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荒涼たる採掘坑 ~ゴブリン退治~

 
「大仕事があるぞ! 荒涼たる採掘坑まで武器を届ける必要が会ってな、それが今回のお前達の仕事だ」
 
 翌朝、戦士ギルドの談話室でのんびりしていると、ギルドマスターのバーズ・グロ=カシュに突然仕事を言い渡された。
 武器を届けてどうするのだ? 戦争でも始めるのか? まぁ戦士の仕事は戦争だろうが……
 
「よし、ソニアさん、仕事だがんばってこい」
「あなたも手伝ってくれるんじゃなかったの? あとソニアさんはやめて、そんな他人行儀な呼び方しないで」
「武器の運搬だろ? 一人でできるじゃないか」
「女の子一人に重たい武器を運ばせるの?」
「じゃあ女の子が戦士ギルドに入りたいとか言うな」
「む~……」
 
 そんなわけで、緑娘――いや、本名が発覚したんだったな、ソニアと一緒に武器を運ぶことになりましたとさ。

 運び先は荒廃鉱山、荒涼たる採掘坑とも呼ばれているらしい。まぁ呼び方なんて、人それぞれの解釈だ。
 こんなん下っ端の仕事じゃないか、俺はアークメイジなんだぞ――っと、戦士ギルドだと準会員だった。
 アークメイジ特権で特別シードとか無いのかね? って戦士と魔術師じゃあジャンルが違うから特権持たせてもなぁ……
 

 荒涼たる採掘坑は道から外れたところにあるらしい。
 俺達は、街道を外れて森の奥へと進んで行った。ユニコーンに乗ればすぐなのだけど、まぁ仕方が無い。
 
 というわけで、荒涼たる採掘坑に到着。

「よし、がんばるぞ!」
「武器の調達にそこまで気合を入れなくても良いと思うけどな」
「でもがんばったんだもん」
「俺が剣とハンマー、君は弓矢だけ、俺の方ががんばっているけどな」
 

 というわけで採掘坑の中に入ると、既に人が集まっていた。
 三つの武器だから、丁度三人。この人達は武器も持たずにここで何をやっていたのだろうか?
 とりあえずソニアが主体として動くべきなので、武器を全部渡してリーダーらしき女性に話しかけさせた。

 弓を選んだリーダーは、なにやらゴブリン退治でこの採掘坑に集まっていたらしい。
 えーと、武器も持たずに集まってどうするんだよ? 最初から持って行けよ! などと突っ込みたい気分満載だが――

 まぁ他のメンバーも喜んでいるからよしとしよう。
 俺達が到着する前にゴブリンが襲い掛かってきていたらどうなっていたものやら。こいつらどうせ戦士だから魔法は使わないだろうし。
 戦士が戦死する……(。-`ω´-)
 

「ところで新入りさん、自己紹介がまただったね。あなたの名前は?」
「ソニ――だとラムリーザに本名ばれるから、ミリアと言います」
「今更偽名使うな、もうばれている」
 
 何がやりたいのだろうか、この緑娘は。
 
「ミリアさん、あなたは武器がないようだけど、どうするのかな?」
「あたしの武器は、これ!」

 そう言うとソニアは、例の大鎌を取り出してきた。魔力の塊だという鎌、大きいけど重さを使って物理攻撃ではなく、魔力を使った精神攻撃だという。彼女の物理攻撃は、足元にある尖った針の付いた靴だ。
 というか、名前をミリアで通しているけど、まあいいか。俺の知ったことではない。
 
「武器が胸を貫通しているような……」
「あ、刃の部分以外は、あたしが触れているところしか実体を持っていないようなものだから、持ち方によってはこうなっちゃうの」
「便利なような、摩訶不思議なような。で、俺もゴブリン退治かな?」
「あなたの武器は?」
 
 リーダーは今度は俺にそう尋ねてきたので、「俺はアークメイジだから魔術主体だ」と答えてやった。
 アークメイジが何故こんなところに? とリーダーはいぶかしんだが、すぐに表情をとりもどして話を続けた。
 そういうわけで、採掘坑の中に沸いたゴブリン狩りが始まった。
 
