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謎の美女出現! ~突如現れた許婚?!~

 
 初めて訪れたときは何が何だかわからなかったが、ここはペイルパス。シロディール最北端の僻地だ。
 謎の塔は結構住み心地はよく、何日でも過ごせそうな場所だったりする。
 
 翌日、俺は始まりの場所へと戻ってみようと考えた。

 塔から出て裏手に回り東へと進み、ペイルパスにある遺跡の裏側。
 そこに、外の世界(?)へと行ける道があるのを覚えていた。始まりの地以前の記憶は無いが、それ以降のことははっきりと覚えている。
 割と急な坂道を降りて、俺はあの時の気持ちを思い出した。
 

 この断崖絶壁に、絶望感みたいなものを感じていたっけ?
 ペイルパスは、周囲を山で囲まれた盆地のような場所。その外側には、こんな殺風景な場所が広がっているのだ。
 
 外に出てしばらく北へ進むと、一番最初に見た突き出た二つの岩山が見えてきた。

 草木どころか、苔一つ生えていない、文字通り突き出た岩山。
 こんな風景は、ここ以外で見たことがない。
 

 ここだ、ここだよ。気が付いたらここに倒れていた。
 遠くまで続いている、島一つ無い海。海面から突き出た二つの岩山。砂浜に打ち寄せては引いていく波の音。
 相変わらず、妙に殺風景な場所だ。
 しばらくの間、俺は二つの岩山を眺めていた――
 
 ………
 ……
 …
 
 後方からサク、サクと土を踏みしめる音が近づいてくる。
 こんな僻地に誰か居るのか? また奴か! 野蛮人め!
 いや、奴ならドスドスと歩く。こんな乾いたような軽い音はしない。むしろ足音と言うより、何か針のようなもので地面を刺すような音?
 
「ラムリーザ……」
 
 その時、高く澄んだ声、だが穏やかな優しさを感じる声が聞こえた。

 不意に名前を呼ばれて振り返る。
 目の前には、細くスラッとした足。見たことも無い黒く珍しい形の靴、爪先立ちになっていて踵から針のようなものが突き出ている。
 誰だ? 女の人か?
 

 慌てて立ち上がる。目の前には、(俺的には)美しい女性が立っていた。
 誰だ? 知らないぞ?
 いや、この娘は確かに俺の名前を呼んだ。俺のことを知っている人なのか?
 
「えっと、誰――」
 
 そう言いかけて、とっさに口をつぐむ。
 誰だか知らないが、その表情は優しそうで、昔から俺を慕っている、そんな感じを受ける娘だ。
 たぶん、記憶を失う前の自分と何か深い関係があるに違いない。
 だから俺は、無難な言葉をかけていた。
 
「えっと、久しぶりだね」
 
 多少声が引きつっているのが自分でも良く分かる。
 たぶんこの娘にとっては久しぶりなのだろう。過去の俺にとっても久しぶりなのだろう。だが、今の俺はこんな娘は知らん。
 
「よかった、何も変わってないのね」
 
 うん、耳に優しい良い声だ。結構美人? 可愛い? 何故覚えてないのだ俺は!
 つい浮かれてしまい、間違えた対応をしてしまった。
 
「初めまして、ラムリーザです」
「……?」
 
 しまった、初対面の挨拶をしてしまった。
 でもやっぱり無理だ、知らない人だから。嘘は突き通せない、なんかもったいないけどお互い勘違いということにしてみよう。
 
「えっと、よろしく」

「ちょっと待って」
 
 手を差し出してみると、その娘は何か思いついたらしく指を立てて微笑んできた。
 それにしてもきわどい衣装だな? いろいろと見えそうだぞ?
 
