home > 投稿 > > シャルドロックにて ~クマの出没する季節~

シャルドロックにて ~クマの出没する季節~

 
 さて、アンヴィルでの戦士ギルドの仕事を終えた俺達は、新たな任務に就くべくコロールへと向かっていた。
 どうも戦士ギルドは格支部で依頼が入るのではなく、コロールかアンヴィルかシェイディンハルの三箇所でしか依頼が入らないので、あっちに行ったりこっちに行ったりしがちである。
 

 相変わらずのユニコーン二人乗り。
 遠くに見えるのがクヴァッチの城塞だが、やはり他の街の人が一言も話題に挙げないのが怖い。
 戦士ギルドでもそのうち「クヴァッチ方面の任務だ」などと言い出すのかと思ったが、その気配は全く無いようだ。
 

 街道ではなくゴールドコーストの大平原を横切っていたら、また別の牧場に辿りついた。
 以前訪れたのはシェトコーム農場、今回はシャルドロック。あ、農場と牧場の違いがあるね。
 囲いの中に居る羊を見つめる緑娘の瞳がキラキラしているのは気のせいだろうか?
 
 折角立ち寄ったので、牧場の主に話しかけてみる。
 主の名前はソアリー・エセルシッドというようだ。ソーレイ・アシェルレッドとも呼ぶらしい。何故二つの名前があるのかは知らん。
 
「できればもてなしをしたいのだが、熊が出没しまくってそれどころではない」
「へ~、それはクマったねぇ……」
 

 
 …………(。-`ω´-)
 
 そんなに冷え切ることも無いだろうに……
 
「え~こほん、最近私の羊の群れが襲われたんだ。囲いを作ればなんとかなると思ったけど、全く意味が無かった」
「むっ、羊さんを襲うなんて許せない。ねぇ、熊退治していきましょうよ!」
「奴らを六匹退治して証拠の牙を持ってきてくれたらお礼はしよう」
「よーしっ、行くわよ!」
「クマったことになったよ……」
 

 しまった、囲いの入り口を開けっ放しにしていたら羊が逃げ出していた。
 ソアリーも干草をかき集めてないで逃げ出した羊を何とかしろよ!
 
 というわけで、熊退治の前に羊集めをするハメになってしまった。
 逃げ出した羊を全て捕まえて、囲いを閉じて一安心――

 ――してねぇ!
 
 熊が出没と言うが、こんな近くまで迫ってきていたのか?!
 羊どころか主も危ないぞ?! ついでに俺たちも!
 

 魔剣で斬りかかる緑娘。
 俺は逃げたわけじゃないぞ、高台に登って魔法を打つ。オーガなどに有効な戦法だったじゃないか!
 
 牧場の近くまで襲い掛かってきた熊を退治して、捜索範囲を徐々に広げていく。
 どうでもいいけど、緑娘は妙にこの仕事に積極的だ。そんなに羊が好きなのか。
 

 近くの池には、お馴染みのニルンルートが生えていた。
 ――なんかでかくないか?
 遠近感じゃないぞ? 普通に胸の辺りまでの大きさがある。
 本来ニルンルートは膝ぐらいまでしか高さは無いのにな。
 

 さらに熊まで襲い掛かってきた!
 これまた妙にでかくないか?!
 
 しかし緑娘の戦意は、全く衰えることはない。
 魔剣を誇らしく掲げて仁王立ち。どうでもいいけど、その魔剣は魔術師ギルド製だからね。
 

 魔剣で一閃、熊は一撃で崩れ落ちた。
 俺は何をしているのかだって? 獣は火を恐れるだろ? これは自衛なんだよ――って熊退治が仕事だったか。
 あっはっはっ、緑娘が強いから、楽させてもらっていますわぁ♪
 魔剣が強いだけかもしれないけどねっ。
 
 ただし、いつも消極的なわけではない。

 雷の束を収束させてレーザーのようにして熊に放つ。
 魔法はね、誤爆が怖いのよ。間違えて緑娘に当てたらクマったことになるからね。
 いくら緑娘の魔法抵抗力が強いと言っても、俺の技はその抵抗力すら貫通する魔法があるからね、霊峰の指とか。
 
「羊さんを襲うなんて絶対に許せないんだから」
「熊さんは襲ってもいいんだな?」
「羊さんを襲わなければ気にしない。街道に出てきたら退治するけど」
「羊さんが街道に出てきたら?」
「もふもふする」
 
 こんな感じに、牧場近辺の熊を退治して回ったので、ある。
 退治よりも、証拠の牙を集めるほうが大変だったりする。
 緑娘は熊の口の中には絶対に手を突っ込まないからなぁ……
 
 ………
 ……
 …
 
「信じられん! あんた、本当にやったんだな!」
「それで、この牙はどうするのかな?」
「囲いの周りに吊るしておく。こうしておけば奴らも恐れて出て行ってくれるだろう。さて、約束の報酬だが、俺の持っている本から一冊譲ってやろう」
「ありがとう!」
 
 緑娘は報酬の本を受け取ったが、そのまま俺に手渡してきた。
 本には興味はありませんか? 立派な魔術師ギルドメンバーになれませんぞ。キャラヒルさんとかは始終本を読んでいるのにね。
 報酬よりも羊さんを守りたかっただけだろう、そう考えることにした。
 
 そういうわけで、休憩をかねて頂いた本を読んでみる。
 西方の歪みとかいう本らしいが、何の歪だろうか?
 

 緑娘の「もふ~、もふ~」とか言う声を聞きながら、読書に励む俺。
 どうでもいいけど、緑娘は本当に羊が好きなのだな。
 平和になったら牧場でも始めるか? この国を支配するとか考えずにさ。別に今も、特に争いなど起きてなくて平和だけどね。
 

 えーと、極秘?
 
 わからん……(。-`ω´-)
 
 でもなんか防御力が上がったような気がするけど、おそらく気のせいだろうな。
 
 
 
 
Sponsored Links



 
 
 前の話へ目次に戻る次の話へ

新しい記事
古い記事

return to page top

©発行年-2019 らむのゲーム日記