元幽霊屋敷の今は良物件 ~わがままな緑娘~

 
 ほぼ一ヶ月ぶりぐらいに訪れた、港町アンヴィル。
 ここでは幽霊屋敷騒動や、海賊軍団結成などがあったことが思い出される。
 
「その幽霊屋敷って、どれなの?」
「ここが元幽霊屋敷、今は俺の家……でいいのかな?」

 なんかアリーレさんに取られた気がするけど、俺の家でいいんだよな?
 他の町の家より格安、確か装備五つ分――じゃなくて5000Gだったっけか。
 
 久しぶりの我が家(アンヴィル版)だ、と戻ろうとしたところで――

「アリーレさんは、魔術師ギルドに帰って!」
 
 緑娘テフラが通せんぼをしてアリーレさんを家に入れようとしない。
 まぁ二人を招いてハーレム、とかなったらめんどくさいし、ここはテフラの意見を重視してアリーレさんにはギルドへ帰ってもらうか。
 ただ、もしもこの緑娘が言っている婚約者が自称だったら、緑娘もギルドへ帰るべきなんだけどね。
 とまぁ、仕方がないのでアリーレさんにはギルドへと帰ってもらう。なんだかんだ言って、この緑娘を怒らせたら怖い気がするし。
 

「ここが幽霊屋敷だなんて、信じられないわ」
「地下にねぇ、ちょっとヤバい場所があったりするんだよ」
「何それ? 見てみたい」
 
 たしかこの部屋にあるタンスの上にある壷の中から、骨の手が出てきたりしてたんだよな。
 あとは家の中が幽霊だらけになっていたり。
 
 んでもって、地下室である。

「この魔方陣に秘密があって、奥に隠された部屋があるんだよ」
「悪魔の棲む家って、地下の壁の中へ地獄へ通じる井戸があったりするのよねぇ」
「さて、奥に行くぞ。また開くかな?」
 
 魔方陣を触れると、周囲がゆれ始めて壁が開いた。
 うーん、あの時のままか。埋めたりした方がいいのかもしれんな……
 

「この上に、死霊術師ローグレンの遺骨があって、なんか復活してきて襲いかかってきた」
「よく無事だったね」
「アリーレさんが手伝ってくれたからね。あの人は悪い人じゃないから仲良くしてやってくれよ」
「あなたとあまりベタベタしなければ考えてあげる」
「いや、ベタベタしてないし……(。-`ω´-)」
 
 さてと、今回も一日がかりでコロールからアンヴィルへ旅していた。
 ゆっくりと休みますか。
 

「おいで、可愛がってあげるわ」
「そういうキャラだったのか? なんか襲ってくれと言っているようだな」
「何よ、初めてじゃないくせに」
 
 いかんな、過去にこの緑娘とどう遊んでいたのか。
 まあいい、適当に遊ばせて貰うぜ!
 
 ………
 ……
 …
 
 翌朝――

 家の向こう側にある建物(?)では、誰かが朝から演説をしている。
 そういえばアンヴィルの神殿が襲撃されたとか言っていたような気がするけど、気にしないでおこう、衛兵がなんとかしてくれるはずだよ。
 
 というわけで、まずは魔術師ギルドへと向かう。
 ギルドマスターのキャラヒルさんか、あまり印象に残ってないな。他の町が個性的過ぎたからね、この人は普通なんだよ。

「アークメイジ様、マニマルコをよくぞ倒してくれました」
「俺の名声広まりすぎだなぁ」
「それにベニラス邸の呪いを解き、ローグレン・ベニラスを完全に滅ぼしたそうですね。もうあの男の邪知がアンヴィル市民を脅かすことは二度とないでしょう。よくやりました!」
「いんえー、それほどでも――あるのかな?」
 
 ん? 良く見ると緑娘、ラミナスさんやティーキウスさんの前ではクネクネしていたのに、キャラヒルさんの前では腰に手を当てたままじっと見つめたまま微動だにしないぞ?
 そういえばディーサンさんの前でも普通にしていたような?
 男ギルドマスターに色目を使ってただけか! 厄介な奴!
 あと残った町は、スキングラードはエイドリアン、よし女性だ。レヤウィンは予言者のばあさん。ブラヴィルはクッド=エイ、アルゴニアンの女性。よし、今後は色目を使うことはない。
 しかしマジでギルドマスターのアルゴニアン率高いな。ほんとがんばれよ、カジート! ジ=スカール先輩!
 
「ではその功に報いるという意味で、この娘に大学への推薦状を書いてもらえないかな?」
「あなたの功であって、そのお嬢さんの功ではありません。推薦するには何か仕事をこなしてもらうのがしきたりです」
「ダムの調査ですか?」
「そうですね。この町から西へ海岸沿いに進むと大きな川に出ます。その上流にアイレイドのダムがあると聞きました。噂では死霊術師の残党がそこに残っているとか……、誰かに調査してもらいたかったのですが、やってくれますか?」
「がんばれよ、テフラ」
「あたし魔術師ギルドどうでもいいもん。戦士ギルドをがんばるから」
「あーいや、手伝うから」
「それならやる」
 
 なんともまぁわがままな娘なことだて。
 でもゆくゆくは評議会を復活させようと思っているので、そのためにはギルドの正式メンバーになってもらわないとな。
 
「ん? ちょっと待てよ。キャラヒルさんと並んでみてくれないか?」
「え?」
「何ですか?」
 
 二人にいぶかしまれたが、俺は緑娘をキャラヒルさんと並べてみた。

 うーむ、アリーレさんが小柄なだけか。
 この緑娘、すっげー大柄だなと思ってたけど、キャラヒルさんと並んだらそうでもないや。胸の大きさだけは、緑娘がダントツだけどな!
 ってかキャラヒルさん、会話をしている時以外はずっと本を読んでいるな。まぁその方が魔術師ギルドの人らしいけどね。
 
 さてと、死霊術師も気になるがダムの調査は後回しにして、先に戦士ギルドの話を聞きに行くか。
 
 
 
 




 
 
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Posted by ラムリーザ