紙を持って戻ってきた。
 死体は手紙のほかには、なんかの草を持っていたけど、そっちはいいか。
 
「で、その手紙の内容は何?」
「内容は無いよう」
「さむっ!」
 

「えーと、君は僕を知らない。でも僕は毎日君を見ているよ。毎日君が通り過ぎるたびに僕の胸はドキドキしている。僕はこれを君が僕に求愛することを望みながら書いている。次に君が思い切って町を出たときに僕はサクラソウを持っているだろう」
「水死体のクセにロマンチストなのね」
「そっか、あの草はサクラソウか」
 
 結局のところ、年月が経ち過ぎていてあの死体が誰なのかわからない。
 仕方が無いので、迷子の洞窟のエランドゥル=ヴァンガリルの時みたいに考察してみよう。
 
「さて、恋文を持ったまま水死体になった彼? 彼女について、どういった運命を辿ったのか見解を述べてみたまえ」
「ロマンチストみたいな手紙だと思ったけど、やっていることはストーカー。たぶん相手に見つかって気持ち悪って言われて首を刈られて――それはないわね。えーとね、近寄らないで! と言われて傷ついたショックで入水自殺。はい、あなたの番」
「そっちのは悲劇やな。さて俺の見解だが、さっきの死体は手紙の持ち主じゃなくて、手紙を書いた主が見ていた相手。愛しすぎて、手に入らないなら殺してしまえとなって、首を刈った後で手紙を持たせてこの池に捨てた」
「なによそれ! ストーカー怖すぎ!」
 
SS1928
 とまぁなんかいろいろあったけど、気分転換にはなった。
 いいものを見てスッキリしたので、コロールへの移動を再開しよう。
 あ、ちなみにこの砦はニケル砦という名前があるらしい。名前などあまり関係ないけどね。
 
 
 
 
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