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未完の仕事ふたたび 前編 ~ギルドを裏切った者~

 
「もふ~、もふ~」
「ぐこ~、ぐこ~」
 

 気持ちのよい天気、コロール北部にある牧場で、羊に囲まれてのんびりと時間を過ごしている二人。
 緑娘ソニアは、町中に居ればヴィラヌスがしつこいので、北の郊外に行こうと言い出したのだ。
 なぜ北の郊外? と思ったが、行ってみて納得、羊の牧場だったのね。
 この娘のために、本気で牧場を作ってやろうかね?
 
「おいっ、探したぞ! こんなところで何をしている、仕事だ!」
「もふ~、もふ~」
「何がもふもふだ! しっかりしてくれよ!」
 

 あ、やばい。戦士ギルドのオレインさんがやってきた。
 
「もう一度マグリールを探し出すのに力を貸してくれ。あの疫病神め」
「なんですか? また彼がやらかしたのですか?」
「もふ~、もふ~」
「そうだ、また契約不履行だ。ブラヴィルの魔術師と契約があったのだが、特別に難しい内容に見えなかったはずなのにあいつはまた職務の怠慢をやらかした!」
「魔術師ギルドとの契約ですか、それは看過できませんね。わかりました、なんとかしてみます」
「もふ~、もふ~」
 
 この件が原因で、魔術師ギルドと戦士ギルドの関係が悪くなったらあまりよろしくない。
 俺は夢中でもふもふしている緑娘を無理矢理立たせると、たぶんちゃんと聞いていなかったオレインの話を聞かせてやった。
 
「ほら、今度はブラヴィルに行くぞ」
「誰よそれ? またあたしの知らない女?」
「町の名前だ、ほらお遊びはもうおしまい、行くぞ」

「そんなことよりもこの丸い羊、かわいーっ!」
 
 ダメだこりゃ……(。-`ω´-)
 
 

 そういうわけで、緑娘を羊から引き剥がすのには苦労したが、昼前にはなんとか出発できた。
 このまま一気にブラヴィルまで駆け抜けるので、旅路は割愛!
 
 ………
 ……
 …
 

 ブラヴィルに到着、と。
 俺も自分の推薦状を書いてもらうとき以来、この町に行ったことはなかったな。
 久しぶりに……、この町の魔術師ギルド支部長は誰だったっけ?
 

「というわけで、俺は魔術師ギルドに顔を出してくるから後はがんばってな」
「なによ、手伝ってくれないのだったらこの町の推薦状仕事やらないからね」
「…………(。-`ω´-)」
 

 仕方が無いので、ブラヴィルの戦士ギルド支部へと二人で入る。結構広々としているね。
 ただ魔術師ギルドと違って、コロール、アンウゲィル、シェイディンハルの三都市以外は支部長らしき人はおらず、ただのギルドメンバーの休憩所みたいになっているのだ。
 
「マグリール先輩は、いないね」
「誰かに聞いてみたらいいだろう」
「あたしが聞くの?」
「君の仕事だろ?」
 

「ね~、マグリールって人しらないかしら?」
「マグリール? 見たと思うけど、独り身求婚者旅館で当たってみたら?」
「なにその婚活チックな名前の旅館!」
 
 最近メスのカジートの区別がつくようになった気がする。
 オスと違って、頭の後ろの毛を結っているっぽいのがメスだよな、違うか?
 おっと、話が終わったようで、緑娘が戻ってきた。
 
「ねぇ、婚活旅館はどこ?」
「はて、そんなところあったっけ?」
 
 正式名称を言われてもいまいち思い出しにくいが、なんとかブラヴィルでの記憶を振り絞って思い出してみた。
 たしか何だっけ、旦那が借金で連れて行かれて島で死ぬまで戦わされるみたいな、そんな話があった場所だ。
 

「ここだね、独り身求婚者旅館」
「何の旅館なの? 婚活パーティでもやってるの?」
「さー、借金のカタに島流しとかあったけど」
「なんか物騒だから一緒に入って、別にあたしは独り身求婚者じゃないし」
「婚約者じゃなかったっけ?」
「婚約はしているけど求婚はしていないよ!」
「はいはい」
 
 そんなわけで旅館に突入。
 マグリールはすぐに見つかったので、後は緑娘に任せて俺は待機。
 なんだよ、俺は緑娘の保護者か?
 

「こらぁ、起きんかぁ!」
 
 緑娘はそう叫ぶが、別にマグリールは寝ているわけではない。
 

「何よ! あたしがネズミだったらあんたはモグラだ!」
「どうでもいいさ、俺は今はブラックウッド商会に居るからな。仕事はたくさん、稼ぎもいい、口うるさいオレインも居ないしな」
「へー、あんたギルドを裏切ったのね。じゃあ先輩でもなんでもないや、このガキオヤジ!」
「なんだと? オレインに告げ口をした事を俺が知らないとでも思っているのか? 俺や連れの怒りを買う前に今すぐ出て行くんだな」
 

「なんかあいつムカつく!」
「う~む……」
「ラムリーザからも何か言ってやってよ!」
「マグリールとその連れの持っている盾に、見覚えは無いかい?」
「知らない!」
 
 なんだろう?
 ヴィラヌス・ドントンと同行したノンウィル洞窟で、ギャルタス・ブレヴィアが倒れていた傍に落ちていた盾と同じに見えるのは気のせいだろうか?
 それにブラックウッド商会、レヤウィンに本部を置く集団。
 マゾーガ卿と一緒に壊滅させた黒弓団に似ているけど、おそらく違う集団だろうな。
 
 さて、前回スキングラードでは、マグリールが不履行した仕事を引き継いでこなしたけど、今回はそのマグリールは戦士ギルドを抜けてしまっている。
 元々は緑娘一人でできるなら彼女一人に任せたいところだが、今回は魔術師ギルドが絡んでいるから俺もちょっと手を出しておくことにするか。
 
 そう考えながらも、マグリール達の持っていた盾が気になって仕方がないのであった。
 
 
 
 
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