「あ、そうだラムリーザ。ここはあたしが全部やっつけるからあなたは外で見張りをやっていて」
「何? 見張りだぁ?」
「外からゴブリンの援軍が来たらまずいと思うの」
 
 そんなこと言いながら、要は自分が主役だから活躍したいってこった。
 まぁ別に良い。戦いはめんどくさいし、外で待ってろというのなら喜んで待っていてやろう。
 

 そんなわけで、俺は一人蚊帳の外。
 まぁ別に戦士ギルドで栄達する予定は無いので、手柄は全てソニアに与えてあげてもいいだろう。元々戦士ギルドの頂点を目指してみたいと言い出したのは、彼女の方なのだし。彼女の戦闘力なら、心配することも無いだろう。
 

 
 …………(。-`ω´-)
 
 見張りを置いて正解か、外にもゴブリンが居るじゃねーか!
 ほんま、俺達が来なくて、先にこいつらが採掘坑の中に入っていってたらどうするつもりだったんだ?
 それはさておき、今は俺の身を守らなければ、二正面作戦かよ! 
 

 まずは親玉らしい方の動きを封じておく。水の塊をぶち当てて、その中に閉じ込める魔術だ。
 そうして一方を押さえておいて、雑魚から片付ける。
 

 親玉に気をとられている間に接近されていたので、魔力を放出させて吹っ飛ばす。
 至近距離で霊峰の指を放ったら、自分まで衝撃を食らってしまうからな。
 

 距離を取った所で、必殺の霊峰の指を叩き込む。これで雑魚は片付いた。
 雷撃衝撃波で、遠く遥か彼方まですっ飛んで行ったよ。
 

 むっ、魔力でできた水の塊をぶち破ったのか、水浸しになりながらも親玉は魔法を放ってきたぞ、このゴブリン・シャーマンめ!
 魔法で俺を翻弄して、その隙に歩兵に襲わせる気だったのだろうが、あいにくお前の部下はもう居ない。
 

 ゴブリン・シャーマン、お前はゴブリンこんがり亭にしてやる。一人で勝手に炎上してろ!
 左右から攻めてきて俺を翻弄させるつもりだったのだろうが、別にレフトとライトを入れ替えるだけで問題ないということがわかっていないようだな?
 ん? なんか違うか? まあいい、勝ちは勝ちだ。
 

 ふぅやれやれ、これが見張りの仕事ですかい?
 戦士ギルドの初心者にやらせていたら、二正面作戦でやられていたんじゃないですかねぇ?
 魔術師ギルドの最高峰、アークメイジだから対処できたもので、はてさて、ソニアが見張りに回されていたらどうなっていたものか。

 この二匹以外は外には居なかったらしく、俺はしばらくの間のんびりと待つことになっていた。
 
 ………
 ……
 …
 

「お・ま・た・せ、待った? 昨日眠れなくて、だから寝坊しちゃった、てへっ☆」
「ちっとも待ってないさ。そんなことよりも、今日も可愛いね」
「ごめんね、馬車がモロ混みで~」
「馬車が混んでても遅れないはずだけどな」
 
 ん? なんか変だな?
 これだとデートの待ち合わせじゃないか?
 ってか、採掘坑でデート? 妙なカップルだな。
 いや、意外と採掘坑がカップルの聖地かもしれん――
 
 などと意味の分からないことを考えるのはやめて、シェイディンハルへ戻りバーズに武器を届けたことと、死傷者を出さずに鉱山のゴブリンを殲滅したことを伝えた。
 最初は武器運びしか依頼してこなかったくせに、いつの間にかゴブリン退治まで仕事に含めてやがる。
 まぁ、求人広告を信じて入社したけど、それ以上の仕事をさせられるのは日常茶飯事らしいから、あえて文句は言わない。
 
 そういうわけで、準会員から見習いへと昇進が決まった。
 俺は別に永年準会員でもいいのだが、一応働いたわけだしもらえる称号はもらっておこう。
 
 こうして、戦士ギルドにおける最初の仕事は、無事に完了したのであった。
 
 
 
 
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