「再会できたことだし、久しぶりに合わせてみない? 逢わせ眼鏡」
 
 逢わせ眼鏡? 聞いたこと無いぞ?
 しかしその娘は、懐から何かを取り出すと顔に装着した。 

 あ、そのレンズは俺が愛用しているモノクルレンズそっくり。
 自分が何故身に着けているのかわからないが、なんとなくこれは外していけないものだと深層心理が訴えかけてきているのか、片時も外さなかった。
 
「やっぱりこの逢わせ眼鏡の魔力は本当だったのね。一つの眼鏡を二つに分け、お互いに持っているとたとえどれだけ遠くに離れても、いずれまた巡り合えるというの」
「で、その逢わせ眼鏡って何?」
 
 うかつな質問をしてしまったのか、その娘は怪訝な表情を向けてきた。
 やばい、記憶が無いことがばれてしまう……(。-`ω´-)
 
「覚えてないの? ほら、去年の春に一緒に作ったじゃないの。あたしはずっとアクセサリーにして身に着けていたし、あなたもモノクルにして使っているじゃない?」
「…………」
 
 だめだ、話を合わせられない。
 仕方が無いので、俺は正直に全てを打ち明けることにした。
 
「ごめん、この国に来る前の話は全然覚えていないんだ」
「そう……、ならばあたしはあなたの許婚だということも、死が二人を分かつまでずっと一緒に居るって言ってくれたことも覚えてないの?」
「すまない、全く記憶が無いのだ……って、許婚?!Σ(・ω・ノ)ノ!」
「それじゃあしょうがないわ、死が二人を分かちましょう」
 
 そういうと、その娘は空に手を伸ばした。

 すると突然何も無い空間から、緑色の刃が怪しげにきらめく巨大な鎌が出現した。
 
「ちょっ、ちょっとまった! 何ですか? 追い剥ぎ?! 許婚が追い剥ぎ?!」
「これも覚えていないのね……。いいわ、ちょっと荒療治になるかもしれないけど、ショックで何もかも思い出させてあげる。そこを動かないでね」
 
 そして娘は大きな鎌を振り上げて――
 

 
 ――そうはいくか! 魔術師の杖!
 
 この娘は敵ではない。だが何が荒療治だ、怖いよ!
 そこで俺は、杖を使って相手の身体の自由を奪い、その隙に逃げることにした。
 何かいろいろともったいないけど、覚えていないのだから仕方が無い。
 どうやら、昔の俺はこの娘とかなり親しかったのだろう。しかし、今の俺はもう昔の俺ではない!
 

 
 しばらくは動けないはずだから、その隙に遠くまで逃げてやる。
 たぶんこの娘はあの抜け道を探すのに時間がかかるだろう。
 
「ちょっと! 待ちなさいよーっ!」
 

 
 背後からあの娘の叫び声が聞こえる。
 だが耳を傾けていられない。俺は元来た道を走って走って走りぬけた。
 

 さらば謎の塔、ペイルパスは危険だからしばらく戻ってこないだろう。
 素通りして、蛇の抜け道へと向かう。
 

 ここを通り抜けたらシロディールだ。
 シロディールまで逃げ込めば、世界は広いからそうすぐには見つからないだろう。
 

 おりゃあユニコーン、かっとばせー。
 とりあえずブルーマの街まで撤退だ。ドラコニアの狂石をナリナ伯爵夫人に届けないといけないしな。
 
 俺は半日以上かけて進んだ道を、一時間もしないうちに駆け戻っていた。
 ブルーマの街に着いたとき、ようやく一安心できるのだった。街の中なら、大鎌を振り上げられたりしたら、衛兵がなんとかしてくれるだろう。
 

 
 しかし一体誰なのだろう、あの娘は。
 おばさんや獣族やトカゲの多いこの世界、若くて綺麗な人はせいぜいアリーレさんぐらい。
 確か自分のことを、俺の許婚だとか言っていた。
 全く記憶に無い、俺は一体何なんだ?
 
 悩んでいても仕方が無いので、俺はナリナ伯爵夫人にドラコニアの狂石を届け報酬として「蛇眼の指輪」を頂きました。
 うーん、ドラコニアの狂石の方が有効だったなぁ。
 
 ………
 ……
 …
 

「ラムリーザ……、あれは演技じゃないわ。完全に以前の記憶を失っているのね。おそらく転移中の影響で……。まあいいわ、じっくりと話せる機会を得られたら、きっと以前の記憶を戻すかもしれない。待ってなさいよ、あたしが絶対あなたの記憶を戻してあげる」
 
 
 
 
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