第十五話 ~ハーシーンのトーテム~

 
 コドラクの葬儀から数日間、とくに何もないまま日々が過ぎていった。
 
 男が暇そうにしていると、アエラが話を持ちかけてきた。
 
「トーテム・ハーシーンについて聞いたことはある?」
「なんだそれは?」
「見た目は何の変哲もないものだけど、ウェアウルフの力をかつてない方向へと導くアイテムよ」
「ふーむ」
「情報筋からありかを聞いたのだけど、一緒に行きたい?」
「行こう」
 
 というわけで、トーテム・ハーシーンを探す旅が始まった。
 情報筋から聞いた場所は、モヴァルスの隠れ家。
 湿地帯に広がる街、モーサルの近くにあると言う。
 

 
「ここがそうよ」
「夜まで待とう、久々にウェアウルフで暴れたくなった」
「いいわよ」
 
 というわけで、洞窟の前で夜を待つことに――
 
 

 さあ、狩りの時間だ!

 馬乗りになってがむしゃらに引っ掻くもよし。

 食らい付くもよし。
 
 男は、ウェアウルフ化したときは、負ける気がしなかった。
 

 ハーシーンのトーテムは、洞窟の奥にあった宝箱に納められていた

 トーテム
 
「探しているのはこれか?」
「スコールの古文書にある、トーテムの説明と完全に一致するわ。アンダーフォージに持って行きましょう」
 
 あとはこれをアンダーフォージに持ち帰るのみだ。
 
 
~ Mission Complete ~
 
 
 ハーシーンのトーテムは無事にアンダーフォージに届けられた。

 アエラはトーテムを崇める。
 その脇で、トーテムから何かしらの力を得た男であった――
 
 
 
 




 
 
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Posted by ラムリーザ